幅員5.5m未満をゆく

自転車とサイクリングの日記です。

幅員5.5m未満をゆく

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オールラウンドな自転車

オンロードで高速走行が得意なのはロードレーサーであることは承知の事実。
そしてMTBはこれの対局にあってオフロード走行が得意です。

一芸に秀でたものは機能美があって多くの人を引き付けます。
オンロードもオフロードもそつなく走れる自転車はどうでしょうか。どっちつかずなものとして魅力が薄れてしまうという人もいるようです。

多くの人は競技で上位に位置するものに惹かれます。プロ選手と同じ自転車に乗りたいと思うのは自然なことです。クラシックレースや世界選手権、オリンピックを観戦してワクワクし、同じ自転車やウェアで走ることは欲求を満たしてくれるものです。
しかし、競技の第一線で活躍している人の多くは、競技を引退するとそのスポーツもやめてしまいます。もちろん中にはずっと長く競技を続けている人もいますが。

競技と趣味は別のもの、と僕は思っています。

競技で扱う道具は専用のもの。特化したものです。しかし、競技を離れた時には専用のものではなく、ある程度融通がきくものでないといけません。

サイクリングの場合、一日の中で様々なシチュエーションが現れます。平坦な市街地から郊外の農村部、峠道、ダートの林道、土の古道。
日本ではこうしたサイクリングに適応させたものとしてパスハンターがあります。

クラシックなパスハンターはランドナーを改良したものでした。今でもそのスタイルに拘る人が多いですが、僕は自分のサイクリングに適応したスタイルを追求して製作しました。




スローピングフレームは、クラシック派からは敬遠されることが多いですが、山中(登山道)での足付き性を考えれば採用すべきだと思っています。上手く設計すれば前三角へ肩を入れて担ぐこともできますし、頭を入れて背負うこともできます。

短く詰まったリヤセンター(チェーンステー)は、急斜面の上り下りで後輪のグリップを維持するためです。通常の走行でもロードレーサーのようなペダリング反応で小気味よく走れます。

立ちぎみのシートアングルは、サドルの位置と足(クリート)の位置を考慮すると、実際にはツーリング車とあまり変わりありません。

シートピラーとステムに採用したサスペンションは、MTBのように大きくは動きませんが、ダートでも舗装でも疲労を軽減してくれます。

オールランダーバーは、オフロードでの扱いにおいて他のどの形状よりも扱い易いです。長距離走行で手が痛むことを懸念する人が多いですが、ergonグリップによってグローブのパッドは不要になります。グリップ上に「ぐー」で乗せると肘の角度がドロップバーに近くなります。

ハンドルの幅は、オンロード走行を重視して肩幅と同じくらいにしています。オフロードをがんがん攻めることは少なくなりましたから。

内装ハブギヤは、全てのシチュエーションにおいてアドバンテージがあります。山中では枝が絡むことがありませんし、雪で凍ることもありません。力を入れている上りの途中でも、クランク上死点で変速すれば速やかに軽いギヤへ落とせます。

ギヤ比は、下りで時速50kmくらい上り勾配20%くらいまでに対応させています。チェーンホイールは35Tという小径で、これは山道で段差を乗り越える時に干渉させないためです。

シフターはレボシフト(グリップシフトタイプ)。Wレバー同様に数段飛びで一気に変速できるので、プッシュタイプのラピッドファイヤーよりも使い勝手がいいです。

ペダルはTIMEのビンディングで、片面の金具を外して(肩面フラットにして)山道での安全性を高めています。

ブレーキはセンタープル。メカニカルディスクブレーキと同等かそれ以上に効きます。

ホイールは26HE。通常は1.25インチでオフロードが多い場合は1.5インチに履き替えています。僕は体重60kg弱なので32Hアルミニップルで問題はありません。

泥除けフェンダー)は装備していません。雨の日は極力避けていることと、山道で枝を絡ませて破損することを避けたいからです。


最近はリカンベントが楽しくなってしまったのでパスハンターの出番は少なくなってしまいましたが、オフロードを含むサイクリングにはオールラウンドに対応できるこの自転車の出番です。今後も大切に乗って行こうと思います。