日泉の SP31 スペシャル ステンレス インナーケーブル を買いましたが、
ステンレス インナーケーブル(スリック加工済み)を買い直しました。
機械式(非油圧)ディスクブレーキを数種類使ってきましたが、どれも剛性感がありません。ブレーキレバーをギュ~っと握り切れてしまいます。良く効くブレーキパットとディスクローターを選ぶことで、握り切る前に停車できます。これに加え、インナーケーブルが伸び難いことでも同じ効果が得られます。
日泉は二つのインナーケーブルを作っていますが人気があるのは SP31 スペシャル ステンレス インナーケーブル。ブレーキフィーリングを改善したいので購入してみました。このケーブルの特徴は、下図の通りたくさんの線から構成されていることです。
日泉より
自転車用の多くのインナーケーブルの謳い文句は「滑り易く、しなやか」なこと。上記二つの説明にもあります。しかし僕が注目したのは密度(面積)です。断面図を見ると一目で密度が濃いことが分かります。隙間が少ない。同じ太さで密度が濃い(面積が大きい)ということは、剛性があって伸び難いと思ったんです。
太さ1.5mmをCADでトレースして面積を比べたら、やはり日泉の方が11.3%広い。太さ1.5mmに対して1.6mmのケーブルと同じことになります。と思って喜んでいたらシマノは太さ1.6mmでした。これとの面積比はほぼ同じ。むむぅ。実際、一日使ってみましたがシマノとの差は感じませんでした。
SP31 スペシャル ステンレス インナーケーブル は、シマノのΦ1.6に対して、Φ1.5で同等の強度、これに加えて しなやかさ を追求した製品、と理解しました。
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もう一つ、ステンレスインナーケーブル(スリック加工済み)という製品があります。
こちらはシマノと同じ19線でΦ1.6。しかしスリック加工してあります。径が同じでスリック加工(削ってある)ということは、一本一本が太いということかもしれません。そうであれば断面積が大きくなり強度も高いはずです。
日泉より
ここで気になる言葉を見つけました ↑ 。「ウォーリントン撚り」ってなに?
「ウォーリントン形のメリット他について」 - 中村工業株式会社
最大素線径と最小素線径の差が最も少ないロープであり、柔軟性と強度の点で欠点が少ない。しかし、最外層に細い線があるため、耐摩耗性に劣ります。
なるほど。色々な撚り方があるんですね。勉強になりました。
一般的な19線Φ1.6mmと、日泉の2製品を比べてみました。
細かい数値は正確ではありませんが、概ね面積の傾向は正しいと思います。
やはり面積が一番大きいのは ステンレスインナーケーブル(スリック加工済み)でした。制限された径の中で強度を高くしなやかさも そこそこあるということです。
インナーケーブルの値段は大したことありませんので、早速購入して交換しました。一日走って初期伸びが無くなった SP31 スペシャル ステンレス インナーケーブル と、初期伸びがある ステンレスインナーケーブル(スリック加工済み)を比較しました。ブレーキレバーの握った感触は僅かですが ステンレスインナーケーブル(スリック加工済み) の方が剛性感があります。
ステンレスインナーケーブル(スリック加工済み)の拡大写真
実際に一日走ってみた結果、やはりこちらの方が少し剛性感があります。しかしまだ ぎゅ~っと握り切れてしまうのは変わりません。次はアウターケーブルを換えてみます。今は日泉のアルミを使っているのでステンレスにしてみます。
自転車のインナーケーブルはしなやかで引きが軽いことをアピールしている製品が多いです。これは最近のロードバイクがドロップバーの中にケーブルを通すからです。きついカーブが交互にあり、ケーブルを引くと曲げ伸ばしが繰り返されます。引きが軽くなることは違いが分かり易いですから、製品を買ってもらうためにアピールするのは必然です。しかし基本的な伸びが少ないケーブルであることも重要なことです。ただ、今のトレンドは油圧ケーブルになってしまいましたけどね。
参考