幅員5.5m未満をゆく

自転車とサイクリングの日記です。

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曲屋を探しに上川井へ

先週の三浦アルプスの帰り道、京急線金沢八景駅から萱葺民家が見え、「むむ、曲屋か?」と注視するも、電車が走り出して遠のいてしまったのでした。

曲屋(まがりや)というのは主に東北地方に見られる昔の建築様式で、L字型になった形から曲屋と呼ばれています。
この曲がった部分は厩舎(うまや)と呼ばれ、馬と一緒に暮らしていたんだそうです。

その曲屋が金沢八景(神奈川県)に?
ネットで多くの写真はあるものの、どれも外から撮影したものなので曲屋かどうなのか分かりません。

調べるうちに良く似た様式に中門造りというのがあることが分かりました。
曲屋と中門造りの違いは、簡単に言うと、曲がった内側に玄関があるのが曲屋で、先端に玄関があるのが中門造りだそうです。

こちらのページの中ほどに分かり安い図が描かれています。
http://www.geocities.jp/kounit/nitijyou-jyuukyo/fuki01.html

そうと分かると金沢八景の萱葺民家がますます気になります。
で、ようやく見つけたページがこちらです。
http://hamabra2.at.webry.info/201407/article_114.html

はい、中門造りでした。ガックリ…



自転車ツーリングでは農村部を走るのが好きで、自然と馬に親近感を抱くようになってきました。
峠道を喘いでいて、ふと横を見ると馬頭観音が見守ってくれていたり。
表情豊かにお馬の顔が掘られているもの。文字だけのものは供養の気持ちで置かれたものらしいですね。
ニンジンが供えられているのを見た時は、ほのぼのとした気持ちになります。


さて、神奈川県には曲屋はあるのか。
そんな思いでネットを調べるうちに、「上川井」というキーワードに行き当たりました!
上川井は東名高速横浜町田ICの南東にあり、自宅からすぐ近くです。

ネットで見つけたページは横浜市立図書館 旭区郷土史 写真情報。
そこには写真は掲載されていないので、よし、行ってみるか!
旭区白根にある図書館に電話で聞いてみると「はい、あります」とのこと。

ポタリング〜♪
R16脇の旧道を選んで走り30ほどで到着。

おぉー、ありました。確かに曲屋のようです。神奈川県です。

旭区郷土史より 曲屋(上川井町久保田宅)


写真を見るとやっぱり現物を見たくなります。
しかし上川井に萱葺民家が無いことは知っています。近所ですからね。
となれば、この曲屋がどこにあったのか、立て替えてた久保田宅はあるのか。
ということで帰途は上川井散策です。

こうした視線で改めてポタリングする上川井は新鮮でした。
真ん中をR16が貫いているものの、両脇には古い家屋が多くあり、谷戸毎に大きな地主の屋敷があります。

谷戸をつめて行った先の古い道の脇に、畑仕事を終えたおばさんがいたので声をかけてみました。
阿部さんというその方の家も以前は萱葺屋根だったそうで、久保田はもう少し向こうだとのこと。
近づいてきました。

一山隔てたところへ行き細い道をお屋敷を探しながら右往左往。
ん、ここは久保田さんと表札が掛っています。曲屋っぽい家造り!

如何でしょう。
少し小さいですが、曲屋の面影を残しているように見えます。


帰宅して改めて旭区郷土史の写真を見ると、背景が開けていますからこの場所ではありませんね。厩舎の向きも反対です。
でも、同じ苗字ですから以前は曲屋に住まわれていたのかもしれません。

曲屋だったお宅は見つけられませんでしたが、他の大きな屋敷はかつて兜造りの萱葺屋根だったであろうお宅もあったり、短い時間でしたが楽しいポタリングとなりました。


その他の写真
https://picasaweb.google.com/102022339073463920028/20150124#