幅員5.5m未満をゆく

自転車とサイクリングの日記です。

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天ぷら鶴峠

天ぷらと聞いて多くの人が思い浮かべるのは天丼の大きなエビでしょう。でも僕はエビが好きではありません。エビ、正確にはエビの尻尾の筋肉。子供の頃は天丼が大好きだったんですが、油が合わずにゲーしてから食べなくなりました。甲殻類のアレルギーがあったことにも起因しています。年齢と共にアレルギーは収まりましたが、このエビの尻尾の筋肉に美味しさを感じないんです。不味いとは感じないので、あえて食べていないだけです。隣にエビ好きの人がいれば何かと交換して喜ばせてあげます。

しかし、エビはダメでも天ぷらは好き。魚類の天ぷらも好きですが、野菜の天ぷらが美味しく感じるんです。そんな折り、rikoパパさんが鶴峠の途中で美味しい野菜天ぷらを食べた記事を書いていたので、僕もこれにあずかることにしました。

ルート 164.5km △2,267m
クリックするとRWGPSでZoomできるようになります。


朝ふとんの中で目覚めると、ゴーゴーと風が舞う音と、木々の葉が擦れ合う音が聞こえました。起床時間はいつも通り5時50分。なぜ半端な時間なのかと言うと、息子が起きる6時前より前に起きたいからです。

この日は起きる時間は同じでも朝食を食べずに早めに走り出す予定でした、でも新聞をロビーへ取りに行くために玄関を出ると、その前に玄関を開けようとしましたが強い北風に押されて簡単には開きませんでした。それはいいとして空はどんよりと厚い雲。その雲と強風とでモチベーションが下がり、朝食を食べてから出かけることにしました。

で、いざ出発しようと外へ出たら雨 (T_T) 雨を覚悟して朝を迎えるのと、晴れを期待して雨だった場合とでは大違いです。予報では朝から青空のはずだったんですが…
雨具を着るほどではないし、町田の先は雲が切れて青空が見えていたので、走り出しました。だいぶ寒くなってきたので下はニッカー、ニッカーホースは無し、上はアンダーシャツ+ポロシャツです。ウィンドブレーカーはギリギリ着なくていいくらいの気温です。

町田街道では向かい風。こんな時でも以前ほど押し戻されないのはリカンベントのおかげです。前方エアロ(後方からの風は帆のようになります)。
そんな中、日曜には珍しく後方から大型トレーラーが来ました。道幅が広い交差点を過ぎて狭くなる微妙なタイミング。このままでは細くなる場所でちょうどトレーラーと重なりそうだったので、少し前に内側へ入りました。案の定、トレーラーは強引に僕を抜かそうそしていたようで、不満気に排気ブレーキの音を鳴らして感情をあらわにしています。そして対向車がいなくなったタイミングで抜かしていったんですが、僕の横ギリギリです。トレーラーが巻き上げる風にも煽られて危ないところでした。緑ナンバーなら写真を撮って会社へ通報するところですが、白ナンバーで目印になるロゴもありませんでした。自転車の交通権利を認めない、交通弱者を危険にさらす、卑劣な人間です。

相模湖を過ぎてようやくモヤモヤが晴れてきましたが、空は晴れません。朝に町田方面の先に見えた青空はどこかへ行ってしまいました。強風は山が近づく頃には気にならなくなり、この付近では無風に近くなりました。


R20を離れて旧道へ。一旦川まで下りて上り返しますが、R20で上野原へ上るよりは走り易いです。


上野原の集落内を進んでコンビニ休憩。夏が終わって汗はかかなくなりましたが、代わりにオシッコが出ます。コンビニでトイレを借りて、さて、何を買おうか。食事は途中で食べるのでいらないし、コーヒーを飲むと体内の水分を絞り出すようにオシッコが大量に出るので飲めません。なのでコーンスープにしました。


棡原までは鶴川の左岸のいつもの道です。ロードバイクの人達は右岸の広い道を走るようですが、こちらもお勧めです。少し道が悪い部分もありますが、車が殆ど来ませんから落ち着いて走れます。


トラス橋の隅にカタツムリが身を潜めていました。ここで冬を越すのでしょうか。


棡原の交差点は少し綺麗になって、道路のペイントや道標が整備されましたね。信号はありませんので、皆が注意をはらって安全に。


さっき出したのに また尿意がやってきました。何時もは初戸から腰越林道の急坂を上り終えた頃、炭焼き場の辺りなんですが…
古い木造りの集会場の向かいにタイミング良く工事現場の簡易トイレが見えたので借りました。ゆるしてちょんまげ。

定点撮影ポイント。自転車は細かい部品の集まりなので、背景がスッキリした方が引き立ちます。あるいはカメラの絞りを開き気味にして背景をボケさせるとか。


時折り晴れ間が覗くようになりましたが、まだ雲は厚いです。


初戸(はと)はあの獅子舞の絵と時計がシンボルです。


六面地蔵の角を過ぎると道祖神があります。道祖神は集落の入口や出口付近にあることが多く、旅人を歓迎しているものだと思っています。


権現山の案内が新しく建てられていました。こういうのって行政が行っているのでしょうか。それにしては土台がチンケです。


完全に自然に戻ったかつての畑。先代が切り開いたものでしょうけど、構造物と違って再び自然に受け入れられるのはいいですね。


こちらの石碑は風雨に浸食されて字が無くなっています。集落から離れているので道祖神ではなく馬頭観音でしょう。


平野田という集落。ここにはキャンプ場がありますが、大掛かりな施設ではなく静かな雰囲気なので好感がもてます。山中のキャンプ場は魅力的なんですが、食料の調達ができないので、自転車では厳しいんですよね。


青空になってきました。奥の山は紅葉が進んできています。


西原へ入り丁度お昼時になりました。ここに流域唯一の施設「びりゅう館」があり、ここでお目当ての天ぷらをいただけます。スクリーンで区切られた二人席に案内されてご馳走を待ちます。


10分くらいの待ち時間で出てきました。選んだのは「さいはら定食」!


天ぷらは、かぼちゃ、いんげん、大葉、ピーマン、そして大好きなマイタケ(小さいけど)。


こんにゃくは手作りでしょうか、柔らかな食感でした。じゃがいも、ごぼう、ニンジン、青物、彩りも豊か。


味噌田楽のじゃがいもも美味。ご飯は麦が少し入っていたかな? 健康的です。


手打ち蕎麦がメインでしたが、腹持ちを考えてご飯にしました。次回は蕎麦にしてみようかな。さておき、肉魚が無いのにこれだけ美味しくて満足できた食事は久しぶりです。食材と作り手の腕が良いのでしょうね。鶴峠は何度も来ていますがこの びりゅう館 は横目で見ているだけでした。rikoパパさんのお陰でご馳走を堪能できました、ありがとうございます。


外では地元で採れた舞茸。


多くくて形もいいです! もちろん それなりのお値段ですが、街で買うよりも安いでしょう。


こんな施設です。皆さんも敬遠せずに立ち寄って天ぷらを食べましょう。


そしてオマケも付いてきました! こうして並んでいると細かいカスタムが一台一台個性的です。欲しいなぁ。


お腹が膨れて目の保養も済ませて、サイクリング再開。
飯尾の手前で前方にロードトリオが見えたので、心なし脚に力が入ります。徐々に離されるも、視界が開けるとまだ前方に見えたので、じりじりと追い上げました。


長作で追いつきました。そしてここから鶴峠の上りが始まります。それを想定してロードトリオは超スローペースに。でも途中で抜かれるのも嫌なので後に付いていました。少しして僕に気づいたようなので「こんにちは~」と声を掛けました。


勾配がキツくなるところでも付かず離れずなんとか追いすがって鶴峠着。久しぶりにいっぱいいっぱいの上りになりました。トリオはまだ余裕そう。
トリオは小菅へ向かって下って行きました。少しして下り始めたら途中でトリオが撮影していたので、手を上げて横を通過。僕は小菅へは向かわずにこのまま奥多摩へ。


湖畔はうねうねとカーブを繰り返して飽きてきます。カーブ途中のセンターポールで、後続車のイライラが気になるし。
湖畔を渡る浮き橋があります。oryzasativaさんが乗って渡ったとか?


雲は多いですが日差しあり。


ダムはスルーして奥多摩むかし道へ。
細い急坂を下った所で女性が地図を広げて考えていました。その前を「バス停は上ですよ~」と声をかけて通り過ぎようとしたら、なんか納得していない様子です。停車して振り返ると『むかし道はどっちですか?』と。なるほど、探していたのはバス停じゃなかったのか。「むかし道は手前ですよ、少し戻らないと」、二人で地図を覗き込んで場所を指してあげました。

なんで見過ごしちゃったんだろう。そう言えば坂を下る手前のバス停に団体さんがいたから、その団体さんが別れ道の付近にいて見えなかったのか、ここまで車道だった道が山道に変わって、行く先と思わなかったのか。

トンネルで写真を撮っていると女性が追いついてきました。「あそこに見えますよ、険しいですから気を付けて」。ゆるいスカートとスニーカーでしたが、まぁ、なんとかなるでしょう。途中に民家がありますから、嫌になったらそこから車道へ出れますし。


久しぶりに若い女性とお話ししました。気を良くして嫌なことはすっかり忘れてしまいました。


二つある吊り橋は補修されましたが、それでも同時に二人しか渡れません。午後のこの時間になるとハイカーは少ないので撮影できました。


ここの民家は通年 薪が用意してあります。


道端の篭には取れた里芋が入っていました。一袋100円也。


どの民家も周りは綺麗に整っています。家の中はどんななのか想像を巡らせます。冬が寒いのは間違いないでしょう。


途中にダートが少しだけ残されています。僅かな上りでも前輪がスリップするんですが、今回は押さずに上れました。


斜面にへばりつく家々。というか、法面に無理やり建てているような (^^;


かつてダムを建設した時に敷かれた軌道跡。こうした物が好きな人にとっては奥多摩は身近に楽しめる場所でしょう。


奥多摩むかし道を終え、多摩川に沿って長いダウンヒルを楽しみました。
17時になると暗くなりますが、メインライトは少し前から点灯に切り替えます。対向車や人が眩しいですからね。代わりにサブライトを点滅にします。
御殿峠は追い風だったのでいつもより余裕がありました。町田街道へ戻れば我が家同然。でも夜間の交通には注意が必要です。先日見つけた自転車屋を横目に帰途につきました。

07:13 出発
10:05 上野原
10:38 棡原
11:53 びりゅう館
13:24 鶴峠
14:05 奥多摩湖(小河内ダム)
18:55 帰宅