前回の試走から半年あまり、不具合と前三角の強化が完了し、土曜に組み上げて試走の2回目です。
組み上げでの不具合は、前のディスクブレーキがローターの外周部が干渉してしまいました。これは今乗っている CruzbikeT50 の精度が甘いため、マウントブラケットを削って調整したからです。標準のままなら大丈夫でしょう。ワッシャを入れて解決しました。
ハンドルの高さは前回は丁度ぴったりでしたが、今回はだいぶ余裕を見てありました。スペーサーを上へ移動してステムを最下段にしても2cmくらい膝に余裕があります。
メインチューブとヘッドチューブ接合部の補強。両サイドに三角ガセット。
上部には背びれを付けました。相変わらず良い仕事ぶりです。
カイセイEvoIIフォークとクラウン。競輪で最も強度が欲しい時に使うそうです。
チェーンステーブリッジ。絶妙なRですね。
メインチューブの後ろ端は蓋をしました。
前ブレーキ部分の補強。
しかし残念なこともありました。ALFINEのケーブルブラケットの角度がフォークに沿っていません。前回はほぼ平行だったんですが(図面通り)、今回の改修に合わせてフォーク側に寄せて欲しいと伝えていたんですが、、、
今回の改修は、BB位置の直しと、前三角の強化です。BBの位置は受け取り時に寸法チェックしてOKしました。前三角の強化は組み上げてみないと分かりません。
で、組み上げて直ぐにシートに座って前ブレーキを掛けて前後へゆすってみると、う~ん、まだ動きます。前回よりはましですが、Cruzbike T50 よりも動きます。ノーズダイブするんです。期待ほどの対策では無かったようです。
それでも近所を軽く走ると不安感は少なくなりました。前回はメインチューブとヘッド接合部が壊れる心配があって、停車時や下り坂は慎重に走るしかありませんでした。でも今回はこの部分が壊れることは無さそうなので、ひとまず安心しました。
翌日曜、巌道峠へ行くことにしました。前回は下りの危険を冒さないように甲武トンネルでしたが、今回は激坂を下って見ます。道志みちも遠慮なくガンガン下ります。
ルート 109.3km △1,586m
クリックするとRWGPSでZoomできるようになります。
組み上げてボトルケージが無いことに気が付きました。ケルビムへ預けてあるんです。暑さが増してきましたので、自販機頼みでは厳しいですから、途中ケルビムへ寄って付けてから出かけることにしました。
8時15分頃に到着しましたが、駐車場にいた方は鍵を持っていないとのことで、しばらく待ちました。
30分頃に大橋さんが出社してきたので事情を話してボトルケージを受け取りました。
さて、ツーリング再開。出だしでも気が付いたんですが、シートの角度が以前よりも寝ている感じがあります。実は土曜に帰宅後にシート上部のパッドを減らしたんです。THORのカーボンシートはかなり湾曲していて、上端部が背中に突き刺さる感じがあったからです。中パッドを切って具合はよくなったんですが、その分角度が若干寝ることになりました。ハンドルもやや遠い。でも今日はこれで走ってみようと思います。
前三角の作り直しでフロントアライメントが若干変わったのでハンドリングを心配していましたが、体感できる変化はありませんでした。ごくごく素直です。車体を倒しても切れ込むことはなく安心感があります。
町田街道から別れて川尻の三差路。前方にひときわ目立つ車。ロータスヨーロッパです! カッコイイ~。後ろの軽のボンネットくらいの車高しかありません。
組み上がった車重は正確に測っていませんが Cruzbike T50 と比べると1kgくらい軽くなっているはずです。フレームだけで600gくらいでしたから、これに加えてシートがだいぶ軽いですからね。
その軽さが実感できたのが三ヶ木の上り坂です。今までのベストは下限が時速13km。今回、頂上手前の勾配が一番キツイところで同じく時速13km、しかしその後に失速して頂上では時速12kgでした。でも疲労感は今回の方が少なかったんです。やはり軽さは正義ですね。
その後 徐々に山間部へ入っていきアップダウンを繰り返していきます。下りでも遠慮せずにブレーキング。前三角のノーズダイブはありますが、以前のような不安はありませんから。
奥牧野で小休止。今日はなっちゃんにしました。
裏手の風景で和みながら飲みました。
巌道峠みちへ入ります。入口の富岡集落は田植えが済んで一段落といった感じ。
安寺沢の郷倉。前回はこの梅の花が咲いている時でした。すっかり葉が緑になって生き生きしていますね。
ハート池。縁をお花で彩りたいところですね。
緑とピンク色もよく合う色です。さて、僕のリカンベントは何色にしようかなぁ。
巌道峠はいつきてもキツイです。急勾配は下部の2ヶ所なんですが、その疲れが後まで尾を引く感じ。一昨日の台風で路面には枝や小石が散乱していたので、避けるにも気を遣いました。
巌道峠に到着。
左手の広場にカブのお二人がいたので少し歓談しました。山中湖から下って来たそうで、この後は戻って行くそうです。上ってくる道も枝や小石が多かったので気をつけてください、と心配いただきました。最後はお互い「お気をつけて~」と言ってお別れ。
テラス手前の三差路に腰を下ろして昼食にしました。リカンベントにはフレーム下の小さなバッグしかありませんが、なんとかお握り二つと調理パン一つが入りました。
久保への下りは激坂に加えて枝と小石、それに流水もあったのでスピードは控えめにしました。
その分 道志みちへ出てからはガンガン下ります。ここでも所々流水がありましたが、背中に飛沫を浴びながらガンガン。コーナーリングも安定しています。
途中 緩い上りでロードに追いつかれたのでグイグイ踏んで抜かれずに上りきりましたが、その後は軽くパスされてしまいました。でも追い抜きざま「速いんですね~、初めてみました(リカンベント)」と声を掛けてくれました。まぁ、速いと言っても、それは今までのリカンベントの印象よりは、ということです。平地なら負ける気はしないんですけどね。チクショウ。
青野原でアイスコーヒーを飲みながら神社でまったり。短めなルートの時にはこうして時間をつぶすのも好きです。普段とは違う場所でも落ち着けるところって、ありますからね。
帰途も順調に走って予定より早めにケルビムへ立ち寄りました。
担当の廣江さんと今野さんに試走の報告です。実際にお二人もシートに座って確かめてもらいました。「前回よりはいいけど、それでもかなり動くね」と。
今回の試走で前三角の強度は十分だと感じましたので、ノーズダイブの原因はメインチューブの湾曲部にあると考えました。
以前書いた「リカンベント フレームのたわみ」のこれです。
今回のたわみはこうではありませんでした。こちらへ訂正します。
お二人も同じ意見で、ここを補強することにしました。僕の案は湾曲部上部に背びれを付けること。今野氏は細いパイプを直線に付けること。でもパイプ両端を溶接しただけでは取れる可能性が高いので、背びれプラス細いパイプを付けることになりました。
究極案はチューブにスリットを開けてチューブ内に立板を入れよう、ということも言っていましたが、流石にこれは危険かなぁ、ということでボツになりました。
再三の改修ですがお二人共嫌な顔をせず積極的に一緒に考えてくれるのが嬉しいです。でも試乗はこれが最後です。メインチューブ湾曲部を補強することで、今のノーズダイブは確実に減少しますので、それで良しとします。
改めてリカンベントの設計は難しいと思いました。シート下の狭いスペースにどうやって強度を確保してフレームを設計するか。僕は曲がることでコンフォートな乗り心地を得たかったんですが、これによる弊害がノーズダイブでした。Cruzbikeは既にこれらの問題を克服して今の形とバリエーションになっているんでしょうね。
07:41 出発
11:08 奥牧野
12:51 巌道峠
17:26 帰宅