幅員5.5m未満をゆく

自転車とサイクリングの日記です。

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高須林道-金山峠-松平林道-信州峠

夏休みツーリング2日目は瑞牆山を望む一帯です。
夜は涼しくてよく眠れました。朝6時前に起きて身支度を済ませ、まずは 道の駅 南きよさと へ車移動です。だが、しかし、リカンベントを積もうとしたら、前タイヤの空気が甘い (T_T) スローパンクです。抜けた量が僅かだったので、とりあえず出発します。
道の駅に付いて僅かな期待でポンピングして走ってみることにしました。途中の休憩にいい場所を見つけてチューブ交換しようってことで。

ルート 71.5km △1,856m
クリックするとRWGPSでZoomできるようになります。


道の駅はR141沿いにありますが、交通量の多いR141を上るのは嫌なので最初から旧道へ入ります。


大門ダムの横を通る道は木陰で涼しく、やっぱり旧道がいいやって思いながら、ゆるゆると進みます。
浅川という集落に入りました。朝の静かな農村です。道端に色とりどりの花が植えられていて歓迎されている気分になります。


集落内の道が砂利です。最近では珍しいですよね。40年くらい前の風景のようです。


隣の集落へ移動すると荒々しい壁の蔵がありました。一部は崩れかけていて、そういう所を見ると壁の作りが分かります。


畑の中の道を上っていくとトトロが出迎えてくれました。母屋は道の向かい側にあったので、これは子供用に建てたのかもしれませんね。


こんな風景の中なら豊かな心の人に育つことでしょう。


高津林道へ入ります(実際には少し先まで別の名前の林道です)。

ここは20代の頃にパスハンターで上ったことがありますが、まだダートでした。その時は冬で、ぶとぼそ氏らと清里YHに泊り、その日は別行動で甲府YHに集合しようということになり、僕は一人で高須林道から木賊峠を越えるルートにしました。

そんな思い出のある林道ですが、まったく覚えていません (^^;
最近までダートだと思い込んでいましたが、調べたら舗装されていたので今回のルートを組むきっかけになりました。

道幅は広く緑のトンネルが続いています。


林業作業の車が置いてあったので作業広場かと思いましたが、よく見たら展望広場でした。前タイヤの空気を確かめると出発時よりも減っていたので、ここでチューブ交換することにしました。


前ホイールを外す時はこのスタイルです。ハンドルが動かないように細引きでシート裏と繋いで固定し、ブレーキワイヤーを緩めてレバーから外し、三点倒立。

タイヤレバー要らずで外せるのでチューブ交換はストレス無し。空気漏れの箇所は顔を近づけて慎重に探して見つけました。トレッド面の極小さな穴です。タイヤ側のパンク原因は探しましたが見つからず。

タイヤへ空気を入れるのが実は一番の苦労ですよね。少なくとも15分は掛かります。最後の方は力も必要になりますので休み休み。いつも前は3.8気圧、後ろは2.8気圧にしているんですが、後ろタイヤとギリギリ同じくらい? という感じまでしか補充できません。ポンプはホース式で地面へ押し当ててポンピングできるタイプなんですけどね。

ようやく完了して再スタートです。
広場の端にありました。これを見つけたらお決まりの写真ですよね (^^;


林道へ戻るとオンロードタイプのオートバイが上って行きました。ダートは無いということでもあります。
峠は単なるピークでした。昔の記録ノートを見ると「金峰山の眺め良し、ガレタダート」だそうです。


上って来た道よりも下りの方が長く勾配も厳しいものでした。


県道を少し上り返すと神戸集落です。今回は旧トンネルを抜けました。何度か来ていて毎回上の学校跡を見に行くんですが、さっきのチューブ交換で余分な時間を使ったので止めました。


予定では神戸から左方向へ一山超えて増富へ向かうことにしていましたが、これもスルーして県道を塩川ダムへ下りました。どちらも増富へ上り返す標高差は同じくらいでしたので。

途中に自販機があったので立ち止まって、小銭が無いのに気が付きました。お札も5,000札。昨日、車へ置いてきた財布にある1,000円札を持ってこなきゃって思ってたのに、忘れてしまいました。思ったその時にやらないとダメですね。

ダムの畔で見渡すと小さな商店と自販機がありました。店に入って事情を話すと愛想よくう両替してくれました。ボトルの水はそのままに、自販機を見つけたら飲んでおきたいんです。この先、増富ラジウム鉱泉の一帯は沢の水は飲めませんから。
買っておいた菓子パンと一緒に補給しました。

トンネルを抜けて二つ目のトンネルがなんと通行止め。廃道の様子です。地図には通仙峡とあるんですが… 仕方なく右折して日向集落経由で行きます。
のっけから10%超の急勾配、二車線、車時々、日陰無し(地名の通り)、僕が一番嫌いなタイプでした。

ピークを越えて少し下って通仙峡の出口(入口)、元の道へ合流しました。


この道も記憶からすっぽり抜け落ちています。その為、初めて走る気持ちで新鮮です。
ただ、川床はこのように茶色に染まっていて、これだけは覚えています。


増富ラジウム鉱泉。としサンが湯治で泊ったのはどの宿かなぁ…


温泉街を過ぎると静けさが戻り、木々にすっぽり包まれた道になります。この界隈、こんな洒落たカーブミラーが続きます。なんとなく記憶にあるような、ないような。


沢の音は涼し気で、所々の小さなスペースに車を止めて涼んでいる人が多いです。

しかし、長い。金山と木賊との分岐まで地図では3kmほどなのに、なかなか着きません。沢を跨いで行ったり来たり、同じような景色の中で狐につままれたような気がしました。

ようやく到着。でも金山峠までは勾配を増して更に3.5km先です。


展望が開けた所は金山。荒々しい山容が近くなってきました。左が瑞牆山、右奥は金峰山です。


お腹が空いてきたと思ったら時間は既に12時半を回っています。やはりさっきの上りで狐につままれたのでしょうか。思った以上に時間が経過しています。昼食は川上のナナーズで13時くらいと思っていたんですが。

金山峠を越えて緩くカーブを曲がると瑞牆山荘です。洒落た建物ですが周囲の雰囲気にマッチしていると思います。

去年は木賊峠経由で来ましたが、金山から雷が聞こえ始めて急かされて上ったんでした。山荘辺りから大粒の雨が降り出して、雷が近くに響く中ビショビショの路面を急いで下りました。今回は落ち着いて上れました。
自販機で水分をとり、もう一つの菓子パンも食べました。ナナーズまでまだ長いし。

さて下りです。気持ちよくコーナーを駆け抜けます。おっと、前タイヤの空気が低めなのでスピードに注意しなきゃ。


途中、みずがき山自然公園の分岐を右折します。
瑞牆山がさっきよりもぐっと近くなりました。ここが一番の撮影ポイント。


みずがき山自然公園に着きました。ここは広々した平たいキャンプ場があって皆さんくつろいでいます。
「そば」の旗が立っていたので、さっき菓子パンを食べたばかりですが、ここで昼食にしました。


食事はロケーションも大切ですね。

蕎麦は見た目よりボリュームがありお腹が膨れました。というか後半は味に飽きてしまいました。やはり昨日の高遠蕎麦は美味しかったんですね。

キャンプサイトからの眺め。皆さんは背後の木陰に陣取っています。


次は信州峠へ向かいますが、下まで行かずに途中を右折して峠直下まで繋がっている林道へ入ります。その方が上り返しが少ないです。

林道入口の看板に「悪路」とあったのが気になりますが、初っ端の急坂の簡易舗装のことかな? と高を括っていたら…

ダートでした (^^


道は山腹を等高線に沿うように繋がっていますので、大きなアップダウンは無いでしょう。ということは路面も良好な状態が続くはずです。


瑞牆山


ここも殆どが木陰なので涼しい。


しかし、次第に下りの勾配が急になってきて、路面も荒れだしました。
あっ、ヤバい、前タイヤの空気が… と思ったらコツンと嫌な感触。リム打ちです。
次第に空気が減ってきましたが、幸い出口の県道が近いことがオートバイの音で分かりましたので、ポンピングしてだましだまし進みました。

そして、出口に付いた所で再び三点倒立。

しかし、ここから時間がかかりました。
朝にチューブ交換したチューブの穴をパッチで塞いでから、今回のリム打ちのチューブと交換しようと思ったのが、失敗の始まり。
大まかな場所は覚えていたんですが、何度探しても空気が抜けている気配が分からず、意地になってきてしまったんです。ちくしょー、なんで朝は一発で見つけられたのに、今回は見つからないんだよー (T_T)

30分くらい経ったでしょうか、諦めてリム打ちの穴をパッチで塞ぐことにしました。
チューブを出すと、リム打ちが数ヶ所あり身体に感じなくても何度も打ってしまっていたことが分かりました。空気圧が低いままのダートは命取りですね。

空気が抜けている穴は直ぐに見つかったのでパッチを貼ります。実は出先でパッチを貼るのは初めてです。今まではチューブ交換で済んできました。ルーティーンは何時もと変わらないので慌てずに作業していきます。
チューブの汚れを落とし、紙やすりで擦り、ゴムのりを付けて… ん? お? 出て来ないぞ、まさか乾燥しきった? あ、出てきました。ふ~ (+_+)
ゴムのりを付けたらしばらく乾かします。そしてパッチを貼付けてモンキーの平たいところで押し当てて圧着。またしばらく放置した後、パッチ表面のビニールを剥がします。これも慎重にやらないと、せっかく貼ったパッチまで剥がれますからね。

しかし、貼ってから15分くらいでしょうか、直ぐに空気を入れて大丈夫なものか、その辺りの経験がありませんでした。案の定、空気を少し入れると漏れる音が聞こえてしまいました。あちゃ~
しょうがない、最初に交換したスローパンクの方をだましだまし空気を補充しつつ帰ることにします。穴は見つけられなかったし。

再びチューブを交換し、ようやく最後の力仕事のポンピングです。ゼロスタートのポンピングは大変です。しゅこしゅこ。しゅこしゅこ。20分以上はポンピングしました。
それでも後ろタイヤと同じくらいか、低いか、そんな感じにしかなりません。2.5気圧程度でしょうか。4気圧入れるにはいったい何十分しゅこしゅこする必要があるのでしょうか。

因みに使っているポンプは クランクブラザース Klic HV ポンプ。

性能はいいはずなんですが、ダートを走れるだけ十分な圧にまで上げるには相当な時間と力が必要ということでした。
ホース式で地面へ押し当てられ、T字ハンドルも十分な大きさ。これでも圧が高くなってくるとかなり力が必要です。これ以下のポンプなんてザラにありますよね。皆さんちゃんと空気入れられているんでしょうか。
ポンプは再考しなければなりません。

再スタートまで1時間半くらい経っていました。時間は4時半です。

少し上り返して信州峠。気持ちを入れ替えなきゃ。


信州峠と言えばこの直線です。爽快! でもスピードは控えなきゃ。そうそう、スポークも折れているのでホイールも振れていますし。


川上の手前で左折して最短ルートでデポ地へ戻ることにしました。
小海線です。あれ? でも雲行きが怪しくなってきました。降るのか?


野辺山駅です。正面は観光地然としていて嫌なので、踏切から撮りました。


駅前を過ぎるとガソリンスタンドがありました。ラッキ~! ここで空気を入れればデポ地までの下りは安心です。こんな時の為に仏バルブ→米バルブのアダプターを持っていますから。

「すみませ~ん、空気入れさせてくださ~い」と、コンプレッサーを借りて空気を入れようとしますが、入りません。ダメなものはダメです。仕方ありません。

帰宅して調べたら、ガソリンスタンドのコンプレッサーで空気を入れるには、バルブ口の中に突起がなければダメなんです。チューブに付いているバルブもそうなっています。
携行していたアダプターは単なるネジ径を変換するだけのものだったということ。これは手押しポンプでしか空気を入れることはできません。ネットで出てくるこの形のものは全て同様です。

口の中に突起があるのは、オートバイ用の角度変換アダプターくらいでした。オートバイの人達もガソリンスタンドで空気を入れる時に困っているようです。車のホイールのバルブは外向きに出ていますが、オートバイのホイールは自転車と同じようにバルブはハブへ向かって出ていますからね。マフラーが邪魔したり、ディスクローターが邪魔するようです。ホイール径も小さいですし。

Source: amazon

 

しぶしぶ走り出すと、ミラーに虹が写りました。

不運を励ましてくれているような虹。しかしR141最高地点の道路脇で最後にポンピングしていると雨粒が落ちてきました。ちくしょー、補充もそこそこに下りにかかります。

豪快な下りですが空気圧が十分でないことと、スポーク折れで振れているので楽しめません。距離12km、標高差530m もあるロングダウンヒルなのに。でもショートカットできたことは不幸中の幸いですね。

無事にデポ地に帰着しました。


07:50 出発
09:19 高須林道 展望広場 ~ 10:16
11:46 増富ラジウム鉱泉
12:21 木賊分岐
12:58 瑞牆山
13:30 みずがき山自然公園
16:37 信州峠
17:20 野辺山
18:07 帰着