幅員5.5m未満をゆく

自転車とサイクリングの日記です。

幅員5.5m未満をゆく

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石堂越(入笠山)-芝平峠-高遠-南峠

夏休みツーリング、今回は一泊二日(車中泊)で計画しました。これまで夏の車中泊は暑いことから敬遠してきました。何故って、虫が入らないように窓を閉めなければいけませんからね。でも待てよ、最近では車中泊が盛んですから虫対策グッズもあるはず。と思って探したら、ドアに上から被せる防虫ネットというのがありました。早速オートバックスで買ってきました。あとは泊る場所で夜中に暑いか涼しいかが決まります。


もう一つ新しい車グッズを買いました。スマホを新しくしたので今まで使っていた充電ケーブルのコネクターが合わなくなり、新しいものを買わざるを得なくなったんです。以前買ってから数年を経て、ケーブルは巻き取り式になりました (^^) 超便利。

これにくわえ、新しいスマホバミューダフォン)は背面がこんもり膨らんでいるため、今までの車載ホルダーが使えません。流石にこれに合うホルダーは無いので、上下で挟むツメにアルミ板を取り付けるカスタマイズを施しました。
カーナビは付けていませんので、スマホ+地図ロイドでナビゲーションしてもらっています。


さて、一日目は中央本線すずらんの里駅にある駐車場に停めさせてもらいます。朝4時前に起きて、ガソリンスタンドへ寄って、コンビニで朝食を買って、4時半に自宅付近を出発しました。すずらんの里駅に着いたのが6時50分。ゆっくり身支度して7時19分に走り出しました。

ルート 96.8km △2,209m
クリックするとRWGPSでZoomできるようになります。


今回のルートは入笠山の肩へ上って尾根伝いに芝平峠へ移動し、長い谷を下って高遠で昼食。山際を箕輪へ移動して南峠を越えて諏訪湖へ出ます。以前ぱぱろうサンに誘われて来てから、すっかりお気に入りになってこれで三度目です。

甲府でどんより暑い雲に覆われて天気が心配でしたが富士見へ入ると青空が出てきたので安心しました。しかし入笠山は雲にすっぽり隠れています。
ピークまで標高差950mを一気に上ります。惰性で走れるのは駅前のここだけ (^^;


早朝の静けさの中、集落を抜けると直ぐに勾配がきつくなります。でもそれは最初だけで、沢を離れてからは緩く快適な道になります。


進む先々でマイカー規制の看板があります。入笠山周辺は入れないんです。そう、自転車天国の道 (^^) 時折来る車は業者や工事車両くらいです。
規制が掛かっているのは中間地点から先で、そこには駐車場があって登山道を歩いて上る人もいますが、ごくわずかです。


2/3ほど上った辺りでいよいよ雲の中に入りました。信州らしいカラマツが幻想的になっています。


水場は何ヶ所かありますが、今回は上部のここで給水しました。


更に雲密度が上がって視界不良。


なんて運がいいんでしょう。頂上手前で雲が晴れました (^^)/


尾根筋に出たこの峠は石堂越と呼ばれています。看板が倒れかけていたので、こちら向きに直しました。こうした不完全なものの方が趣きがありますね。


少し上ったところが今回のピークです。見えますか? 八ヶ岳がデデーンと。僕の脳裏には前回の絶景が見えています。


さぁ、下りです。高原の中の車が来ない道を下る気持ちよさ。自転車ならではです。


T字路にぶつかったところに道を規制するオジサンがパラソルを差して座っています。一瞬立ち上がりましたが、僕の姿を確認すると直ぐに椅子に座りました。笑顔で会話して右のダートへ進みます。


右手が開けると、そちらを向いた山彦荘があります。入笠山へ登るハイカーへしきりに声を掛けていますが、なかなか入ってくれる人はいません。入るのは帰りでしょうね。


イカーの多くはあの鉄塔の所にあるゴンドラ山頂駅からこちらへやってきます。


よく締まったダートは快適です。そして分身の術。
え? オチが無いって? じゃ、次回は転ぶところでも (^^;


ここは天国なんじゃないかって思うくらい、幸せ~


舗装路へ出て標高差で200mくらい下ると芝平峠です。ここから尾根を外れて谷へ下って行きます。前回この道を走って凄く気に入ったので今回も。


再びダートです。急なところは少し荒れ気味ですが、下りなので大丈夫です。上りではパスハンターでも押して上がるような道です。


勾配が緩くなったところで一息つくのにいい橋があります。


埃まみれの愛車。ピカピカよりも「走ってるぞ」感がありますよね。


この谷にはいくつもの集落がありますが、その多くがもう住んでいないものです。


ただ、草に埋もれていないところを見ると、定期的に手入れをしているのでしょう。


餅をつく臼が集められています。こんな大木がたくさんあったことの証です。そして人々も多くいたということ。


歴史や催事には詳しくありませんが、石を削る労力を考えると、文化継承や子孫への強い思いが伺えます。コンクリートの巨大な建造物とは根本的な意味が異なります。


芝平分校跡。川沿いと、東側の山沿いに集落があって、子供達も多かったことでしょう。


次第に川と道が広くなってきた辺り、右手の尾根をトンネルで抜けます。最初にぱぱろうサンと来た時は、その尾根上の林道を下ってこのトンネルの脇へ出てきました。
こちらの谷には杖突峠から下ってくる道があります。


そして高遠に到着。前回入ろうと思って休みだった食事処へ行ってみましたが、今回もお休みでした。のぼりは立っているので潰れたのでは無さそうですが、何曜日ならやっているのでしょう。前回は休日、今回は月曜です。
しかたなく前回と同じ蕎麦屋に入りました。


とろろつけ蕎麦。二八と十割があって、今回は十割にしました。

美味しいことは美味しいんですが、いかんせん量が少ない。少食な僕でもこれでは足りません。前回はかき揚げをプラスしましたが、今の時期は作っていないんだそうです。この後コンビニでカレーパンを食べることになりました。

しかし、高遠という町、蕎麦以外に食事できるお店がありません。


鉄道が来ていない高遠駅。駅舎は立派です。


裏道を少し通っていきました。前回は色々と散策しましたが、今回はスルー。


コンビニへ寄ったあとも、車の通らない裏道へ入りました。終始のんびり。まったり。


よさげな道を見つけると、地図で確かめて入ってみます。


あの大きな弛み、権兵衛峠ですね。また行きたいなぁ。


山際の道は少しアップダウンがありますが、車と一緒に走るよりは気持ちいいです。


駒ヶ岳は今回も雲の中でした。


箕輪ダムへ向かう坂の途中に水場がありますので補給します。ここは水質管理されているようなので安心です。


ダムへ上がるにも車道は避けて旧道を辿ります。


冷たそうな水路。


ダムの手前はどこも急坂です。地形的に無理がありますよね。しかも旧道を離れるととたんに日差しが厳しい。

ダムを過ぎた所で通行止めの看板がありました。法面工事だそうです。
「8月6日までの予定」
「8月9日~×月×日は×時~16時半まで」
「本当に通れませんから引き返してください」
ってありましたが、自転車なら通してくれるかなぁ… という思いで進みます。

そして現場。径ワンボックスで道を塞ぎ、電源を操作しているオジサンがいましたが、挨拶して横のスペースを通してもらいました。こちらに興味は示しませんでした。仕事に影響ありませんからね。

不安解消でスッキリして先へ進みます。


後山集落。


ここは生活感がある集落です。でも学校は何処まで出ているのでしょうね。
若い女性が歩いていたので「こんにちは」と挨拶すると、小さな声と横目の視線が返ってきました。村外の人、変な乗り物の男、に対するまっとうな対応でしょう。


下から吹き上げてくる風が心地よくもあり、淋しくも感じました。


道は左へ大きくカーブして尾根へ上って行きますが、僕はそのまま川を詰めて行きます。
村はずれの最後の田んぼを過ぎ、少しするとダートになります。

ここも勾配が緩いので道は荒れておらずリカンベントでも大丈夫です。以前から伐採作業が行われていて重機が入るためか、路面は硬く、出た石は平たく、ただ時折りあるキャタピラ跡でガタガタするくらいです。
その工事車両跡の通りに進むと道を誤るので分かれ道では地図を確認します。

峠上には重機や伐採跡が広がっていますが、少し乗っ越えた所に南峠と書かれた木が立っています。最近では峠の標が無いところばかりですので、こうした立派なものがあると好印象になります。


下り、初めは緩く路面もいいですが、次第に勾配が急になって荒れてきます。そのため思った以上に長く感じる下りです。


下界の雰囲気を感じてきた頃、道標を見つけて立ち止まると、


大きな岩に幾つかの石碑や石仏がありました。


そして諏訪の街が大きく広がりました。高速道路の脇です。蓼科方面は雲が多くて見晴らせませんでした。


高速道路沿いだけ舗装されていて、再びダートになり、畑やお墓が見えてくると林道はお終いです。長いガタガタ道でした。


高速道路を渡ると直ぐにR20ですが、今回はその手前に道が平行して続いているのを見つけたので入ってみました。


御柱です。調べたら今年は4年に一度の年に当たるようです。


時間があるなら、国道ではなくこうした道を行くのが自転車にはいいと思うんですよね。色んな発見がありますし。


諏訪大社の前に出ました(右から来ました)。

停車して辺りを見ていたら、女性の旅行者が写真を撮ろうとしていて、どうぞどうぞ、と手で合図されましたが、僕も写真を撮りたかったのでそのまま停まっていました。
そして女性は写真を撮り終わると「格好いい自転車ですね」と言ってくれました。後山の女性の対応とは大きく違います。警戒心が無いからでしょう。

茅野のごちゃついた道は極力短くして旧甲州街道へ入りました。


R20を渡って右手の田んぼの中に続く道。ここも旧甲州街道でしょうか。


デポ地が近くなったところ、大きな木がありました。しかも地面がこんもりと膨らんでいます。


一里塚のケヤキだそうです。なるほど、この膨らみは塚なんですね。


すずらんの里駅に帰着。今日も一日幸せなサイクリングでした!


今夜の車中泊は 道の駅 信州蔦木宿 です。ここは浴場が併設されているので、汗で塩まみれな身体を洗い流してサッパリできます。以前は幼馴染友達と隣の河原でオートキャンプしたことがありましたが、今は禁止になってしまいました。残念です。

夕食は途中のコンビニ調達ですがビールが美味しく飲めればよし。到着して直ぐに一缶飲みたかったんですが、お風呂を出るまで我慢しました。
お風呂を上がって自転車を出す時に「パチンッ」、スポーク折れです。横倒しから引きずった時に無理な力が掛かったのでしょう。確認するとディスクローター側だったのでスポークを抜くことが出来ませんでした。ニップルで少しだけ振れを調整する程度です(これが翌日に続く不運の始まりでした)。

買ってきた虫よけネットを後ろのドアに被せ、車の中で一人、ビールで乾杯しグビグビ。500ml缶を半分グビっとした後はゆっくりと今日の回想をしつつ、一缶のみほし。食べて飲んで、いい気持ち。外へ出てみると、やっぱり外の方が涼しいので、外の縁石に腰かけてグビビ。

車と外を行ったり来たりしていたら、後ろの芝生スペースに自転車ツーリストが来ました。キャンプ装備ですが、禁止になってしまったのでベンチで寝るそうです。
この日は岐阜から乗鞍を越えて来たとのこと。後ろパニアバッグ装備でなんと、スバラシイ。

夜の暑さは心配無用どころか寒いくらいで、夜半になってシュラフに入るくらいでした。虫よけネットも普通に機能しました。ここの標高は720m。真夏でもこのくらいの所なら快適に車中泊できることが分かりました。

07:19 出発
09:16 石堂越
09:24 ピーク
10:18 芝平峠
11:45 高遠
13:34 箕輪
15:41 南峠
17:42 帰着