ここを見に来てくれる方々はツーリング好きが多いでしょうからロードレースのことは興味が薄いかもしれません。しかし、自転車が走る上での技術革新のお話しとなれば聞き耳をたてても損はありません。
先日のヨーロッパでのクラシックレース、ミラノーサンレモで1つのイノベーションが起こりました。スロベニアチャンピオンのマテイ・モホリッチ選手が新しい機材を使用して優勝したんです。
その注目すべき機材はドロッパーシートポスト。シートポストをハンドルに付けたスイッチを押すことで瞬時に短く(サドルを低く)できるんです。これはMTB界では一般的なんですが、ロードレースで使用して優勝。二位ではダメです。優勝することが重要。
以前にもロードレースで使われたことがあるそうですが、今回のように話題にならなかったのは優勝しなかったからかもしれません。
ドロッパーシートポストを使ってダウンヒルの時にサドルを下げ、これによってコーナーでのコントロール性が上がったり、フルブレーキングによる前方宙返りを抑制したり、空気抵抗が減ったり、そういったメリットがあります。安心安全な機材と言えるでしょう。
時速100kmに迫るとも言われるロードレースのダウンヒル。その速度からフルブレーキングできること、それが容易であることは十分なアドバンテージになります。
リカンベントに乗るようになって下りが楽しくなり、恐怖を感じるスピードは今までより速くなりました。前方宙返りするリスクが少なく、フルブレーキングで短い距離でスピードを落とせるからです。
レースの世界でイノベーションが起こった時、これがルールに違反しているかどうかが話題になります。UCIは直ぐに声明を出しました。この技術は2014年に既にルールに違反しないこととしているそうです。ドロッパーシートポストが新たな常識になるのか。次のレースで各チームの対応が楽しみです。