幅員5.5m未満をゆく

自転車とサイクリングの日記です。

幅員5.5m未満をゆく

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時坂峠-藤原峠

リカンベントは魔法の絨毯だという例えを聞いたことがありますが、今回のサイクリングは正しく魔法の絨毯でした。郊外へ向けて快走し、急峻な峠道を何度も上下し、町へ戻ってもなお脚に余力がありました。身体に不快や痛みは無く、このままどこまでも走っていけそう。こういう日は年に何度もありません。とても幸せな一日でした。

ルート 139.2km △2,666m
クリックするとRWGPSでZoomできるようになります。


家を出て郊外のサイクリング適地へ向かうまでの道のり、これの好き嫌いによってサイクリングへ出かける回数や、そもそもサイクリングを続けていられるか決まるのかもしれません。

町田街道は片道1車線の古くからある道で、路側は広くありませんし車もそこそこ走っています。でも大型車は少ない。信号は結構多いですが、自転車で走っていると一休みしてもいいかな、という程度の間隔で捕まるくらい。帰途で疲れている時にはありがたかったりします。何より平坦 (^^)

こうした道を楽しむにはある程度のスピードで走れないとダメかもしれません。時速20kmくらいでは車との速度差が大きいのでヒヤッとさせられるでしょう。時速30kmくらいで走れると車もそれほど気になる存在ではなくなります。ロードバイクに乗る人が意外と長続きしているのは、こうした背景があるのかもしれません。

そんな町田街道を過ぎると緑が多くなってきますが、丘陵地帯を串刺しにする美山通りは嫌いな道です。上り坂でスピードが遅くなっている横を車がバンバン追い抜いていったり、逆に追い抜けずに背後に待たれるのも嫌。この道を毎回通ることになっていたら出かける頻度は下がるでしょう。

そんな嫌いな美山通りを過ぎるとようやくサイクリング適地になります。五日市の手前、小峰峠まではこんな気持ちいい道が続いています。


いつものお地蔵さん。脇に置かれたミニスカ娘は色褪せてきてしまいました。


小峰峠はゲートで車両を制限していますが、人が入れるような設備になっています。歩行者オンリーの標識がありましたが、まぁ、許容範囲でしょう。

下って五日市。ほんの少し葉が色づいていました。


コンビニで行動食を買い、小腹を満たした後は左岸の、これもまたサイクリングに最適な道を進みます。


足元にピンクのカーテンならぬ、ピンクの絨毯がありました。


夏の賑やかな河原も涼しくなって静けさを取り戻していますね。


杉林も手入れされていると光が差し込んで気持ちいいものです。


こちらは本命のピンクのカーテン。なんだか今回の写真は色がくすんでいます。設定がおかしいのかも。


調べたら ヒメツルソバ という草花だそうです。可愛いですよね。


押しドーナツの急坂を上りきると隼号のある製材所。お地蔵さん脇のイチョウはまだ色づくには数週間ありそうです。


こんな道が延々と続けばいいんですが、なかなかそういう所はありませんね。山ではロングトレイルと呼ばれるルートがありますが、ロング農村みち なんていうのがあるといいんですけどね。


そろそろ無料販売所に禅師丸が出るころかな。


檜原村のT字路を右折して時坂峠へ向かいます。入口付近でウィンドブレーカーを脱いでシートの後ろへ括り付けました。


今年の秋は一気に寒くなったので服の選択に悩みますね。先週からニッカーとアンダータイツにしましたが、今回は薄手ニッカーホースをプラスしました。暑かったら脱いでタイツと短いソックスにしようと思って用意してきましたが、下半身は寒暖に鈍感なようです。

シートに座り直してスタートしようとすると歩いてきた男性に声を掛けられました。
「コンニチハ~、ア~、リカンベント、Cruzbike デスネ」(外国の人のようです)
『そうです、アメリカの Cruzbike』

すると隣の綺麗な細身の女性が、
「あなたも持ってるわよね」
「デモ、チョットチガウ、コレハ マエクドウネ」

どうやらリカンベント乗りのようです。
『じゃぁ、行きますね~』
「ガンバッテクダサ~イ」

時坂峠は急峻な地形ですが道は比較的緩めの勾配です。民家が点在し峠付近にも茶屋や蕎麦屋がありますので生活道として昔から使われているからでしょう。非力だった昔の車のためです。
歩く道は集落内を九十九折があり車道とは分かれています。あ、ハイカーがいます。


いい道ですね~。僕も歩いてみたくなりました。


時坂峠のハイライト部分。秋葉街道の下栗の里の縮小版といった感じですね。
ガードレールが無い道は好きですが、ここはちょっと急過ぎてゾクゾクします。写真中央上の窪みが時坂峠です。


本来の峠は山道で自転車では別ルートで林道がありますが、まぁ、こちらがサイクリストにとっての時坂峠です。


正面の大きな弛みが鋸山林道の大ダワです。左手は御前山でしょうね。
(この頃、rikoパパさん が五日市から走り出した模様)


こちらは樋里の集落でしょうか。ここも東京都です。


下りの林道は以前より崩壊が進んでいて2~3箇所押すことになりました。小岩集落の茅葺屋根は健在。


川沿いの道へ降り立ち、くねくねと地形に沿って藤倉に到着。ここで今日はお昼ご飯にしました。とても綺麗にしてあるバス停です。


20分ほど休憩して藤原峠へ向かいます。


藤原峠へ続く林道の入口までが急勾配です。きのこセンター方面の風張林道はリカンベントで一度上りましたが、ちょっといっぱいいっぱいな感じでしたので、その後は敬遠しています (^^;

きのこセンターへの道を別けた後、2台の車脇にハイカーが集まっていました。このシチュエーションはあまり好きではありません。ノロノロと時速5kmくらいでの上りで興味本位で話しかけれれるのはね~。案の定 山姥 山ガール の餌食になりました。
「あら~、それって普通の自転車より楽なんですかぁ?」
『いぇ、キツイです』
と答えると昭和なずっこけ姿でウケてくれました。

笑いを提供したあとは林道に入ります。ゲートが新しくなっていましたが開いていました。今後、条件がいい時は解放してくれるのでしょうか。

あまり楽しい林道ではありませんが、勾配はそこそこなので苦も無く上り終えました。100mくらい前方で浅間嶺の古道と交差しています。パスハンターで一度ここから時坂峠まで浅間嶺を行きましたが、古道らしく石碑が多い道で結構楽しめました。今度行く時は時坂峠へ下るのではなく、上川乗へ下った方が乗れる区間が多そうです。


林道の下りはガードレールが新しくなり路肩が少し整備されていました。以前聞いた話しではこの付近で地元の車が落ちて亡くなった方がいたそうです。その為でしょうか。

三頭山の眺めがいいこの地点、下に民家があるのでここまでは車が入れます。ここから峠まではやはりゲートがりこれも新しくなっていましたが開放されていました。


所々に生活感のある道を下り数馬下で檜原街道へ合流。車やオートバイが少なくなったタイミングで豪快な下りを楽しみます。
(この頃、rikoパパさん に最接近した模様。ニアミスでした。)

甲武トンネルへ三度上り返します。こちらは緩めで距離も短いのであっけなく到着。


棡原(猪丸地区)の高原風景はいつ来ても気持ちいです。少し先にオートバイの人も路肩に停めて写真を撮っていました。僕も写真を撮った後に脇道に入ってこの風景を前に腰かけて菓子パンを食べました。


この後は井戸へ向かいますが、初っ端の短い上りが今日一番の急勾配。うげげ、小枝や小石で前輪を滑らさないように、またバランスを崩さないようにこらえます。

アップダウンを経て井戸。大きな木の隣にあった古い民家が無くなっていました。空き家になってから大分経って壊れかけていましたからね。何だか殺風景になってしまいました。ビーグル犬も見なくなってしまいました。


井戸のバス停はとても気持ちい場所にあります。バスの運転手も出てきて右手の見通しが効くところまで行って富士山を眺めていました。僕は向かいの石段の上に座って西日を浴びてのんびりしました。


ここも押しドーナツの急坂で、途中にある青看板をチェック。草をちぎって見易くしておきました(前にもやったような…)。

 


和田峠から下ってくる道と合流して公衆トイレへ立ち寄ります。寒くあってくるとオシッコが近いです (^^;
脚が好調だったので藤野の裏道を抜けてからは奈良本へ上り返しました。意外と急なんです。上りきったところからはこの展望。奥は大室山。写真にはありませんが、正面には丹沢山塊を一望できます。左手には三峰も。マジックアワーは残念ながら薄雲で期待できなかったので、早々に帰途につきました。


冒頭に書いたように帰途も脚は絶好調で筋肉は新鮮さを保っていました。帰りも疲れを感じないってホント幸せです。


07:15 出発
09:37 五日市
10:54 時坂峠入口
11:35 時坂峠
12:13 藤倉
13:25 藤原峠
14:17 甲武トンネル
15:26 井戸
16:16 奈良本
18:45 帰宅