MTBのフレームが太くて硬いのは今に始まったことではありませんが、最近では Gravel Road Bike や All-road Bike 等の影響もあってか、太いフレームが多くなってきていると感じています。
画像: https://www.jtsbicycle.com/legor-cicli-650b-steel-road-bike-wtua/
これにつられてクロモリツーリング車でも太くするという声も聞きます。不整地を走る自転車でフレームを太くて硬いものにしたら、身体に伝わる振動は増幅されて不快になります。レースではスピードが速いために壊れないことと、力が逃げないことを求めて太いフレームになるのは仕方ありません。中低速での快適性を犠牲にしているわけです。
例えばフロントフォークを太くて硬いものにするとします。そうするとこれを受け止めるクラウンやヘッドセット、ヘッドチューブも丈夫にしなければなりません。これらから伝わる振動は 手、腕、肩、頭 へと伝わってきます。グローブには分厚いパッドが必要になります。
画像: Review: Rene Herse Switchback Hill 650B x 48 tubeless gravel tyres - ADVNTR.cc
かつてのMTBブームの時を思い出してください。
太いフレームと真っすぐなフロントフォークはとても硬く、ダートの林道を楽しめるものではありませんでした。サスペンションを付けることでようやくダートを楽しめるようになったんです。
「太いタイヤに負けないように太いチューブにしましょう!」 本当ですか?
メーカーが売る完成車はレースの方を見ています。これはいつの時代でも同じ。レースは華ですからね。購買意欲をそそる自転車にするには仕方がないことです。
剛性は走るスピードと体重と力のバランスの上に語るものです。レーシングカーの足回りと乗用車の足回りはまったく異なりますよね。スキーの長さとフレックスもしかり。
クロモリフレームを使うツーリング志向の人は、チューブの選択を今一度よく考えましょう。クロモリは凄く硬いです。アルミやカーボンは強度が低いから太くせざるを得ないんです。
せっかく太いタイヤでダートを楽しもうと思ったのに、走ってみたらガチガチだった、ということにならないように。
走者: ぱぱろうサン https://azupaparou.exblog.jp/