幅員5.5m未満をゆく

自転車とサイクリングの日記です。

幅員5.5m未満をゆく

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道志の送電線巡視路

巌道峠へは何度も出かけていて、たいていの時は近くにある送電線の鉄塔まで登って景色を見ながらくつろいでいます。その時に見えるのがこの風景です。


鉄塔毎にある草原と、そこへ続く巡視路があります。高低差は少なく自転車で走れそうな感じがぷんぷん匂ってきます。今回はこれを狙って出かけました。

ルート 122.9km / △1,872m
https://ridewithgps.com/embeds?type=route&id=32467277&metricUnits=true&sampleGraph=true&overlay=esriTopo


今回も三密を避けて人のいないところへ出かけます。
道志みちへ入ると時間が経過すると共にオートバイが増えてきます。僕もかつて乗っていたことがありますので、その気持ちよさは理解できます。しかし、横を爆音で爆走していくのは勘弁して欲しい、という気持ちになります。

エスケープルートで青根へ。静かなひと時です。


青根を過ぎてますます爆音が轟く中を我慢走行。次第に脚の疲れてきます。というか前半に飛ばしたのでいっぱいいっぱいです。今回は久しぶりに1.5インチのパセラを履いてきたこともあります。

お目当ての送電線巡視路へ取り付く林道が見えたところで、近くにある神社で休憩しました。目の前には道志川の清流が見ていて気持ちいいです。釣り師達も密を避けています。というか、隣の釣り師とは一定の距離を保つのが通例でしょう。


さて、林道へ入ります。この林道脇に巡視路の入口があるはず。因みにこの林道は尾根まで続いています。乗っ超えた先は向こう側から工事が進行中のようです。尾根伝いに巌道峠へ行くルートも魅力ありますね。


今回目論んだルートです。Googleマップ衛星写真で確認したところ、巌道峠まで9つの鉄塔がありました。地理院地図に予想ルートを引くと、中盤で上り150mくらいあります。でも地形が入り組んでいますので鉄塔と鉄塔の間ではアップダウンがありそうです。


目指す一つ目の鉄塔が見えてきました。


雄姿。


そして目論見通り巡視路の入口がありました。


No. 339 とあります。


ここは麓から峰への登山道もあり、巡視路として設定し易く、かつ鉄塔に近い場所なので想定通り。


鉄塔までは100mほど下ってあっけなく到着しました。後方の鉄塔と富士山。先週よりもクッキリ感はありません。


鉄塔の下に立ったらお決まりの写真です。まぁまぁかな。


そして進む先の鉄塔群です。ほぼ水平に4つ見えます。さて、行けるかどうか。
因みに写真上部に見えるのが林道の頂上です。


剥げた斜面は快適に走れましたが、林の中へ入ると道が極端に狭くなって落ち葉で走行不能。そうそうに今回はハイキングだ、と思い聞かせました。


植林を抜けて2つ目の鉄塔に到着です。


後ろを振り返って1つ目の鉄塔。


3つ目を目指します。同様に林の中へ下っていくと先ほどとはあまりにも違う道の様子になり、道を誤ったのかと思って空身で引き返して鉄塔付近に他の道があるか確かめました。う~ん、間違いないようです。
沢の手前まで斜めに下ると標識がありました。やれています。


そこからが大変でした。道は無くなり頼りないピンクテープを目印にルートファインディングです。沢へ下る斜面は急で滑りやすく、一歩一歩足場を作りながら慎重に進みます。沢を渡って今度は同じようにして登りますが、自転車が重くてその一歩がなかなか踏み出せません。普段このようなアスレチックな運動をしていないので、体力もいっぱいいっぱいです。

そんな沢を2つ3つ超えると士気が下がり、これはヤバイな、と思うようになりました。手強い斜面を登った所で諦め、自転車を置いて空身で3つ目の鉄塔まで行きました。
この荒廃ぶりから、もしかしたら林道から別ルートがあるのかもと思いましたが、周囲を見て回ってもありませんでした。

あえなく撤退です。この先中盤まで行って同じような状況になったら引き返す体力もありませんからね。


苦労した沢筋の斜面を再びハーハーゼーゼーしながら登り返し、2つ目の鉄塔へ帰還。
そこからは危なっかしい箇所が無いので一安心。1つ目の鉄塔から林道へ100m押し上げて生還しました。ふーっ。


安堵して適当なところで昼食にするか。と思ったはずなのに何故かUターン。3つ目の鉄塔へ林道から巡視路があるか確認することにしました。
あ~、やっぱり自転車は道路を走る乗り物ですね。上りですが楽チン楽チン。

結局、鉄塔付近まで上りましたが巡視路はありませんでした。あの状況の中を作業員は巡視しているのでしょうか。今まで登山道や古道と共用している巡視路や、登山道から見える範囲の巡視路は整備されていて歩き易そうなものばかりでした。改めて相当な体力というか、重労働な仕事だなって思いました。




腹ごなしして道志みちを下ります。巡視路を退散しただけでは物足りないので、綱子の尾根へ向かうことにしました。


道志川を渡って大河原の集落を押し上げるといつもの馬頭観音


天神峠(大河原天神峠)へ向かう途中、整備された道を見つけました。これはダム近くの長又集落からの道でしょう。以前探した時には無かったので最近整備されたようです。次回の楽しみができました。


道の反対側には上へ登る道がありますので昔使われていた道のようですね。


淡い新緑の中の道は勾配も緩くずっと広葉樹なので好きな道です。


大河原天神峠は切り通しになっています。以前、巌道峠から下ってきた時は、最後にルートを見誤って500mくらい手前へ降りてしまいました。この周辺は不明瞭な所が多いです。


峠からは勝手知ったる道。と思っていたら倒木です (>_<)
先秋の台風の被害でしょうね。空身なら訳ないのですが、自転車で超えるには一苦労です。1か所は潜りながら超えるという難関でした。


そして下るとヌタノハラ。左手に巡視路の標識があります。綱子からの古道を巡視路として整備してあります。でも覗いたらこちらも倒木が見られました。


下ってきた方向です。右が綱子、左は採石場で分断されています。


綱子の尾根は痩せている箇所もありますが、概ね緩いアップダウンなので後半は乗車できます。


よく昼食を食べるところ。今日はこのまま進みます。


ここも台風被害でしょうか。強風にあおられて根こそぎ倒れていました。


以前は補強されていない超痩せ尾根だったんですが… それほど危険な箇所では無かったんですけどね。


細く痩せていても周囲に木々があるだけで気持ち的には安心して通れます。


綱子方面。新緑が美しいです。トンネルの真上付近です。


道幅が広くなると綱子天神峠はもうすぐです。この周辺には天神峠とよばれる所がたくさんあり、「峠のむこうへ」サイトの方が地域毎に呼び名を付けていました。僕のその名前で呼ばせてもらっていますが、地元の人がどう呼んでいるかは分かりません。


天神峠で一休みしようと思っていたんですが、なんとオフロードバイクの二人組が陣取っていました。「こんにちは~」
少しお話しさせてもらうと、この周辺の山道を何度か走ったことがあるとのこと。「え~、これ(オートバイ)はちょっとダメじゃないですかぁ? 倫理的に」。その場では愛想よく話しをしましたが、ちょっとモヤモヤな気分になりました。

峠からは林道っぽくなった道を菅井まで。ここは頂上に集落が点在し高低差のある風景がとても魅力的です。トンネルで車は下の方を通るので静かですし。


少し集落内をうろうろします。


下から上ってくる道です。


ここは乗っ超えているところ。かつてはここを人々や馬が越えていったことでしょう。綱子へ向かう人は左へ。伏馬田へ向かう人はまっすぐ。


送電線巡視路は不発で敗退でしたが、新緑の綱子尾根から菅井にかけて楽しめました。せっかく履いてきた太めのタイヤですしね。

帰りも綱子天神峠で会ったオートバイのことが気になってモヤモヤしました。でも見方を変えると、オートバイも自転車も同じ車両。道路でないことを走ることへの賛否は同じかもしれません。どちらも遊びで来ているわけですしね。自転車の方が少しだけ自然に対してダメージは少ないですが。

伏馬田を下り、道志みちへ上り返します。ふと気づくと、オートバイの爆音が聞こえません。あれだけ走っていたのに。おかしいです。
青野原のコンビニもそれほどの賑わいではありません(通過しました)。下り続けていても後ろからオートバイも車も極端に少ないです。
梶野手前の橋の真ん中でお巡りさんが片側を規制していました。小型トラックのクレーンを橋から下ろしています。見物人も。
これの影響で青根あたりで通行止めにしたからオートバイが来なかったのでしょう。

車が落ちたのかと思いましたが、路上にはスリップ跡は見受けられませんでした。事故車も路上にはありません。飛び降り? 良い方に考えて、バンジージャンプしちゃった? それとも、あのキャンプ場の行方不明の少女が見つかった? 色々考えましたが、帰宅後のニュースでも取り上げられていなかったので、大した事件事故ではなかったのかもしれません。

先週に続いて強風がぐわんぐわん荒れ狂う中の帰途となりました。春ってこんなに風が強い日が多かったかなぁ。

 

06:50 出発
09:38 青根
11:11 巡視路入口
12:15 撤退
13:01 巡視路出口
15:03 大河原天神峠
15:40 菅井
18:21 帰宅