幅員5.5m未満をゆく

自転車とサイクリングの日記です。

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カンチブレーキの三角形

ブレーキの効き具合は、引きしろに対するシューの移動量で概ね決まると思っています。
長い引きしろでシューを小さく動かすのが効くブレーキ。
Vブレーキのシューとリムの隙間が非常に狭いことからも分かります。

アーチワイヤーの長短で引きしろがどのように変化するかCADソフトを使って検証してみました。
ブレーキ台座幅やリム面からの上下位置は凡その寸法ですので、ご了承ください。
リクエストをいただければ指定の寸法で作図します。


【A】マファックタイプの横に広がったカンチブレーキは概ねこのようなセッティングだと思います。
バランスのよい二等辺三角形ですね (^^)
シューとリムの隙間が 3.06mm の場合、ワイヤーの引きしろは 7.56mm です。


【B】アーチワイヤーを短くしてみます。
すると引きしろが僅かに長くなり 7.9mm になりました。
効率アップですが、ほとんど感じることはなさそうですね。
7.9 ÷ 7.56 = 1.04(Aと比較)


【C】ではシマノタイプのロープロファイルカンチブレーキではどうでしょう。
各部の寸法は同じにしてあります。
このタイプはアーチワイヤーを短くセッティングするのが殆どですし、専用のアーチワイヤーは長さが固定されていますね。
結果、引きしろは 10.99mm でした。
発売当初「カンチブレーキでもよく効く」と思わせた所以でしょう。
10.99 ÷ 7.56 = 1.45(Aと比較)


【D】無理やりアーチワイヤーを長くしてみると。
引きしろは 7.91mm となり効率が下がってしまいました。
アーチワイヤーは短い方が効率がよさそうですね。


ミスターコントロール グランボアスペシャルは、ブレーキシュー(舟)を一般的なタイプに変更すると効率が上がりそうです。
シューが首振りできるようにロッドの根元が特殊になっていて、その分ブレーキ本体と距離が長くなっています。
結果、ブレーキ本体の横の張り出しが水平よりも下がってしまいます。こうなると効率が下がってしまいます。