幅員5.5m未満をゆく

自転車とサイクリングの日記です。

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鳥居峠 旧国道と、姥神峠パスハンティング

毎年、春と秋はbutoboso氏と泊りがけツーリングへ出かけています。
状況によっては春か秋どちらかだけになることもありますが、このペースは続けて行きたい。心身ともにリフレッシュできますから。

自転車ツーリングでは宿泊しながら移動するのが一般的ですが、僕は電車が苦手なため車載で出かけます。
そのため殆どが滞在型のツーリング。今回は木曽福島に3泊しました。
滞在型では毎日同じポイントに帰ってきますので、必然的にその土地の印象が濃くなります。
走ったコースだけでなく起点となる地域の印象も強くなるのです。

しかし、車で目的地まで行きますから行動範囲がどうしても狭まります。
丸一日移動するのはゲッソリですので、半日で移動できる距離でツーリングコースをまとめます。
半日ならば渋滞時間を避けることができますしね。

初日は19歳の頃(32年前)に行った鳥居峠と姥神峠を選びました。
当時の写真とノートに書き留めたこと以外はまったく覚えていません。
鳥居峠は薮原側から旧国道のダートを上り、古道を下って奈良井宿へ降り立ちました。
http://d.hatena.ne.jp/INTER8/19840429/1365257586

今回のコース
http://yahoo.jp/oKsFNl


木曽福島を出発して鳥居峠まで、地図をぼんやり眺めるとR19(大型車多し)一本のようです。
しかし、地形図などで細かく見るとちゃんと旧道があります。
薮原までR19は僅かな区間だけですみました。
鉄道路線もありますのでbutoboso氏にも喜んでもらえたようです (^^;


鳥居峠の情報が少なく、旧国道があるのか無いのか、ダートなのか舗装なのか分かりませんでした。
かくして行ってみると、良質なダートが昔の面影のまま残されていました。感激です。


昨今の林道と違い、昔の道はとても勾配が緩く造られています。たぶん、そこを走る車が非力なことを想定していたのでしょうね。
緩い勾配は道程が長くなって工費が掛かりますが、その代わり長持ちします。
林道が荒廃する原因の一つは雨水が道を流れ下ることで起こりますが、この影響が少なくなるのです。
ですから、舗装する必要もなくダートのまま維持することができているのでしょう。

進むほどに当時の記憶が引き戻され、「あ〜、こんなだったなぁ」
休憩するポイントも似ますので、「お、ここのカーブ、なんだか覚えてる」
変わったのは我々の方です。
スッキリ締まっていた体型が、なんだか丸く緩くなり、頭は白いものが混じり。

鳥居峠は当時とはいくぶん変わっていましたが、懐かしさを損なうほどではありませんでした。
当時の写真と比較して撮ってみました。共にbutoboso氏が撮影。


 ●○●○

峠の奈良井側に綺麗な非難小屋が建てられており、ここで昼食にしました。
イカーのグループもいましたが、ここを訪れる人は少ないようです。


下りは以前は古道を行きましたが、今回はハイカーとの出合いを避けたいのと、良質なダートを楽しみたいこともあり、旧国道をそのまま行きました。


奈良井宿は以前にも増して観光客が多いです。
古い宿場に興味をもたれるのは喜ばしいですが、古道や旧道まで楽しむ人はこの1%にも満たないですね。



観光客が多くなった奈良井宿を後に姥神峠へ向かいます。
こちらは山道の古道であり、鳥居峠以上に情報が少なく存続が心配でした。

強く記憶に残っているのは集落の奥からの取り付き地点にあったカーブミラー。
ここで自分達をミラーに映して写真を撮ったのです。


羽渕集落の急坂を上り、道祖神の横から見上げると、懐かしいそのミラーが見えました。「あれだ」
近づくにつれて胸が熱くなります。


「あった」
たもとにあった道標は朽ちていましたが、ミラーは当時のもののようです。
帰宅後に比べてみると、中央にある凹み、上部のツバの変形具合、まったく変わっていませんでした。
そして、時折り磨かれているのか、とても綺麗に我々が映っていました。歳をとった我々が。


道は踏み跡が濃く、地域の人が入っている様子が伺えます。
石碑の多い道を辿っていくと20分ほどで姥神峠に着きました。
峠は御嶽遙拝所が設けられ、石碑がたくさん奉られている峠らしい雰囲気となっています。


薄暗い印象がありましたが、うっすらと新緑が息吹いてきているためか、32年ぶりに訪れた感慨か、すがすがしい気持ちになりました。


 ●○●○

神谷への下りは荒廃していました。
木々が風でなぎ倒されており踏み跡は薄いですが、赤テープが記されていますので迷うことはないでしょう。
しかし、勾配が緩くなって沢音が近くなってきた辺りで大規模な崩落があり道が寸断されていました。
ロープは設けられていましたが自転車を担いで進むことは断念せざるをえません。
あえなく引き返し、直下にあるトンネルで帰路につきました。


翌々日の帰宅時に、朝の散歩がてら神谷側から入ってみました。
崩落はこの一箇所のみですが、高巻きは勾配が急過ぎて難しく、下って沢伝いに行くと崖と堰堤に阻まれてしまいます。
残念ですが、自転車によるパスハンティングのルートとしてはお蔵入りです。


その他の写真
https://picasaweb.google.com/102022339073463920028/6280372759067872225#

走行距離 60km

08:22 出発
11:45 鳥居峠
14:54 姥神峠
17:30 帰着