サイクリングの楽しみ方はたくさんありますが、その多くはイギリスやフランスの影響を強く受けたもののようですね。
しかし、情報が少なかったためか土地柄のためか、日本へ入ってきてからは本来の趣向とは変わってきているそうです。
ランドナーしかり、スポルティーフしかり。
そんな中で日本独自のサイクリング様式としてパスハンティングというものがあります。
和製英語ですね。
パスハンティングは一言で表すと、自転車による古道ハイキングです。
Wikiに書かれていることがほぼ的確な表現だと思っていますが、個人的には“古道”に拘りたいです。
峠は全て古道だ、という乱暴な意見もあるようですが、一般論として古道は舗装されておらず、自動車も進入しないような土の山道を指します。
昔の人が物資を運ぶ為に超えた道です(山登りの目的ではなく)。
何を求めに行くかというと、それは古(いにしえ)の様子を思い浮かべてみたり、自然の中に身を置くことで心を安めたり。そういった類です。
なので自転車に乗って走ることは二の次なのです。
では何故自転車で行くのかというと、自転車が好きというのはもちろんありますが、古人が何日かかけて越えた峠道を一日の中で味わえることにあります。
麓から集落を経て峠を越え、向こう側の集落へ下りて麓へ至る。
パスハンティングに使われる自転車はパスハンターと呼ばれています。
誕生はランドナーにオールランダーバー(現在で言うフラットバー)を装着するのが第一歩。
それ以上は十人十色。
都心に住んでいる人は輪行前提でしょうが、僕のように郊外に住んでいれば自走日帰りが中心になります。
共通事項は担げること。
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3時間ほどのアプローチを経て墓村の急登。
入口にある倒れそうだったお地蔵さんは真っ直ぐになりました♪
古道の多くは馬で物資を運んでいましたから急な斜面は九十九折です。階段はありません。
その印に馬頭観音。
小尾根に出ると明るい雑木林に和みます。
小一時間で御林峠。
木や金属の道標は朽ち果てますが、石は使命を果たし続けます。
そして峠を下った先には桃源郷のような和見集落。
和見峠への古道は拡幅されて作業道となってしまったのが残念です。
簡易的な道なのがせめてもの救い。
そしてツーリストの聖地?
峠の入口の集落や降り立つ集落では、地元の人との一言二言の世間話しが楽しい。
過ぎた後に、あ、あのお爺さんとは去年も話したんじゃなかったかな、とか。
こんなパスハンティングが止められません。
その他の写真
https://picasaweb.google.com/102022339073463920028/20150517#
走行距離 119km
07:04 出発
10:32 墓村
11:41 御林峠
14:09 和見
14:55 桑久保
18:35 帰宅