用途に特化した単一機能タイプか、汎用性のある多機能タイプか。スペシャルか、オールラウンドか。
サイクリングに当てはめると、数種類の自転車を所有して走る場所に合わせて自転車を選ぶか、一つの自転車で色んな場面に対応するのか。もちろん、どちらが良いも悪いもなく趣向です。
僕は後者のタイプです。性格がそうなんです。リカンベントのイメージなんてスピード重視で前者の単一機能タイプに思われますが、僕のリカンベントはオールラウンドな場面を楽しめています。
パスハンターは更にオールラウンドです。アプローチの快走からダートや山道まで楽しめる自転車です。
ダートの林道なら42mmのタイヤが欲しいですが、舗装の林道で枝や小石があるような林道なら36mmくらいで良さそうですよね。綺麗な道の峠しか走らないならもっと幅の狭いタイヤでOK、と思うかもしれませんが、田舎の細い道へ行くと舗装といえども継ぎはぎだらけでガタガタです。とすると32mmくらいは欲しいです。
ツーリングする道の状況はここ数年で大きく変わったと感じています。それは温暖化による気候変動で集中豪雨が頻発し、かつて走れたダートの林道はことごとくダメージを受けたので、ツーリングのルートに選ぶことが難しくなったんです。日帰りや1~2泊のツーリングなら事前に調べて行くことはできますが、一週間くらいのツーリングへ出かける場合には通行止めのリスクがあるダートは避けるでしょう。
ダートが少なくなったとは言え、それでもダート中心のルートを走る42mmタイヤの自転車を一台。ダート走れて舗装路も快走できる一台。更には三浦半島を一周するような舗装路中心にもう一台。
自転車は同じように見えてもそれぞれの乗り味があって楽しいものです。こうして場面に応じた自転車を複数所有するのもよいでしょう。
昔ならランドナー、スポルティーフ、ロードレーサーがこれらに相当します。
現代ではグラベルバイク、オールロードバイク、ロードバイクとなります。
対してオールラウンド派はお気に入りの一台で全てを楽しく走りたいわけです。そこにフィットするのが All-road Bike です。42mmの柔軟で軽量なタイヤを履けば、ダートから舗装路まで快適に速く走れます(スピードに興味が無い人は「速く」を「楽に」に置き換えてください)。
Source: contenderbicycles.com
以前のパスハンターは29mmのパセラで快走を楽しみ、ダートは我慢せざるを得ませんでした。ダートが多いルートでは36mmのパセラを履き、逆に舗装を我慢していましたが、これを42mmの柔軟で軽量なタイヤにしたことでどちらも我慢せずに楽しめるようになりました。
リカンベントには32mmの柔軟で軽量なタイヤを履いています。リカンベントは路面の衝撃を背中で受けてしまいますので、残念ですがタイヤを太くしようがダートは我慢するしかないからです。しかし、僕のシートリクライニング45度のリカンベントでは、快走から細道激坂の峠道まで、勾配という点においてはオールラウンドに走れて楽しんでいます。
ロケットのような鋭利で挑発的なデザインのリカンベントも格好いいですが、それで幸せを感じられる場面が日本では多くありません。
僕のリカンベントであっても平地はロードバイクより速く走れますし、これにプラスして農村部をのんびり気ままに走ることもできるのですから、ダートを除けば一日全てにおいて気持ちいい自転車なんです。キャリヤにバッグを付ければキャンプも楽しめますし。
一発の短く瞬間的な気持ちよさか、緩く長く持続する気持ちよさか、さて皆さんはどちら派でしょうか。