ここ数回のサイクリングでヘッド周りからコツコツという低音が聞こえるようになりました。急坂でハンドルを左右へこじるような時に鳴ります。これまでミシミシという高音はずっとあるんですが、低音は初めてなのでちょっと心配。
以前コラムとフォーク接合部にヒビが入ったことがありましたので、この前兆かもしれません。なので先週 前三角を分解してコラム部をチェックしましたが、問題ありませんでした。一安心。走り出してみても低音がする気配はありませんでした。
毎年夏は車載で出かけるんですが、今年は天気が不安定で実行できていません。この土日も狙っていましたがダメそうなので日帰りサイクリングです。
お盆を過ぎて暑さが和らいできましたので強い日差しのアプローチも我慢できるだろう、ということで雛鶴峠へ行くことにしました。それでも左回りで上りは日陰を求めます。
ルート 145.3km △2,094m
クリックするとRWGPSでZoomできるようになります。
太平洋沖の南東を台風が進んでいますので、これに引っ張られるように風が渦巻いて町田街道は向かい風です。それでも時速30kmで走れるのがリカンベントの良いところ。
町田街道を離脱して川尻八幡ではお祭りの準備をしていました。かなり大きなお祭りのようですが、見かけるのは初めてかも。帰りは混雑するかな?
下って行って久保沢の三差路手前でヘッドが緩んだ感触がありました。歩道に上がって確認するとガタガタしています。走り始めはいい感じで締まっていたんですが、調子が悪くなる前に増し締めしておくべきでした。
このリカンベントのヘッドは特殊(といっても市販部品)で、きっちりガタなく締めるのが難しいんです。でもなんとか締められました。
サイクリング中は色んなことを考えながら走っています。そういえばtaboomさんが秋葉街道を走った時に新たな発見があったって言っていたっけ、何か上手く自転車を進められるような。
リカンベントは一般的に上りが遅いと言われていますが、イタリアでのパワーメーターを使った検証では速い(心拍が少ない)結果が出ています。ヨーロッパやアメリカのレースでも前傾自転車に交じって優勝することもあります。
ただ、僕のリカンベントはそこまで速くありません。10%くらい遅く感じています。高回転は疲労するので低回転で一漕ぎ毎に脚を休めるようにしています。前傾自転車は脚の重さをペダリングに活用できる利点がありますが、リカンベントには水平運動なのでそれができません。ならば、屈伸動作を少しでも下方向へ生かそうと思い、脚を伸ばす意識から膝を下す意識にしてみました。
疲労を少なくするには色んなペダリングをして使う筋肉を変えることが重要です。意識一つでもそれが変わります。膝を下す意識で少し高回転が楽になったような…
それで三ヶ木手前の上りでは下限が時速12kmでした。今までのMaxは時速13kmなので、まぁまぁのペースでした。
予報では各地で局所的な強い雨が降るそうでした。町田街道の相模原近辺でにわか雨が降りましたが、その後は青空も見えています。
元気が無くなったウルトラマン。カラータイマーが消えて数年経ちました。しかし、戦う意欲は無くなっていないようです。
今回もR20の上野原手前の上りを避けて旧道にしました。坂は急ですが日陰もあるし車も殆ど通らないのでお勧めです。そして上野原の街中の細道を抜けていきました。
鶴川宿。個人情報がどうのこの言う前の昭和を感じますね。
札が掛かかっている場所が違っています。どっちが正しいいのか。しかし、綺麗な字ですよね。
8月はそこかしこでお祭りがあります。盆と正月に華やぐ神社。
今回は旧甲州街道はやめて川伝いに進みました。こちらの方が日陰が多いですから。
HDS(ハッピードリンクショップ)で小休止。
小学校跡の路地。Tじゃない三叉路って惹かれます。
棚頭方面へ進み仁王像の標識に導かれて小径へ入ります。
大月界隈は桃太郎伝説の地で、これがその鬼に当たるそうです。見てみたい気もしますが、更にこの急登を300mを登るほど魅力は感じません。「こっちよ♥」って書かれてあればね。
眼下を見下ろすのっていつでも気持ちいいですね。実際には遠くの山はここより高いですが。
今日ここの青空はアニメのような色ではありませんが、低めの雲の上層からは秋を感じますね。
今日は努力義務を果たしています。僕のヘルメットは通気口が少ないですが、見た目ほど暑くはありません。表面は熱くなっていますけどね。それよりも頭が痒くてもかけないのがじれったい。
犬目宿。いつ来てもひっそり静かな通りです。
アップダウンしてもう少し上った君恋温泉(閉館)があった辺りがピークでしょうか。富士山の眺めがいいカーブの所で立ち止まりましたが、雲が多くてまってく見えませんでした。そこからは一気に急降下します。その途中にあるトトロは形が崩れていました。
こちらは毎回チェックしている馬頭観音。草が茂って埋没度アップ。
胸まで埋まっています。頭と馬の境がありませんね。馬というより犬か狼にも見えます。いや、宇宙人ぽい。狼といえば西丹沢の山中には狼頭観音があるそうです。
これは少し先の馬頭観音。右の観音様が寄り添う感じなのがお気に入りです。数年したらくっつくかも。
R20へ出て猿橋へ。たまには三大奇矯の写真でも撮ろうかと右車線の歩道へ上がりましたが、木々が茂って半分くらいしか見えなかったのでパス。
もう少し進んでいつもの昭和ちっくな食堂へ入りました。また「ご飯少な目」を言い忘れました。キャベツも山盛りで僕の胃袋には全部は入りませんでした。
表向きは商売っ気のないお店ですが、昼時に通りかかったら入ってみてください。右の日影の所に車も駐車できます。
満腹のお腹でも苦しくないのもリカンベントの良いところ。
急坂が始まる所の神社で一休み、いや二休みくらいしていると、ブロロロロ~っという音がして富士急バスが上って行きました。そっか、この先に折り返し場があったっけ。
休憩を切り上げて上って行くと、その折り返しから出てくるところでした。
一日5本。
鈴懸峠へ向かっていますが、この道は半分くらいまでがこうして沢沿いの直線になっています。三ヶ所のヘアピンがあって、この先に最後のヘアピンと家があります。さすがにこの道まではバスは入って来れませんね。ピンクの花は猿滑で最近よく見かけます。
いつもは厳しい鈴懸峠(鈴ヶ音峠)ですが、今日は比較的楽に上がれました。後半は日陰の中をのんびりペダリングです。上りも下りも車が来ず一人で走れて満足しました。
稲穂が元気に育っています。
人工的といえば人工的ですが、綺麗ですよね。癒されます。
下って石船神社。
さて、雛鶴峠までは日陰無しの大味な道です。幸い雲が多いので暑さはそれほどでもありません。
気が付くとロードにロックオンされていました。ミラーに写った時には10mくらい。リカンベントを発見して何やら喋っています。あ、二人組です。その後無言で抜いて行きました。この時間に、遠い場所なので、何かしらアクションがあっても良さそうなんですが、完全無視でした。
まぁ、いいでしょ。最近は慣れっ子になりました。トレーニングなロードは求めているものが違いますから。
あ、もう一人来ました。仲間かな? こちらは小さく「こんにちは」って聞こえたような気がしたので、僕も小さく「こんにちは」。
峠までは短く、途中に緩急があり、勾配が急になると距離が縮まります。後ろから50mくらい先のロード達を見ていると、それほど速くありません。頑張って走っている様子なんですが。これくらいならフルパワーじゃなくても追いつけるかも。
三番手の後ろに追いついて様子をみます。リカンベントはギシギシ音がするので気が付いているでしょう。プレッシャーを与えます (^^;
しばらくすると先行する二人のうち一人が脱落しました。いっぱいいっぱいという感じで低速になっています。みるみる間に先頭との差が開きました。
そして三番手が二番手をパス。リニアモーターカーが横を走る辺り、勾配が急なので僕は新たな三番手の後ろで様子見。そしてプレッシャーを与えます。抜かしていった人の宿命です。
一旦勾配が緩くなって、最後に勾配が増したところで追い抜きました。抜く時は速度差をつけて一気に抜くことで戦意を喪失させます。ミラーを見ると立ち漕ぎして必至に追いすがる様子でしたが、既に力が残っていなかったようです。
左に大きくカーブして二番手も近くなってきました。そして右カーブの先にトンネルの手前で一番手が既に自転車を降りています。その一番手が見ているところで左手を上げて二番手を追い抜きました(二番手だけは挨拶があったので)。一番手の横は視線を合わせずにスルー。ミラーにはこちらを凝視する一番手が見えました。
後方ではこんな会話になっていたことでしょう。
一番手「リカンベントに抜かれちゃったじゃん、しかも白髪ジジイだぞ」
三番手「リカンベントが上り遅いなんて誰が言ったんだよ~」
一番手「電動なんじゃね?」
二番手「いや、電動は付いてなかった、あんぱんは積んでたけど」
三番手「リカンベントって平地も速いんだよね」
二番手「下りはどうなんだ?」
一番手「下りも速かったらロード完敗じゃん」
妄想はさておき、この時間にこの場所を走っているということは、三人は僕以上に走ってきたに違いありません。なのでリスペクトする気持ちは忘れていませんよ。
でも、久しぶりに痛快な気分でその後の長いダウンヒルも更に楽しいものとなりました。そうそう、このパワーの源は昼食のメンチカツなのは言うまでもありません。
奥牧野から舟久保経由で綱子へ向かいます。
外人さん(こういう言い方は良くないのかもしれませんが)が建てている家屋は八割くらいでしょうか。この日もコツコツと作業をしていました。
走り出そうとしたら足元にイガグリがありました。ここまで青いのばかりでしたが、もう秋が近いっていうことですね。
綱子の水場で冷たい水で喉を癒していると、頭上で雷が鳴り出しました。この先はトンネルがあるので、降ってきたら雨宿りすればいいでしょう。
垂直土手も草が茂っていました。しかし土手は草の根で土が締まり、湿気を保つから崩れないんです。右手前のように草が無いと土が剥き出しになって乾燥して崩れる原因になります。
幸い雷は止んで暗い雲域は離れて行きました。道志みちも快調に飛ばし、往路でお祭りの準備をしていた川尻八幡へ近づくと、案の定歩道は人だらけ。車もノロノロ。人々を見ると結構ヤンキーが多い感じのお祭りのようでした。
人が多い中を走るのは嫌です。そこかしこでリカンベントの感想が聞こえるからです。
でもこの辺りから聞こえた声は好意的なものでした。「すげー、格好えー」とか「乗りてー」とか。普段よく耳にする「ぎゃはははは」と叫ぶのは、流石に周りを見て恥ずかしかったのかもしれません。
今回、改めて食事が大切なことを認識しました。普段は食堂へ入れないとお握りと菓子パンですが、メンチカツと白米をガッツリ食べた効果は、バトルだけでなく後半の脚の元気さでも感じました。走る時はもりもり食べないとね。
07:34 出発
10:30 上野原
11:50 犬目宿
12:25 猿橋
14:23 鈴懸峠
16:06 綱子
18:45 帰宅