幅員5.5m未満をゆく

自転車とサイクリングの日記です。

幅員5.5m未満をゆく

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新緑の奥多摩-松姫峠

土曜は終日雨が降り続いて悶々として一日でしたので、翌日曜に期待していましたが、朝外を見るとようやく雨が止んだ程度のどんよりな空。新緑をたのしみにパスハンティングへ行こうと思っていましたが、これでは濡れた下草で足元や愛車が濡れてしまう(特にオープンサイドのタイヤは濡らしたくない)ので止めました。
朝起きてからの予定変更です。さて何処へ行こうか。とりあえずパスハンターに積んだ荷物をリカンベントへ積み替えます(ここで大きなミスが…)。

僕にとってのサイクリングの楽しみは、里山や農村を散策することだったり、辛いけど達成感のある峠越えだったり、平地の高速巡行だったり、大きく分けるとこんな感じです。
桜ツーリングは出来なかったので新緑は見ておきたいので、高速巡行と新緑と峠の三つを満たすルートにしました。

ルート 184.5km △2,872m
クリックするとRWGPSでZoomできるようになります。


町田街道は時速30km巡行。これはパスハンターの時で、リカンベントの力加減では時速33km。でも最近は次第に時速30kmで甘んじることも増えてきました。切りのいい30でいいじゃん、って (^^;

馬の鼻先にニンジン。サイクリストの前方に敵機。目標があると人は実力以上の力を発揮します。
相原三叉路からR16に入って御殿峠。前方にサイクリストが見えたのでペースアップすると、何時もの時速20kmペースから10%アップの22kmで上りきれました。継ぐ京王線の上りでも時速16kmのところを20kmというハイペース。これで今日の脚は使い切ってしまいました (^^;

谷野街道へ入って前後連結ミニ(車のミニ)を横目で見つつ、次いでお気に入りの草花通りと、次第に快走モードがまったりモードへ変化していきます。
笹の壁で一休み。


自転車通行不可の新満地トンネルを避けて旧満地トンネル。絶妙な色と形と愛すべき穴へ突入~。


中の壁にも素掘りのゴツゴツ感がイイかも、なんて思いつつ出口へ。


吉野街道へ入るとお祭りの準備をしていました。幾つかの山車を見た先の櫓から笛太鼓の音が聞こえてきました。歩道へ上がって聞くと、我が家の方面の音とはだいぶ違っていましたが、よく聞くと要所要所の音は同じ。アレンジや分派が重ねられた結果なんでしょうね。

僕が教わった時、最初は基本の音づかいで、上手になるにつれて指の使い方で綺麗な音へ仕上げていきました。それが隣集落の分派した年配は自分好みの音程にしていてちょっと耳触りに聞こえたものです。その年配も高齢になっていい音(いい笛)になり、僕が聞いた中では一番いい音を出していました。まろやかな音と指使い。その音も最近は聞こえなくなってしまいました。

青梅辺りのコンビニで小休止。昼食を買ってリカンベントへ詰めていたら、いつもシート下のバッグに入れている工具がありません (>_<) 朝パスハンターから積み替えるのを忘れてしまいました。火器やコンロ類は持ってきたのに…
まぁ、サイクリング中の一番の不具合はパンクですが、タイヤレバーは使わないのでそれ以上に大きなトラブルが無ければ大丈夫でしょう(実は危なかった…)。

古里の橋の上から覗いた写真です。素晴らしい色の新緑!


奥多摩駅を過ぎてむかし道へ入ると日差しも強くなってきて新芽の緑に反射して綺麗です。


落ちそうな傾きの廃線高架。


見る度に、よく建てたなぁ、よく住んでるなぁ、と思います。地震の時は相当怖いことでしょう。

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短いダート区間も新緑マックス。


最近は道の状態もよくリカンベントでも楽しめます。


長く住んでいるから住み続けられるんだと思います。不便が習慣になっていますからね。僕だって郊外に住んでいますが、都心と比べると不便なことがあります。歩いて買い物は難しいですし、通勤時間は掛かるし。でも不便な代わりに緑に囲まれた生活ができていますし、輪行せずに日帰りサイクリングを楽しめています。


我が家は蛇口からお湯が出ますが、隣接する地主の同級生は今でも薪風呂です。それも習慣だから出来るのでしょう。


浴びるような新緑とは、このことです。


一つ目の吊り橋は車で来た観光オバちゃんに占領されていたので、二つ目の吊り橋。

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足元の板は結構腐ってきています。蹴ったら落ちそう。


終点近くにあるベンチで昼食にしました。あ、今日は頭の努力義務を果たしていますよ。
先日買ったスプーンは調子いいんですが(スプーンに調子も何もありませんが)深さが少しあって注意して上唇を使わないとスプーンの中に少し残ってしまいます。


この天気ですからオートバイライダーもオートモービルドライバーもわんさか繰り出して来ています。奥多摩湖畔の駐車場はそんな輩の見せびらかし&見たがりで混んでいました。でも一番目立っているのがリカンベントなのは言うまでもありません。


地形にそってうねうねしている湖畔の道は飽きます。風張峠への分岐を過ぎると一気に交通量が減って静かになりますが、嫌らしいアップダウンが続きます。鶴峠方面へ左折して松姫峠へ向かうのがいいか、小菅から上るのがいいのか。前者は初っ端の急勾配が疲れてきた脚にキツイので後者を選択。

釣りの世界はまったく分かりませんが、こうして自然の川の地形を変えてることって許されるのでしょうか。

松姫峠の入口に到着。自販機でジュースを飲んで休んでいると峠方面からオートバイが出てきました。峠までは通れるようです。
既に脚はかなり疲れていますが、ここは勾配が緩いので一時間頑張れば峠に着けるはずです。


上るにつれて新緑の色が薄くなっていきます。通行する車やオートバイも僅かで、周囲は静かなため遠くから近づいてくる音で分かります。富士急バスも下ってきました。ハイカーの為に運航しているんですが、休日の僅かな利用者の為によく頑張ってくれています。

勾配は緩くてもここへ至るまでの道のりで疲労しているので、毎回最後の方はキツイです。今回は55分。リカンベントでのベストは53分。パスハンターでは小菅からこのくらいのタイムでした。リカンベントが遅いのか、歳で体力が落ちたのか。


少しすると若者ロード二人が上ってきました。「あ~、キツかったぁ」とか言っています。挨拶をするとそのキツさを共有したいらしく口数が多く愛想もいいです。


僕はこちらの手彫り看板の前で写真を撮ります。あちら(上の写真)ではリカンベントは立て掛けられないこともありますが、こちらは標高1,250mも記載されていますから。


何時も通りゲートは閉じていましたが、大きな荒廃は無いと思うので入らせてもらいます。若者が「行けるんですか?」と聞いてきたので『大丈夫だと思いますよ。枝や小石は多いですが。』と答えるだけにして誘いはしませんでした。

少し下った眺望がいい地点。この季節に来たのは初めてですが、この周辺は植林が少ないので新緑がとても綺麗で感激です。所々にある山桜がいいアクセントになっていました。手前の 長尾根 長峰 は昔パスハンターで下ったことがあります。今は廃道になってしまいましたが、大菩薩峠から入って石丸峠から深城集落まで(まだダムはありませんでした)そこそこ下れた覚えがあります。


さて下りです。そうそう、工具を忘れてしまったのでバーストしないように最大限に注意しなければなりません。しかし、道はびっくりする程よく整備されていました。今までは枝や倒木、砂利の堆積があることが多かったんですが、これらが殆ど無く工事個所もありませんでした。

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獣にも遭遇せず、ドキドキ感なく下って行きます。さっき見降ろした地点のガードレールが上の方に小さく見えます。このダイナミックさが松姫峠の魅力です。これを知っているので僕はこちら側から上ったことはありません (^^;


途中にあるトンネルは中でカーブしているのでライト必須。石も落ちていることがあるので要注意です。
そして、松姫トンネルの出口(入口)の前に出て終了。あとは豪快なダウンヒル猿橋まで続きます。リカンベント最高ーっ!


長いダウンヒルの途中、よく見ている風景です。新緑の季節もいいですね。


下りきった猿橋でもお祭りをやっていました。このシーズンは多いんですね。中学生くらいの若者がちらほら。休日に友達同士で遊ぶのにお祭りはいいものです。私服の友達と遊ぶだけで新鮮でドキッとするものです。

下りってきたら右足の踵が痛くなりました。Giro Republic の踵部分が少々狭い感じです。紐を緩めるとよくなったので様子をみます。
鳥沢のコンビニでアイスクリームを食べて小休止。この日差しでだいぶ気温が上がっているようです。

毎回ここまでくると向かい風なんですが今日は運よく追い風でした。ヘタった脚でトップギヤをゆっくり回して快走していると、前方から地元風の若い女子2人が自転車で上ってきます。確か前回も見かけました。交通量が多いR20をサイクリスト以外の人が走っていることは少ないんです。
先方もこちらを見てニコニコしながら「見て、あの変な自転車、前にも見たよね。」なんて言っていた(たぶん)ので、すれ違いざまにパフパフ~と右手で挨拶しました。

上野原へ向かって下りながら、荒れた(荒れてなかったけど)松姫峠も下れたし、もう工具が必要になることもないだろう。と思っていましたが、あれ??? 前輪がパンクしたらハブナットを外さないとダメじゃん。そうでした、ALFINE内装ハブギヤはクイックレリーズじゃないからモンキーが必要です。
なんと今頃気が付きました。以降はドキドキです。最悪ガソリンスタンドでモンキーを借りればいいか、とか考えながら。

相模湖を過ぎる頃になると脚の疲労が溜まって痛くなってきました。最近ではあまり無かったので忘れていましたが、やはり長距離を走るとこうなります。右足の踵もまた痛み出したので三ヶ木を過ぎた尾崎記念館前に座ってヒールカップをグイっと広げました。その後は痛みが無くなり今後も大丈夫そうな感じ。

脚の疲労に加えてお腹も空いてきたので、相原を過ぎたコンビニでナナチキを一つ食べたら、脚の疲労が消えて家まで快調に走れました。ナナチキパワー。

07:29 出発
10:50 古里
13:24 小菅
13:54 松姫峠入口
14:49 松姫峠
19:35 帰宅