幅員5.5m未満をゆく

自転車とサイクリングの日記です。

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寺下峠パスハンティング

自転車のイメージが変わると楽しくなりますね。今回もAll-roadタイヤを履いたパスハンターで出動です。

ルート 117.1km △1,684m
クリックするとRWGPSでZoomできるようになります。


以前、家で朝食を食べないで出発していた頃は、新道志橋を渡って上った所の消防署を9時少し過ぎたくらいに通過していました。丁度 消防隊員さん達が朝礼で並んでいる時分。今はそれよりも30分くらい遅く進行しています。

鼠坂では静かな朝に後方の旧称相模湖ピクニックランドの園内放送が聞こえていました。頻繁にこれを聞くのはあまり心地いいとは言えませんね。


自転車を速くする為のイノベーションは過去に何度も起こり、その度にレース規定が更新されて葬り去られました。しかし、それを個人で使うのは自由です。
今回は自作の Power Harness™ を装着してきました。時々使いたくなるんです。


数十年前、当時の名称は覚えていませんが、これと同じ原理のベルトを装着してレースで良い成績を収めた商品がありました。でもその後UCIで使用禁止になりました。

作用には必ず反作用があります。自転車の場合、ペダルへの入力に対する反作用を、手と腕でハンドルを掴むことで抑制しています。反作用を抑制しないとペダルへ力を入れることはできません。ただ、高回転の場合はペダルへの入力が円運動に近くなり反作用が小さくなるので、反作用を抑制する力も小さくてすみます。

このため Power Harness™ が威力を発揮するのはスタートの時や、峠の上り等です。そう、ツーリングにはとても有効なのです。腕の力を必要とせず、脚の力だけで坂を上るのは意外に楽チンです。
一方、同じ筋肉ばかり使っていると疲れることになります。 Power Harness™ の良いところは、いつでもこれに頼るのを止めて普段のように腕を使うことができますし、立ち漕ぎをすることもできます。
DIYが得意な人は是非作ってみてください。自分の脚が10年くらい若返ったと感じることでしょう。

参考:パワーハーネス - 幅員5.5m未満をゆく


若返った脚でいつものコースの裏道(古道)を上りました。藤野やまなみ温泉の裏手です。リカンベントでも上れないことはありませんが、スリップしないように速度を上げることになり、疲れるんです。パスハンターなら止まるくらいの速度まで落とせますので、その分だけ楽に上れます。


奥牧野で小休止。お、麒麟が踊っています。


ちょっと迷いましたが、コーヒーにしました (^^; 丁度良い腰かけに座って神奈川県と山梨県の境目あたりの山を眺めながら一息つきました。


途中グラベルロードっぽい人に追いついたので、横に並んで話しかけると、よく見たら電動アシストでした。ダウンチューブが太い!
2~3週間前に巌道峠へ行って雪が深くて重いこの自転車をずっと押してくたびれたそうです。ランブリンマンさんが見た轍はこの人だったかも。
今日はゴルフ場付近から金波美峠へ上ると言っていました。しばらく一緒に走っていたんですが、気が付くと後方に見えなくなってしまいました。

シムニー健在。このタイヤの中の空気は何十年前のものでしょうね。


大地峠の入り口に到着。林道名の標識が日に焼けて判読できなくなっています。


実は今回、大地峠へ上るつもりでここまで来たんですが、この寺下峠の標識を見たらこちらへ行きたくなってしまったんです。先週腰を痛めて未だ本調子ではないんですが、地図を見たら標高差250mくらいですし。


踏み跡は濃いです。


しかし、斜面に伝って進む道には倒木が頻繁に現れました。基本的に自転車の左に立って押し歩くので、右肩斜面の倒木は鬱陶しいです。


暗い杉の植林から明るい雑木林の道になると気分も明るくなりますね。この辺りは赤松が多いです。


所々倒木があって道が迂回するように付けられていて、そんな場所では空身で偵察して慎重に道を選びます。
石垣がありました。昔はこうして道を荒廃から守ってきたんですね。今は登山者しか歩きませんから、ここまでする補強は見ません。


ん、何かあります。


パソコンか何かのボードですね。何でこんなところに… ???


また厄介な倒木が (T_T)


木に抱き着くようにして攻略。


最後は地形図にもあるように九十九折になって高度を上げます。明るい稜線が見えてきました。


最後まで小刻みに折り返します。


寺下峠。


植林のつまらない峠でした。ご褒美の石碑もなし。


座るのにちょうどいい丸太があったのでそこに座って昼食タイム。
またこれにしました。しばらく続きそう (^^;


お握り投入。再び頼りないスプーン&フォーク。


またかよ、と聞こえてきそうですが、コーヒーで〆。


風もなく穏やかな時間です。上空から甲高い鳴き声が聞こえて、見上げるとオオタカ(トンビ意外は全部オオタカということにしています)が二羽左へ飛んでいきました。つがいでしょうか、春の子育てのシーズンですね。

左の尾根から物音がして振り向くとハイカーが下ってきました。挨拶だけで去っていきました。それだけですが、こんなマイナーな山奥で人に出会うと落ち着きます。

さて下りです。こちらは勾配も緩く乗って下れそう。


明るい雑木林で気持ちいい。


と思うのも束の間。斜面はどんどん急になって踏み跡も見えないような崖になってしまいました。幸いトラロープが張られていましたので、これを伝ってズリズリ下ります。


標高差50mくらいの崖を何度も折り返しながら…。不用意に落とした小石は一直線に下の枯れ沢まで転がっていきます。一ヶ所、ホントにトラロープ無しでは通過できない足場の所もありました。
難関の崖を下ったところに道標がって一安心。


徐々に勾配が緩くなりますが、乗って走れるほどではありません。沢から水を引くロープが出現すると下界は近いです。


最後は大地峠からの林道に交差します。ふー、下山。


掲示板に梁川駅の時刻表が貼ってありました。人が多く行きかう道ではありませんが、途中のトラロープともども、地元の人の気遣いに頭が下がりますね。


結局乗って下れたのは全体の1/4程度でしたが、山歩きということで良しとします。ただ、自転車で行くことのメリットはありませんでした。


林道を交差して直ぐのところに自販機とベンチがあったので休憩です。見上げるとそこは民宿でした。昔はこの道で山へ入る人が多かったのでしょうか。それとも釣り客目当てかな…

そう言えば靴が草臥れてきていたので確認すると、うわっ、酷くなってます。


あちゃ~、ダメだこりゃ。
つい2日前に同じシューズをネット購入しておいてよかった。


馬頭観音がありました。あの峠道を馬が登ったのでしょうか。


さて、後半は桂川の右岸をのんびりと進みます。右手下に桂川の渓谷、向かいはR20です。


四方津の手前で川を渡るところで、峠で出会ったハイカーが歩いていました。彼も下山してきたんですね。お互い笑顔で二言三言、彼は高柄山から下って来たとのことでした。千足峠と川合峠経由で来たのでしょうか。あの道は廃道に近いと思っていましたが。聞きそびれました。

久しぶりに四方津から上野原までの山道を通って行くことにしました。昔一度だけ歩いたことがあります。
最後の集落で畑仕事をしている男性がいたので「この先行けますか」と聞くと「押していくなら大丈夫」とのこと。

集落外れのお墓までは車幅の道で、


そこからは先はこんな感じの道になります。藪を刈ってあるところを見ると使われているのでしょう。


でも尖った刈跡には要注意です。こんなのを踏んでパンクしたら泣きます。


小さな沢を何度か横切って進むと、送電線の鉄塔下で林道になります。道程の半分が山道で半分は林道。


林道はフラットで荒れた様子はなく快適です。途中の谷に水路が渡してありました。今はもう使われていないようです。


送電線の巡視路としての林道ですね。


最後はこちらも集落外れのお墓。害獣避けの柵を潜り抜けた所で一休み。残しておいた調理パンと菓子パンを食べました。
登山口で外した Power Harness™ を再び装着して帰途につきました。



07:36 出発
09:49 鼠坂
10:43 奥牧野
11:34 寺下峠入口
12:26 寺下峠
14:29 梁川
15:35 上野原
18:45 帰宅