サイスタ時代からお友達のAさんが養老渓谷へ行くというので急遽ご一緒させていただきました。Aさんは輪行で僕は車載、養老渓谷駅で待ち合わせです。
5時の目覚ましでなんとか起き上がり(朝は苦手です)5時半に出発。保土ヶ谷バイパスからベイブリッジ、アクアラインで千葉へ。走りなれない道は神経を使いますね。高速道路はジャンクションの予習が必須です。2時間で大多喜町のデポ地に着きました。
朝食をとり1時間ほどまったりして8時半に走り出します。
Aさんが行きたいところは、粟又の滝、共栄向山トンネル、チバニアン、月崎駅の森ラジオステーション、だそうです。養老渓谷駅スタートだと行ったり来たりになってしまうので、一つ先の駅にしてはどうかと調べたら、丁度この区間が土砂流出で運行できなくなっていました。なので養老渓谷駅まで寄り道しながら向かいました。
ルート 63km △1,045m
前日が雨で気温が低かったことで朝は霧が立ち込めています。高速道路でも低い場所は真っ白でした。デポ地から直ぐに集落内に入ると農村風景が広がります。
この地域は上総(かずさ)というそうです。千葉は詳しくないので初めて知りました。ここより北の方が下総(しもうさ)、南の方は安房(あわ)とのこと。地名は調べないと読めませんね。
そしてこの付近の川が特徴的です。地図で見るとアマゾン川のごとくクネっています。ハンパないです。で、川面も普通じゃないです。まっ平で浅い。岩とかありません。これは地質によるものなんでしょうか。
更にもう一つ、このクネった川の首部分(埼玉で言うなら巾着田の結び目)にトンネルを掘ってショートカットしている所が多いんです。これを「川廻し」と呼ぶそうで、穴好きの人達が好んで足を運んでくるようです。でも見せる物ではないので長靴持参で川に入らないと見れません。
前日にそんな予習をしてました。
クネった川の地形では集落がそこで完結していて通り抜けられない所が多く、そんな所では国道へ出ることになります。国道と言っても房総半島の中心付近なのであまり交通量は多くありません。
床屋とパーマ屋のセット。
国道を出て再び農村を満喫。お~、こういう道は大好きです。
養老渓谷の小湊鉄道は上総中野駅までで、こちら側はいずみ鉄道だそうです。どんな電車なんでしょう。電車ではなく列車ですね。
踏切のあと隣の集落へ続く細道へ入ってみました。入口に草刈りを始めようとしているオジサン二人がいたので聞いてみると、
「行かない方がいいよ、草だらけだから」
『ダメもとで行ってみます』
でも言われた通り草だらけでビショビショになり、しかも崖崩れで通せんぼうでした。
『やっぱりダメでした~ (^^;』
クネった川とこれに倣った集落なので踏切が多いです。そこらじゅう踏切だらけ。
渡ろうとすると「カンカン」鳴りだしました。
慌てて自転車を立てかけてカメラを構えると、左からガタゴト音が聞こえてきました。
あ、駅がありました。ホームにいた男性は乗るのかと思ったら乗りません。鉄っちゃんでした。
発車してきました。おぉ~、重厚感ありありです。今日の僕は にわか撮鉄 (^^;
ディーゼルの残り香を漂わせて走り去って行きました。一両って可愛いですね (^^)
踏切を渡る時に線路をよく見たら継ぎ目が滑らかではありません。カーブの所はRとRの継ぎ目が角張っています。直線部分もガタガタ。乗ると揺れるんでしょうね。
寄り道をしていたら待ち合わせまでの時間が残り少なくなってきました。でもいい雰囲気の馬頭観音を見つけたので撮影♪
小湊鉄道の列車も撮りたかったので急いで地図で見つけた地点へ。ラッキーなことに抜群のロケーションでした。
遠くで「パオ~」っと鳴いて、ゴトゴトな音が近づいてきました。こちらは二両です。Aさんが乗っているはず。
待たせてはいけないので駅まで急ぎました。
養老渓谷駅に着くと先ほどのローカルさとは打って変わって観光地っぽい。ハイカーと観光客がわんさか降り立っていましたが、輪行袋を引きずっているAさんは直ぐに発見できました。
Aさんが自転車を組立てていると直ぐに興味深々なギャラリーが現れます。特徴あるタルタルーガのミニベロなので見慣れない人には「なんだこりゃ」となるのでしょう。
すると僕の方にもギャラリーが (^^; こちらは自転車好きな人のようで「オーダーフレームですか?」とか「内装ハブですね~」とか聞いてきました。お喋りが終わるころにちょうどAさんも組みあがったので、一息ついてからサイクリングスタート。ちなみにAさんはネット出演NGなので写真なしです。
僕はゲスト参加なので後ろからついていきますが、下調べしておいた川廻しがよく分かるスポットで『ちょっと待ったぁ』と声を掛けました。
この円形の平たい部分が川だった所で、この様に田畑を作るのが川廻しをする理由だそうです。
粟又の滝までは県道を行きますが、車やオートバイの活動時間と重なって交通量が多いです。勾配はありますが旧道へ避難。するとたちまち千葉らしいのどかな集落になります。
アップダウンが頻繁にありますが、上流を目指しているのでアップが多いです。それでも旧道は車が来ないのでローでゆっくり上れてストレスありません。
歩道にはランニングしている人が散り散りに何人もいます。走ったり歩いたり、一人だったり数人だったり。この散らばり方からすると養老渓谷駅がスタートっぽいです。そんな中を『自転車は楽チンだね~』と言いながら走ります。
小高い崖の脇を下っていくと粟又の滝に到着しました。観光客わんさかですがマスクしているから良しとします。路肩に停車していると横の旅館の人がこちらの駐輪場を使ってください、と親切に案内してくれました。助かります m(__)m
観光客に交じって(僕らも観光客ですが)急坂を下るとお目当ての滝です。
ほほぅ、滑沢ですね。結構な幅と長さです。
マニュアルでスローシャッターにしてみましたが手持ちではこれが限度。
目的の一つを見学して満足したところで来た道を戻ります。
下ってきた道を上り、上ってきた道を下っていきます。サイクリングは一粒で二度美味しい。
調子よく走っていたところで『そういえばトンネルどこだっけ~』と声を掛けて停車。
よかった、少し行き過ぎただけでした。
共栄向山トンネルです。二階建てのトンネルだそうです。
養老渓谷に近く観光スポットの一つになっているので人がたくさん歩いています。中には三脚を立てて撮っているお姉さんも。でも正直なところイマイチですね~ 下の穴は逆U字の補強で張りぼてってありますから。
昼時になったので県道から少し入ったところにあるパン屋へ寄りました。集落内にあるこじんまりとしたパン屋だったので、既にめぼしいのは売り切れていました。食べれそうなのを一つだけ買って、後は駅前の出店っぽい所で山菜ごはんを買って食べました。
後半はチバニアンと月崎駅ですが、その途中に僕の提案でトンネルをいくつか。
杉畑第一隧道。こちらは細道でいい雰囲気でした。
芋原第二隧道。コンクリ固めでちょっと味気ないですけどね。
芋原第一隧道。
トンネルを抜けた所の農村風景を楽しみながら上総大久保駅。
良く見ると道路脇にトラロープを張り巡らせてあります。撮鉄達が立ち入らないようにでしょうね (^^; ロープ内へ入らないように、踏切内(遮断機の内側)では撮らないようにしました。
少し坂を上ってトンネルを抜けたT字路。地図を確認したら道を間違えていました。結果、チバニアンの前に月崎駅です。
ここで残念なことに駅に隣接している森ラジオステーションが改装中で見学できませんでした。少々がっかりなAさん。
「パオ~」あ、列車が来ました。トロッコ列車です♪
五井へ向かって行く時は後ろから機関車で押して進みます。
因みにトロッコ列車は輪行NGとのことです。Aさん曰く「観光客で混んでいた列車よりトロッコの方が自転車を置くスペースあるのになぁ」とのこと。
少し走ってチバニアンです。急坂を下って川面に下り立つと… たんなる崖です。
「地磁気逆転の記録が世界で最もよく残っている」場所だそうです。
チバニアンから県道へ出るのに集落内を通って行きました。ここでも小径がいい雰囲気でした。こんな道が延々と続いていたら最高なサイクリングコースなんですけどね。
小湊鉄道は運行間隔が大きく離れています。一つ乗り遅れると簡単に1時間待ちとか。
Aさんが帰りに乗る列車の時間と後のコースを鑑みて、今回は月崎駅を終点にしました。『その列車がトロッコじゃなくて良かったね (^^; 』
駅へ向かう途中に永昌寺トンネルがあるので見学します。今回見た中では一番存在感がありますね。観音掘りというそうです。
内部も地面も剥き出しでした。この先にも幾つかトンネルがありますが、今回はここでお終い。
駅舎から覗いた所に小屋がありました。下からレールが伸びています、あの中にはいったい何が… (@_@)
またまた「パオ~」っと鳴いて列車がやってきてAさんが列車へ乗り込み、
去っていきました。
さて、デポ地までどうやって帰ろうかな。予測ではもう一駅先へ行けると思ていたのでコースの練り直しです。その前に小腹が空いたので駅前のヤマザキでランチパックとミルクティーを買って駅舎のベンチで食べました。駅の雰囲気も良かったので30分ばかりまったり。
帰路は東側へ移動して南下する予定で、地図を見ると月崎からも東へ移動する道があるのでこれを使うことにしました。凡そ20kmです。
これが意外にしんどかった。アップダウンの連続で日が次第に傾いて暗くってきて、初めての道なので何度かミスコースで引き返したり、コーナ―の路肩で前輪が滑って危うく転倒しそうになったり。国道に出た頃には完全に日没して真っ暗でした。先日の西上州ほどではありませんでしたが、日が暮れると落ち着きませんね。
そんな中、後方からロードが「こんにちは~」と抜いていきました。向こうもでしょうが、こちらも少々びっくり。国道とはいえ田舎の真っ暗闇ですから。
ロードは少しして右折していき、再び一人真っ暗の中をデポ地へ向かいました。
自転車を横倒しで積み込み着替えをすると、サイクリストから普通の人へ。着替えると気持ちが変わって落ち着きます。自分の車というのもありますし。
帰りの高速道路はやはりアクアラインで渋滞があり、家まで3時間かかりました。
05:30 デポ地へ出発
07:27 デポ地着
08:30 出発
09:55 養老渓谷駅
11:15 粟又の滝
14:40 チバニアン
15:20 月崎駅
17:25 デポ地着
20:03 帰宅