さぁ、空間の歪みから異次元空間を抜けて過去へ。
他に、過去へ旅するには橋を渡ったり、トンネルを潜ったりします。こちらに橋とトンネルが出来ると、名古屋まで40分で行けるそうです。そこが過去か、未来かは分かりません。
少し手違いがあって40年前に降り立ちました。これはゴミをためておく箱でしたね。綺麗なのでまだ使っているのかもしれません。
今と違って、道は勾配を避けて地形に沿って付けられています。まだ非力だった車や、もちろん荷物を背負って歩く人のためです。
一つ目の橋を渡って、もう少し過去へ。
ここは早戸川の奥まで走ったとき以来。商店はお休みのようです。
この道は現代と過去を繋ぐ道。早朝から旅をしてきた幾人もの自転車乗りが下ってきます。
残暑が厳しいはずなのに、妙にヒンヤリしてきました。
そしてトンネルを抜けます。
緑が濃く湿気を含んだ空気が法面や木々をコケで覆います。
昔の車は小さいです。大人が隣り合わせて乗ると、肩が触れるほど。
二つ目の橋、常世橋を渡ります。
長い道のりの最後は急登となり峠を越えます。
南からの嵐は急峻な山肌に当たって力を蓄え、猛烈な降雨で土と石を削り取ります。幸い大きな障害はありませんでした。
一瞬、歪みが晴れて現代の街が見えました。
歪みは滴る水を斜めに落とします。自然から湧き出た水は冷たく、街の水道とはえらく異なります。
薄暗い森の急坂を一気に下ると50年前の集落にある商店へ到着しました。
もちろん、レジスターなんてありません。そろばんです。そして使い込まれたテーブル。
店番のお母さんは85歳だそうで僕の母親と近いですが、この集落にいると歳をとらないようです。若々しく目も耳もよく効き、身体もしゃんとしていました。
そして大好きなカールを買い求めました。
他にも懐かしい駄菓子がたくさんありました。この集落に子供はいるんですか? と伺うと、最近は少なくなって4人になりました。と。淋しいですね。
カールはケースにうまく収まりました。よしよし。
過去への旅の目的を果たしたので現代へ戻りましょう。
三つ目の橋は少々心もとないですが、揺れることはありませんでした。
手入れされているところを見ると頻繁に渡っているのでしょう。
少し年代を戻ったところでラーメンをいただきました。慣れない異次元の道程で身体がおかしくなっているようで辛さを感じません。汗と鼻水だけが流れ出てきました。
あの山の窪みを越えてきました。麓にあの集落があります。
急勾配の押し上げは視線が足元へ落ち、するとドングリが目に留まりました。ビンディングシューズのクリートに詰まらないように、器用に踏むと、まだ若いドングリはぷちっと潰れて心地いい。
緑のトンネルを抜けて、
窪地にある集落を外側から入ると、立派な瓦塀のある屋敷がありました。ここで一番のお偉いさんかもしれません。
カーブミラーのくもり具合や錆も時を感じさせます。そして奥の弛みの先には信仰の山。
おや? 前輪に違和感がありました。ありゃ。
しかしパンクの原因は直ぐに見つかりました。慎重に取り除くと樹木のトゲでした。先日の津久井でのものより少し大きめ。原因さえ分かればチューブを交換するだけなので苦労はありません。
小さな谷戸に稲穂が輝いていました。ここの集落は放棄地が少なく元気なようです。
さて、最後の橋を渡って現代へ戻りましょう。
今回も短い一日の旅でしたが、心身共に癒されてリフレッシュできました。
50年前の昭和を体験したい人、あるいはカールを食べたい人は、こちらのルートを辿ってください。そろばんの手さばき見たいなら駄菓子も幾つか買うとよいでしょう。
クリックするとRWGPSでZoomできるようになります。
07:38 出発
11:43 菩提峠
13:50 渋沢峠
15:25 岩倉
18:22 帰宅