ディスクブレーキが一般的になってきて既に数年経ちますが、クロモリフレームへ取り付けるには今でも悩ましいです。フラットマウントタイプ、ポストマウントタイプ、それぞれ考えるべき点があります。
フロントフォークへディスクブレーキを付けると、先曲りによるショックアブソーバー効果を妨げることになってしまいます。これは解決するエンド一体型のディスクブレーキマウントがありますが、ポストマウントしかありません。
キモリモーションレスエンド(ディスクブレーキ台座付きエンド)
https://www.velocraft.jp/SHOP/EF-SN-00-01.html
https://www.velocraft.jp/blog/post-807/
Source: velo craft
先曲りのフロントフォークは走行中の衝撃を曲がることで緩和してくれています。5mmくらいは動いているとか。これをディスクブレーキマウントで固めてしまうと、二本あるフォークの左右で動きが不均一になってしまいます。考えただけでも気持ちよくありません。
細山製作所ではフラットマウントをこのように取り付けて(息子のQUARK号)、これも曲りを妨げない配慮のようです。
リヤのディスクブレーキはフロントのようにショックアブソーバー効果は必要ありませんが、美的センスが問われることになります。何も要求しないと思っていたのと違った、ということにもなりかねません。
シートステーへ付けるか、チェーンステーへ付けるか、フラットマウントにするか、ポストマウントにするか、この4点を考える必要があります。
シートステーは細いので強度を補う必要があり、チェーンステーとの間にチューブを追加して三角形を作る必要があります。ディスクブレーキ自体もシートステーの上に乗っかって美しくありません。
なので、チェーンステーへ取り付ける方がいいんですが、ポストマウントではシートステーに干渉しないように逃げを作る必要があります。通常シートステーはハブ軸中心から伸びていますが、これが出来ないんです。
キモリモーションエンド(velo craft JBT仕様車)
Source: Cycle Sports
こちらも逃げがありますが最小限に設計してあっていい感じです。山音製輪所のフレームだそうですが、どこのエンドでしょうね。オリジナルでしょうか。
https://bicitermini.com/2016/11/15/13902/
Source: Bici Termini
方やフラットマウントはシートステーと干渉することはありませんのが、別の問題があります。このようにチェーンステーを横方向へ曲げる必要があるんです(息子のQUARK号)。
またはこのようなエンドを使うことでチェーンステーが外側へ出て、結果ぎりぎりチェーンステーを真っすぐにできるようです。
柳サイクル
http://yanagicycle.blog.fc2.com/blog-entry-251.html
Source: 柳サイクル
今野製作所ではオリジナルエンドでこのように対応しています。チェーンステーへのストレスを少なく、且つうまくデザインしていますね。
Source: 今野製作所
このように各社苦心しているのが伺えます。ビルダーによって対応できるエンドとできないエンドというのもあるようですから、依頼する側も心得ていないといけませんね。