ツーリング中のコミュニケーションは一日の中のメインではありませんが、一つの楽しみでもあります。
しかし、コミュニケーションはうまくいかない時もあり、そんな時は走りながらしばらくモンモンとした気持ちになってしまいます。
以前、山梨の山間部をサイクリングしていた時、歩道を歩いている小学生達から大きな声の「こんにちはー」が来た時には、ちょっとおののきましたが、愛想よく『こんにちはー』と返しました。
またある時は、上野原をリカンベントで走っている時に、歩道でバスを待っている女子高生達から「こんにちはー」の声が来た時には、え? 俺? と思いました。この時はスピードが速くて過ぎ去ってしまったので、挨拶を返すことができず、きょろきょろと身振りを示すだけになってしまいました。
挨拶するしないは相手との距離感が関係していると思います。
例えば街中で人が多い中では挨拶しないことが普通ですが、郊外や田舎でその人以外には殆どいない場合には挨拶するものです。
田舎の地域では挨拶の重要性を説き、子供の頃から教育が行き届いています。
対して最近の都心では、見知らぬ人には声を掛けない、という教育をしていると聞きます。
様々な事件等で声を掛けないことが自らを守ることに繋がるのは分かりますが、時と場合によりけり、郷に入れば郷に従え、ということも教えるべきでしょう。
奥多摩むかし道で一人で歩いていた若い女性に『こんにちはー』と言ったところ、怪訝な顔をされたことがありました(こんなところでナンパしてんじゃねーよじじー、みたいな)。
山歩きやハイキングではお互いに挨拶をすることは古くからの週間です。そうしたことは都心の人達でも心得ておいて欲しいです。
挨拶するしないの意見は人によってそれぞれですが、登山界では する が勝って週間として定着しています。
対して自転車界は半々で曖昧。昔は挨拶するしない論争がサイスポで展開されていましたね。僕は挨拶する派、したい派です。
前置きが長くなりましたが、今回のサイクリングでは する派 しない派 両方でした。
ルート 135.3km △2,013m
クリックするとRWGPSでZoomできるようになります。
自宅前で身支度をしていると、前を通りかかったオジサンが、
「それ楽なの? 今日はどこまで行くんだい?」と、
『今日は奥多摩方面へ行ってきます』
「どれくらい掛かるの?」
『4時間くらいかなぁ』
こんな感じで一日がスタートしました。
朝の町田街道、向かい風ながらリカンベントの特性を生かして快走。桜美林辺りで先行するロードを左手で合図して抜かしました。左手の合図は挨拶の代わりです。
信号待ちで追いついてきて、
「こんにちは~」
『こんにちは~』
「ブログ見てますよ。今日はどちらへ?」
『ありがとうございます。今日は奥多摩の方へ行ってきます。』
「行ってらっしゃい。気をつけて」
ブログを見てくれている人は出会うとこうしてよく声を掛けてくれます。ありがたいです。その一言が励みになります (^^)
相原のピカチューにご挨拶。この子は声を出せないので心の中で「おやよう!」って声を掛けてくれます。僕には聞こえていますよ (^^)
高尾の手前、裏道を進んでいると右の視界にピンク色が。Uターンすると見事な枝垂れ桜でした。
美山通り、八王子霊園の一番急坂の所を上っていると左からカブのオジサンが出てきました。僕をやり過ごして右手から抜かして行く時に、
「それは楽なんかい?」
『ん~ … 』(言葉に詰まって笑顔だけ向けていると)
「気をつけてな」
そのオジサン、少ししてから向かいからププーっとブザー鳴らしてきました。
僕は右手を上げてご挨拶。
石仏達には心の中でご挨拶。若い頃にサイクリング中の道端でよく出逢うのに気づき、その頃からの週間です。
ミニスカのフィギュアには、「こんどオジサンとも遊んでね~」(^^;
小峰峠を越えて五日市へ入ります。昔、ジムニー1300にカヤックを積んで御岳へ通っていました。
ミモザ。最近よく見聞きするお花です。
こちらは道端のスイセン。リカンベントのシートの高さは目線にお花が近くなることが多いです。
ほら、こんな感じで。
五日市のコンビニで小休止して、左岸の里山道で檜原村へ向かいます。
急坂区間。
途中のアートで一息。薪が新しくなったのと、子猫が二匹加わりました (^^)
石仏は苔で風化が進むのでしょうか。形が次第に分からなくなってしまいますね。
こちらは石川五右衛門の斬鉄剣で切られた風な石碑。ずり落ちないのは石が持つ念力からか。
朝だけ少し青空が見れましたが、山へ入ってからずっとどんよりです。
神戸(かのと)のはずれには苔だらかの杉林が多いです。これでもかってくらい。
写真を撮り終わって走り出すと後ろからロードのグループが上ってきました。
しばらく距離を保ったまま進みましたが、神戸岩(かのといわ)の手前で追いつかれました。
「こんにちは~」を期待しましたが、無言。上り坂では、追いつき、追い越し、に少しの時間があります。その間の無言な時間がどうにも気持ち悪いです。
一人抜かされ、二人目も無言。三人目も無言。真っ青で派手なチームジャージが周囲にまったく馴染んでいません(これは余計か)。僕は意地っ張りなので抜かされる時は自分から声は掛けません。
写真を撮ってさっさと進み、気持ち悪い空気から解放されました。
素掘りのトンネルは暗くて路面はよく見えませんが、舗装されているので安心です。
少しのダート区間を押し歩き、モンモンとした気持ちを落ち着けます。
苔むした木々の奥に佇む赤井澤神社。
階段に落ちていた枝を避けて綺麗にして手を合わせます。
お気に入りの狛犬達にもご挨拶。
小枝で口の中のゴミを掃除したらお米が少量入っていました。ちゃんと気に掛けてくれている人がいるんですね。
二匹とも口の中には飴玉が入っています。
ほらね。コロコロと美味しそう。『また来るね~』
暗い杉の樹林帯を抜けて明るくなると遠くにガードレールが見えます。Zoom up。
二度、三度、と樹林帯に入って明るくなると、ガードレールが近づいています。
そして見えていたガードレールの所に着きました。右手には浅間嶺。時坂峠の茶屋の前からもこのガードレールが良く見えるんですよね。
ガードレールからは300mほどでピークの大ダワ。今日は先着のハイカーもおらずひっそりでした。
来た方から弱い風が流れていたのでトイレ横の法面を背中にして風を避けました。
今日はビーフシチュー+お握りIN。今回のにはお肉とジャガイモとニンジンが入っていて食べ応えがありました。やっぱり寒い季節には暖かい昼食が美味しいですね。
下ります。奥多摩方面の山も厚い雲に覆われていました。青空欲しい~
落石の小石と枝を左右に避けながら注意して下っていると、サイクリストが上ってきました。お、ランドナーにキャンピングキャリヤ。静かな峠道、お互いに人恋しくしばらくお話ししました。マスプロから思いきやTOEIです(失礼)。檜原村に車をデポして風張峠を越えてきたそうです。松本在住とのことで向こうの雪の様子など情報を得られました。
国道に降り立ちました。この看板も建って長いですね。趣きはイマイチですが、なんか好きです (^^)
さて、ゆるく長い下りです。
ここへ来る度に思い出すのは、いつだったか後ろについた青年と青梅まで高速で下った時のことです。僕はパスハンター、青年はロード。走りながら自然にテールツーノーズとなりスピードが徐々に上がって行きました。山方面の帰途はダレることが多いんですが、この時は二人して気合が入りお互いに楽しさが共有できました。
別れ際の「ありがとうございました~」が耳に残っています。
御岳で吉野街道へ渡りました。
沢井辺りでしょうか。左岸の斜面の集落に目を向けます。特にどうという眺めではありませんが、こんな風景に気持ちが和むんですよね。
旧満地トンネルを抜け、草花通りで帰途につきました。
以前は帰りの鬼門だった御殿峠は5速でじわじわ上ると案外楽なことが分かり、最近はストレスなく帰れるようになりました。
07:32 出発
09:41 小峰峠
11:34 神ノ戸岩
12:55 大ダワ
14:37 御岳
18:03 帰宅