幅員5.5m未満をゆく

自転車とサイクリングの日記です。

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All-roadタイヤの検証

愛車に求めるものは人それぞれですが、僕が第一に求めるのは走って楽しいことです。自転車は走る為の乗り物ですから。

40数年前、初めてロードレーサーに乗った時の漕ぎ出しの軽さに驚きました。しかし、直ぐにそのゴツゴツした乗り心地が気になって、太めのチューブラーを使うようになりました。昔からゴツゴツ感が嫌いだったんです。

数年経ってMTB寄りのパスハンターをオーダーしました。太いフロントフォークは路面のショックを吸収しない為に、ダートの林道を楽しむことができませんでした。そして数々のサスペンションステムやピラーを試しました。

スプリングに乗りたいですか?
エラストマーですか?
空気ですか?


Compass Cycles(現 Rene Herse cycles)が起こしたワイドタイヤ革命。自ら All-road bike という名で世に投げかけています。 ここで何度も取り上げてきましたが、自分で確かめないことには言う資格はありません。ようやく検証することができました。

太いタイヤがオフロードで優位なのは異論の余地はありません。要は舗装路でどれだけ速く転がるのかということです。その条件はタイヤサイドが柔らかいこと。Rene Herse Cycles や Grand Bois のタイヤにはアンチフラットケーシング(対パンクケーシング)は使われていません。タイヤを硬くする要因を一つでも減らすためです。

新しく購入したタイヤ Rene Herse Cycles Naches Pas 26x1.8 は実測40mm。重さ295g。これをパスハンターに導入して実走しました。

これまで10年来 Panaracer パセラ 26x1.25 を使ってきましたので、その走行感は身体に染みついています。そして数えきれないほど走った町田街道はほぼ平坦で1時間弱。時速30kmはサイクルコンピュータを見なくても、ペダリングの感触で分かります。

空気圧は前回の試走から少し上げて、前2.2気圧、後ろ2.8気圧にしました。空気圧はコーナーリングでの不安が無い程度であれば転がる速度に影響が無いと Rene Helse Cycles は言っています。乗った時のタイヤの潰れ具合が僕の判断基準です。精神衛生上あまり潰れるのは気持ちよくありません。

さて町田街道です。とやかく言う必要が無いほど今まで通りに走れます。このタイヤにしたからと言って走りが重く感じることはまったくありませんでした。ペダリングの感触と速度も一致します。 荒れた舗装の上は凸凹を押し潰して振動を和らげてくれます。細いタイヤで不安に感じる溝や段差はもちろん気になりません。 ただ、一つ気になることは走行音が今までより大きいことです。接地面積が増えましたから仕方ありません。でも耳障りではありません。

今回のルートはパスハンターらしい道を選びました。舗装路のアプローチ、シングルトラックの山道、ダートの林道です。一日でこうした道をオールマイティに走るのがパスハンターですからね。


ルート 116.9km △2,097m
クリックするとRWGPSでZoomできるようになります。


久しぶりに美女谷へ向かいました。


Vanguard Backpackers ? 


姫は今日も髪を洗っていました。


お尻をこっちへ向けています …


林道の日影には雪が残っていました。横切る踏み跡は獣のものですね。


10cmほどの雪はクラストしていて上を歩いていけます。調子に乗るとズボッ。


途中まで自転車のタイヤ跡がありましたが、途中で無くなったので引き返したのでしょう。
林道のピークに到着。ここは明王峠(背後)への登山道が交差していて、ここを下ります。


土の道には根がありますが、ぽこぽことタイヤが潰してくれます。心地いい♪


ピークを巻く道には雪が少々残っていたので、乗ったり、押したり。


ここからは日当たりの良い広葉樹林帯の気持ちのいい道になります。
カメラを構えていると向こうからMTB氏が上ってきました(ほぼ平坦)。


QUARKのことも知っているようで、リカンベントの話しを出したら「あ、ブログの方ですね」と (^^) お歳を聞いたら僕と同い年でした。「人生楽しまないといけませんよね~」とお互いに納得。残り時間は秒読みですから。

最近のMTBはこんなことになっていました。50T(だったかな?)、ひょえ~


20分くらいお話ししたところでお別れしました。明王峠まで上ってランチにするとのこと。


改めて気持ちのいい小径を下ります。


林道に出た所で直ぐに再び山道へ入ります。先ほどのMTB氏に教わりました。


こちらも気持ちのいい道が続いていました。テクニカルな九十九折も大好き。いい道を教えていただきました。


下りきった所には大きな馬頭観音。ここも昔ながらの道でした。


雲が少しありますが、ほぼ快晴。中央の奥に大室山がそびえています。ちょっと風が強くなってきました。


今回は小粒な山サイとパスハンです。続いて小渕峠へ。


激坂にあえいで最後は押し。民家を過ぎて舗装が途切れたら峠道の始まり。


この道は逆方向を辿ったことがありますが、だいぶ前なので記憶が曖昧です。
この分岐はどっちかな? 地形図を見ると右のよう。小さく[鷹取山]の道標があります。


ここも古道なので階段はありません。一部崩落で高巻きの箇所だけ担ぎましたが、後は押して登れます。


暗い杉植林が過ぎて明るくなると峠です。頭上ではゴーゴーと風が唸りを上げていました。ここでの昼食は諦めて直ぐに下りました。


小渕峠


下りはずっと乗車できます。落ち葉の下に隠れた石には要注意。太いタイヤは快適~


神社がありました。う~む、まったく覚えていません (^^;


鉄塔脇の日溜まりに集められた石仏。これは覚えています。


中央高速にぶち当たって終了。


橋手前にあった蔵の前で風が避けられたので昼食にしました。


今日はこれ。


前回のボルシチよりも食べ甲斐があります。ジャガイモとニンジンがごろごろ。お握りも投入しました。満足 (^^)


まだまだあります。つづいて杉峠。と思って入口まで行くと通行止めの看板が! 残念。


仕方なく迂回しました。


このくらい上り下りが多いとへこたれてきそうですが、今日は新しいタイヤのおかげでテンションが上がり、まだまだ行けます。
でも牧馬峠はなんだかリカンベントよりもキツく感じました。いつの間にかリカンベントでの上りがパスハンターと大差無くなってきているのかも。

道志川を渡ってまた上り、宮ケ瀬ダムから下ってまたまた上り、志田峠へ。


ここの下りに少しだけダートが残っているんです。このくらい綺麗なダートなら細いタイヤでも問題ありませんが、太いタイヤなら更に楽しい。


そして更に上り返して最後は三増峠。三増側は荒廃して川床になっていました。林道との境目にある鉄パイプは相変わらず。


上の写真とは反対側へ下ります。伐採地がありました。林道として機能しているようです。


この林道も上質なフラットダートで気持ちいいです。勾配が少ないため水の浸食がないからです。

ゲートは自転車はなんとかすり抜けられます。林業者とのトラブルにならないよう日曜限定がいいでしょうね。それとこの林道は反対側にも長く続いていますが、出口のゲートには[自転車禁]とあったような。そのため向こう側へは40年前に行ったきりです。


07:28 出発
09:49 美女谷
10:47 林道ピーク
12:44 小渕峠
15:43 志田峠
16:16 三増峠
18:27 帰宅


今日のようなルートではパセラ26x1.25を選び舗装以外は我慢していました。しかし Naches Pass 28x1.8 なら舗装路もそれ以外も全て楽しかったです。

舗装路、シングルトラック、ダート林道、と走ってみた結果は、Rene Herse Cycles のワイドタイヤ革命は本当だと感じました。
舗装林道にある砂っぽい路肩のコーナーでも、太くて設置面積が多いことと柔らかいために危険を感じませんでした。
シングルトラックの山道でも、スリックタイヤで滑るような場面は僅かです。もちろんそのよう時でも細いタイヤよりグリップします。木の根の衝撃も少ない。
ダート林道では太いことで(路面から弱いサイドウォールまでの距離がある)石が当たりません。黒ゴムの保護層でまかない切れています。

グラベルロードが流行っているようですが、日本では走れるダートが僅かしかありません。ブロックパターンの重いタイヤを脱いで、軽量で柔らかいスリックタイヤに換えましょう! 舗装でもダートでも何も我慢することは無くなります。正しく All-road bike。世界のグラベルレーサーは Rene Herse Cycles のタイヤを選んでいますよ。

走ることが好きなランドナーの皆さん、愛車のホイールが650Bまたは700Cなら、グランボアのタイヤを試してみましょう(残念ながら650Aで気持ちよさそうなタイヤはありません)。今まで以上に走るのが好きになると思います。ランドナーが遅い、なんて覆しましょう!

自走で山へ行くMTBの皆さん、Rene Herse Cycles の All-road タイヤを使えばアプローチが楽しくなります。幅55mmもありますからMTBのスタイルをスポイルしません。たいていの山道でもスリックで問題ありません。ブロックパターンが真価を発揮するような走りはパークだけでしょうから。

パスハンターの皆さん、もう結構な歳になってきていますよね。危なげな道は押して下るようになってきたと思います。僕もそうです。スリックタイヤで問題ありません。そしてアプローチが楽しいです。

ロードバイク(非レーサー)の皆さん、記録よりもツーリングへと楽しみが移ったなら、次の自転車には今以上に太いタイヤが入るフレームにしましょう。そしてワイドタイヤを試してみませんか?