幅員5.5m未満をゆく

自転車とサイクリングの日記です。

幅員5.5m未満をゆく

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松姫峠

数年に一度の寒波という日曜、標高1,250mの松姫峠へ上ってきました。こんな日になんでわざわざ寒い所へ? と思うことでしょうけど、サイクリングは四季を楽しむもの、自然の移り変わりを楽しみたいという思いがあります。紅葉が終わって葉が落ちると峠の印象も明るいものへと変化します。山中の道や人がいない山里は寒くなると淋しさを感じますが、それがその土地の本来の姿かもしれません。

ルート 184.3km △2,839m
クリックするとRWGPSでZoomできるようになります。


気温が下がると酸素密度が高くなり風の抵抗が増えます。その影響かどうか分かりませんが冬は巡航速度が心持ち下がってしまいます。
そんな中、出だしでは何時もとは違うサイクリストの数でした。R246では出発の準備をしている目の前を数人のMTBが連なって走っていきます。数人ずつばらけた最後尾らしき一人を追従して観察すると、太いブロックタイヤはまぁいいとして、リアのディスクブレーキを避けるようにシートチューブが湾曲していました。左右非対称、最近ではこんなことになっているんですね。
町田付近では5人くらいのロードが交差点の対面で信号待ち。スタートして視線を送っていると女性がペコリ、僕もペコリ。反対方面ということは海方面を走るのでしょうか。

R16の拝島橋で大型トレーラーが巻き起こすスリップストリームを利用して高速走行していると、前タイヤの感触の変化に気が付きました。パンクです (-.-)
橋を渡り終えた信号手前ではタイヤがグスグスになるまで空気が減り、慌てて停車してリム打ちによるチューブ損傷を回避しました。
歩道へ上がってチューブ交換です。抜け方が急だったのでタイヤに異物が刺さっている確率が高いので目をやると、小さなアルミのリベットのようなものが刺さっていました。パンクの原因が直ぐに判明するとチューブ交換の時間も短くて済みます。

紐のハンドルロックを装着してリカンベントをひっくり返し、ホイールを外してチューブを交換しました。空気を充填するのが一番苦労しますね。昔は長いポンプでしたからポンピングの回数は少なくて済みましたが高圧にはできませんでした。今は逆に短いポンプで高圧にはなりますが、ポンピング回数が半端ないです。尚、高圧にするにはポンプを地面に押し付けられるタイプだと楽です。

20分くらいのロスで再スタートすると、風を感じるようになりました。西高東低の気圧配置で南西から吹き込む風です。新奥多摩街道では次第に風が強まり、今までに無く青梅までが長く感じました。パンクに加えて向かい風となって時間が気になります。

奥多摩までは多摩川右岸の吉野街道か、左岸の青梅街道かの選択肢があります。先日は吉野街道を走って途中から梅野木峠へ上ったので、今回は青梅街道にしました。こちらの方が冬だと日当たりが良いし、寒い季節はオートバイやマイカーも少ないですから。

案の定、車に嫌な思いをさせられずに道を占有する時間が長かったです。それに気分を良くして今回は「奥多摩むかしみち」を通らずにトンネルの多い車道を進みました。

奥多摩むかしみちが隣接する箇所、短いながらダート区間なのでロードの人達は敬遠しているのかもしれません。


12時20分に奥多摩湖に到着。パンクと向かい風とはいえ、出発から5時間も掛かってしまいました。


平地で強い風は山へ入ると弱くなるものですが、この日は逆でした。奥へ進むほどに強くなりゴーゴー唸りをあげています。トンネルは風洞実験室のようになり、湖面は波立っています。


松姫峠の入口まで、小菅の手前で鶴峠方面へ左折して向かうこともできますが、急坂なので今回は小菅経由にしました。でも時間はこちらの方が掛かってしまうようです。

時間は13時半。少し先の人のいない所で用を足し、手前の自販機で買ったお汁粉を飲んで小休止しました。


松姫峠への道は勾配は緩いので2速固定で上ります。じんわりじんわり。車もオートバイも入ってこないためか、二つある大きなヘアピンカーブまでが短く感じました。風は山の斜面に遮られて嘘のように静か。

脚には余裕がありますが懸念があります。パンクでチューブを使ってしまったので、峠を下るまでに再びパンクするとやっかいです。タイヤに刺さった異物を探すこととチューブにパッチを糊付けしなければなりません。風を防いで更に日差しを確保しないといけません。更に下りの途中で通行困難になった場合には上り返す体力。
そんなこを考えつつ散乱している杉の枝葉を避けながら進んでいると、ハイカーが一人下ってきました。お互いにちょっとびっくり。小菅まで歩いたとしてバスはあるのでしょうか。

その後も順調なペースで上りますが次第に脚の裏が冷たくなって感覚が薄れてきました。リカンベントでは爪先ではなく足裏全体が冷たくなります。ここ数年あまり寒く無かったのでシューズカバーを使う機会がありませんでしたが、もってくればよかったなぁ…

NCTCの方々とお会いしたカーブを過ぎると峠は目前ですが、最後のカーブ手前は案の定カチンコチンなスケートリンク状態になっていました。気温は-5℃くらいでしょうか。


松姫峠に到着。出だしの小休止とカチンコチンの通過を除くと入口から50分前後、いつものペースでした。


いつものように道幅の割に静かな峠です。大きな峰の弛みなので強風を予想していましたが、相に反して風が弱く助かりました。
今回は富士山が綺麗に見えました。山頂から流れる雲を見ると相当強い風が吹いていることでしょう。


標高1,250m。寒い。


冬は寒いですが空気が澄んでいるので眺めはいいです。他の季節ではここまではっきり稜線が見えることはありません。


いつもなら日当たりのいいこの場所で一休みするところですが、時間が押しているし風もあるので早々に下りにかかります。


上の写真の場所から眺めた道が、ここ。壁のような斜面に道が幾重にもついています。これを何度も見ているので、こちら側から上ったことはありません (^^;


車が通らない道はこのように枝や葉っぱ、小石が散乱しています。パンクを警戒して慎重に下りました。


無事に国道のトンネル出口に合流。調理パンを食べて小休止しました。大きな峠を越えた達成感、というか自己満足です。

さて、ここまではゆっくりと下ってきましたが、猿橋までの下りはスピードが上がるので寒さとの闘いになります。上は化繊の下着と厚手の中間着にウィンドブレーカー、下は化繊の下着と中厚手ニッカーホースにニッカー。手袋は厚手モコモコ。
首元のジッパーを閉めて下りに掛かりました。さみー (>_<)

日差しを期待しましたが、既に3時半を回っているので山の影になってしまいました。手足は大丈夫でしたが顔が冷たい。次第に硬直して動かなくなってきて表情が上手くつくれません。ミラーで顔を見ると酷い様相です。
そんな状態で下降していると対向にロードバイクのサイクリスト。道が悪かったので手を上げる余裕はありませんでしたがお互いに視線を合わせました。この時間から松姫トンネルを抜けるとすると、下りは暗くなって奥多摩に17時くらいのはず。やるなぁ。

民家が多くなって自販機で暖かいものを飲もうと探しますが、あっても日陰ばかり。ようやく見つけたハッピードリンクショップで暖を取りました。暖かい缶を顔や膝へ当てました。
パスハンターの時はここまで下ってくると脚の疲労を感じて辛かったんですが、リカンベントではまだまだ元気。これがリカンベントの良いところです。

冷え切った膝には力が入らないので暖機走行して少しずつ速度を上げて帰途につきました。行きに辛かった向かい風は追い風に代わり下り基調のR20を快走。藤野のコンビニで休憩して店から出ると一気に暗く感じました。前回トイレ休憩が頻繁だったわりに今回はそれほどでもなく、その後は小山コンビニに寄ったのみで帰宅しました。


07:24 出発
12:20 小河内ダム
13:31 松姫峠入口
14:30 松姫峠
19:20 帰宅