レーサーではない普通の自転車乗りにとって時速30kmは一つの基準と言ってよいでしょう。平地での巡航速度の目安として、そこそこの脚力として、きりのいい数字としてサイコンの数字を見ていると思います。
先日、通勤でラジオを聴いていたら「ゾーン30」なる活動が取り上げられていました。
ゾーン30とは? | 警視庁
https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kotsu/doro/zone30/about_zone30.html
生活道路の中では時速30kmで走りましょう、という活動みたいです。専門家の調査では、時速30kmを境に交通事故による被害が大小に分かれるとのこと。
この取り組みは大賛成です。車の速度が低くなることは自転車乗りにとっても居心地がいい道路と言えますからね。
ラジオでは法として取り締まるだけではなく、自動車やオートバイの構造的にも抑制するべきという意見もありました。エンジンパワーの上限として制限するのは現実的ではありませんが、走る場所に応じてエンジンパワーを抑える技術ということです。GPSで制限された地域に入ったことを検知させて自動的に速度が抑制される。現代において難しいことではありません。一般道と高速道路の区分けもできるでしょうね。
ラジオを聴きながら納得した気持ちに反して、先日のことを思い出しました。それは渋滞の高速道路を降りて山道を抜けて市街地へ出てきた時のこと、3台前の車が妙に遅かったんです。後続車のイライラが見てとれます。同様に僕もイライラ。せっかく渋滞を脱して空いている道なのに、なんだよコイツはぁ。おせーぞー。
でもメーターを見ると制限速度なんです … 反省 …
想像してみましょう。
車とオートバイが、高速道路を除く全ての一般道で構造的に時速30kmしか出なくなったら。
車のエンジンが小さくなる
排気ガスが少なくなる
電気自動車ならバッテリーが小さくなる(バッテリーの資源は不足しています)
燃費が良くなる
追い抜き、追い越しが無くなる
自転車も車に追い越されなくなる(道路の中央を走れるかも)
交通事故が少なくなる
道路が傷まない
タイヤの摩耗が減る
移動時間が多くなる
物流に時間が掛かる
車の魅力がなくなる
車が売れなくなる
経済が悪くなる
結局、高出力の車やオートバイは、安全や環境を犠牲にして経済と私欲を優先しているんですよね。
自転車で走っていて時速30km以上のスピードは魅力的です。でも車も時速30kmなら自転車も時速30kmで我慢します。代わりに車の追い抜きの脅威が無くなりますからね。できるかな… 平地は我慢できても、下りは無理かな…