幅員5.5m未満をゆく

自転車とサイクリングの日記です。

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革編上げハンドルへの憧れ

僕の自転車趣味は小学生の頃からでしたが、高学年になるとロードレーサーへの憧れが強まっていました。最初に目にしたロードレーサーは、父が買ってくれたムック本の写真でした。薄いオレンジで斜め前方から撮られたロードレーサーのページを、暇があれば何度も何度も眺めたもです。メーカーは何だったんだろう。

もちろん小学生の分際でロードーレーサーに乗れるわけはありませんし、身長もクラスで前から2~3番目、時には一番前という小ささでしたから、本当に憧れでしかありませんでした。
自転車遊びは日常でしたが、土曜になると従弟と一緒に祖母の家へ泊まりがけサイクリングへ行くことが多くなっていました。中学生になったある日、その従弟がロードマン(当時の黄緑のやつです)に乗って僕の家へ遊びに来たんです。今思えばロードレーサーとは言えない自転車ですが、その時の僕には初めて間近に見るロードレーサー風の自転車だったわけです。

僕もロードレーサーが欲しい。その思いが強烈に膨らんで行きました。

中学生になっても身長は伸びず、130cm台だったと思います(高校入学時が136cmでした)。そんな僕でも乗れるのか… 身長もさることながら買える小遣いだってありません。
目的があれば節約は得意でしたのでなんとか4万円を貯めることができ、サイスポの「売ります買います」コーナーで見つけたNationalラ・スコルサのロードレーサーを手に入れることが出来ました。

しかし、チビの僕では憧れのロードレーサーには程遠く、サドル下のシートピラーは僅かしか見えません。それでも高校生になると徐々に慎重が伸び始め160cmくらいにはなっていたと思います。アルバイトで6万円を稼いで鵠沼の秋山サイクルでZUNOWのフレームを買いました。

この頃の憧れは薄オレンジのロードレーサーから、サイスポに乗っていたEVERESTのロードレーサーになっていました。高くせり上がったサドルと、黒光りしたハンドル。

「なんだこのハンドルは… つるんとしててバーテープじゃないぞ」

そう、一枚革で編上げられていたんです。カッコイイー。

猛烈に欲しくなりましたが、値段は高いし、自分で編むにはハードルが高過ぎました。だいたい、ブレーキレバーの付近はどうするのか見当もつきませんでした。

それに身長160cm程度では格好いいロードレーサーにはなりません。サドルは低いし、ステムは短いし。ハンドルはリーチが短い人の定番チネリ#64ジロデイタリア。シートピラーは少しでも長く見せられるように、二本締めではなく一本締めのデュラエース

色々工夫しましたが現実は容赦ありませんでした。今でこそ身長は168cmになりましたが、175cmくらいないとロードレーサーを手にして喜べるものではないと思い至りました。

前置きが凄く長くなってしまってスミマセン。

そんな かつての憧れの一つだった革の編上げ。ドロップバーは使っていないのでリカンベントのハンドルに付けることにしました。
以前、ハンドルグリップが加水分解でベトベトになったことを書きました。するとtaboomさんから「3M スコッチ・ブライト シャープシューター」で解決できますよ。とアドバイスをいただき、その時はそちらへ気持ちが向いたんですが、結局憧れの革編みをやってみることにしました。

握り部分とバーエンドとの厚みの差が2mmほどあったので、ホームセンターで探して丁度いい2mm厚の革を見つけて買ってきました。税込み1,078円。写真は裏側です。


握り部分に当てがって採寸して革を切り、専用の穴あけ工具で糸を通すステッチを入れました。


憧れの編み編み。

緩いとスカスカになってズレたりしますので、合わせは短めにしておいて、編んで締めていきます。
革は湿ると伸び、乾くと縮みますので、短めに裁断して濡らして縫いました。

完成! 我ながらいい塩梅で編み上がりました。

この模様、しびれます。ちなみにこの編み方はベースボールステッチと言うんだそうです。確かに硬球の合わせ目はこんなんでしたね。

バーエンドとのフィットもバッチリ。


左装着。


右装着。


ドロップバーを編上げるのは今でもハードルは高いですが、一直線のバーなら思ったほど難しくありませんでした。満足度120%♪