幅員5.5m未満をゆく

自転車とサイクリングの日記です。

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R299を避けながら正丸峠

飯能から秩父へ抜ける道にある正丸峠は古くからサイクリストが越えてきました。しかしながら、ここへ至るR299は自転車にとってとても走り難い道として有名です。その理由はコーナー毎に設けられたセンターポールによって、車が自転車を追い越せないためです。車同士の正面衝突を避けるために仕方がないのかもしれませんが。

自転車で走っていて車から追い越される時のストレスはとても嫌なのもです。横をどれくらいの距離で、どれくらいのスピード差で追い越していくのか。一台毎に気にしますよね。リカンベントになって今までより横の距離をとってくれる人が多くなったと感じていますが、それでも中にはギリギリ40cmくらいを抜かしていくこともあります。

そんなストレスがあるR299をなるべく走らないように正丸峠へ向かいました。

ルート 161.1km △2,398m
クリックするとRWGPSでZoomできるようになります。


今年の冬は寒いです。去年は使うことが無かった厚手もこもこのグローブで対応します。風を通しそうに見えますが、自転車用なのでちゃんと考慮しています(OGK KABUTO KG-10W)。廃盤ですがまだ入手できるようです。


身体が温まるまではゆっくり暖機運転しますが、どうもおかしい。町田を過ぎてもスピードが上がりません。風も殆どないのに10%ほどの出力不足です。
気温が下がると酸素濃度が増すので空気抵抗も増えますが、それだけでこんなに出力が下がるとは考えにくいです。八王子の境目にある御殿峠を上る速度もマイナス10%でした。寒すぎると筋力のパフォーマンスも落ちるのでしょうか。

この方面へ行く時はR16の横田基地の横を通ってから岩蔵街道を走ることが殆どですが、今回は趣向を変えて青梅から厚沢通りで向かいました。


ここは雰囲気のよい集落でお気に入りなんですが、いつも帰途の夕方なので逆からも走って見たかったんです。すっかり冬枯れした雑木林の落ち葉を見ながら進んで行きます。


緩く下っているのであっという間に過ぎてしまうのが惜しくて、凍った川を眺めるのに立ち止まりました。


氷の下を僅かに水が流れています。栗くらいの石を落とすと「ぽこん」という音がして穴が開きました。暑さは5mmくらいでしょうか。


岩蔵街道を横切ると日影林通りです。定点観測の石碑。


お、今日は紙垂(しで)はありませんでした。亀頭に縄を掛けられるとなんだか下半身がむずむずしますからね。


冬は発情しないようです (^^;


先日買ったフリースっぽいのを着てきましたが、襟が首に刺さって気になります。

製品を綺麗に見せるようにたたんで包装しているのでしょうが、この折り目は着た時には綺麗に見えません。そして顎を引くと首に刺さる。なんとかせねば。

丘陵地帯の小さなアップダウンを進み東吾野へ抜けます。東峠という小粒の峠。このあたりから奥武蔵っぽい杉林になってしまいます。



東吾野駅の間近まで下って林道平板飛村線に入ります。この林道、先にある吾野駅から上がってきたことはありますが、この区間は初めてです。山筋を等高線に沿って続いていますが、小さな尾根と沢との繰り返しは、小さなアップダウンでもあります。

フリースっぽい新しい中着の具合を確かめるべくウィンドブレーカーを脱ぎました。すると腕はスース―するものの身体はそれほど寒くありません。下っても大丈夫。
袖口が明いているので風が前から侵入してくるからスース―するのしょう。袖も短いのでやはり改良が必要です。袖回りは細くするのではなくスナップボタンで開け閉めするのがいいかもしれません。

岩陰に石碑がありました。近くに集落が無いのに新しい紙垂(しで)で飾られています。石積みも手入れされているようですね。


単調な林道でアップダウンを繰り返していたら後輪に違和感。パンクです (>_<)
運よく近くに日向があったのでそこでチューブを交換しました。後輪だと倒立させなくて済むので楽です。
先日交換した時にまぶしたベビーパウダーはちゃんと機能していて、チューブとタイヤが貼り付くことを防いでいました。よしよし。
空気を入れるとポンピングの割に膨らみません。耳を澄ますと微かな音がして直ぐに穴が見つかりました。チューブをタイヤに当てがってメガネを外して(老眼です)その位置を注意深く見ると、ありました。小さなガラス片です。
植物のトゲや針状の物が刺さっていた場合は取り除くのが難しいので毛抜きを携行しています。ガラス片はタイヤを湾曲させることで摘まんで取れました。


10%の出力不足のため進行が遅く、ここで既にお昼になってしまいました。静かな日溜まりだったので、ここで昼食をとります。
今回のコースでは食事をするお店がありませんのでコンロ持参です。冬はオニギリのご飯がぱさぱさになってしまいますから、お店が無い場合はコンロで暖かい物を食べたいです。
今日はもつ煮にオニギリ投入。汁が少ないので水を足しました。おじやっぽくなって美味しかったです。
前回忘れた箸はリカンベントのシート下バッグに入れてあるのでちゃんとあります (^^;


杉林の陰湿な林道を途中で離脱して吾野へ下ります。ここでR299に出ますが旧道なので良しとします。


バイパス道やトンネルが出来たことで旧道は気持ちよく走れます。


2kmほどで旧道は終わり、仕方なくR299を走ることになります。ここは別に道がないのでどうしようもありません。パスハンターなら古道ルートがあるんですが。

R299本道はやはりセンターポールが立っていました。道幅が広いカーブには無いんですが、狭いカーブには抜かりなく設置されています。でも田舎の昼時とコロナ禍で交通量が少なくてそれ程ストレスは感じませんでした。

西吾野でR299と別れます。目の前を田舎の雰囲気に似合わないUFOっぽい質感の列車が通過していきました。


北川に沿って点在する集落を眺めながら遡ります。道端に放置されたままの柿がありました。日差しが透けて見えます。


う~む。中身は液体になっているのか?  興味が湧いてきました。幸い手が届く所にあります。


結果、限りなく液体に近い果肉になっていました (^^;
植物って不思議ですね、木になっている間は腐らないんですから。


北川の最奥にある岩井沢の少し手前から林道へ入ります。北川正丸線。
岩井沢は以前は秋によく来ていました。最初にぶな峠から下ってきた時に立ち寄った岩井沢観音堂にあるイチョウの大木が見事だったんです。その後数年通いましたが、次第に葉付きに元気が無くなってきたように見え、以降は行っていません。あのイチョウはまだあるのかな? など思いを巡らせました(写真の右上にありました。健在のようです)。


さっきの林道あたりから腿の表側の筋肉の疲労感が増してきました。パスハンターでは良くありましたが、リカンベントではこの筋肉はあまり痛まないことが多いんです。
ここが痛くなりだすと走りに大きく影響してきます。どうしたものか、思案した結果、ペダリング前半で力を入れ過ぎないようにしました。後半メインで膝を伸ばして踵を前方へ蹴る意識。

林道は出だしがかなりキツい勾配で嫌な印象でしたが、今回はそれほどでもありませんでした。キツいにはキツいですが。
膝伸ばし踵蹴りペダリングは上りで効果があったようで、腿表面の疲労は次第に和らいで行きました。

一山超えて再びR299に出ますが、ここから正丸トンネルまでは数百メートルで、直ぐに旧道へ入れます。


正丸峠までの道は勾配が緩いのと、所々杉の植林が無くなって雑木林があるので好きな道です。幾つかニセ峠があるんですけどね。
14時を過ぎると徐々に夕暮れが近づいてきています。冬至を過ぎで日が長くなってはきていますが、まだまだ真冬です。
途中トレーニングなロードが抜かしていきました。
「こんにちは~、珍しい、リカンベントだ」


奥村茶屋は健在で、この日も営業していました。お客さんはいませんでしたが。
この時間の峠はハイカーもまばらで車も1~2台。オートバイが後から数台上がってきた所で早々に下り始めました。


山伏峠は正丸峠とセットな印象ですが、その佇まいは雲泥の差ですね。素通りしようと思いましたが下り始める前にウィンドブレーカーの手首を閉じました。その時に上ってきた車のドライバーがわざわざ窓を開けて教えてくれました。
「そこ凍ってますよ~」
『ありがとうございま~す』

アイスバーンは崖から染み出る水で出来たもので道を横断していました。大丈夫そうな所をスーっと通過。
ここの下りは幅が広くて豪快な所と、狭くて危なっかしいところが交じります。急斜面の民家と眺望はいつも止まって撮影するポイント。


杉林の左急カーブを過ぎたところ、オートバイが転倒しているのに出くわしました。
『手伝いますよ~』

後輪がガードレール下へ入ってしまって一人では立てられない様子でした。僕がハンドルを手前に引きつつ、先方のお兄さんが後輪を引っ張る感じで脱出させました。
単独コケだったそうです。怪我は無いようでしたが、右側のポン付サイレンサーが取れていました。エキパイの口が楕円になってしまってサイレンサーが刺さらない。エンジンを掛けてみるとアイドリングでも結構な音です。僕がモンキーで挟んで曲げようとするも小さくてダメ。お兄さんがプライヤーを出して10分くらい格闘してなんとか取り付けることができました。
他の部位ではウィンカーは点くけどブレーキランプが点きませんが、まぁ、なんとか帰れるでしょう。途中、車の人も応援にかけつけてくれたため、僕はサイレンサーが付いたところでお先に下り始めました。

下って名栗に入ると気温がぐんと下がった感じ。とんでもなく寒いです。久しぶりに顔が痛くなる寒さ。この寒さの中でトラブって立ちすくんだらヤバそう。というかオートバイの人達って身体動かさないのに寒くないのかなぁ?  そういう自分も若い頃は乗っていましたけど。


バスを待つハイカーも寒かったでしょうね。


駄菓子屋の自販機で暖かいコーヒーを買って、持っていた菓子パンを食べました。食べるだけで身体の中からも温まりますからね。


太腿の表の痛みというか疲労はだいぶ良くなりましたが、全体的な脚の疲労感はいつもよりあります。小沢峠はいつも2速のところを1速でした。
青梅以降の平地は復活してきましたが、町田街道へ入って後半は疲労がピークになりました。リカンベントになってから最も疲れた日だったかもしれません。
やっぱり寒さは筋力パフォーマンスが落ちるのかな…


07:29 出発
10:25 日影林通り
11:22 東峠
13:28 西吾野
14:47 正丸峠
15:46 名栗
19:15 帰宅