幅員5.5m未満をゆく

自転車とサイクリングの日記です。

幅員5.5m未満をゆく

記事の検索  | 最近のコメント  | この記事のコメント 
記事の一覧  | カテゴリー  | 月別アーカイブ  | 過去記事一覧 |  

リカの噂4:下りが苦手(怖そう) →No

リカンベントって下りは怖くないんですか?」と良く聞かれます。
でも、これは声を大きくして叫びたいくらいに No です。下りこそリカンベントが最も楽しい場面です。

下りが苦手そう(怖そう)だという意見は、見慣れないものに対する気持ちの表れに過ぎません。例えば、滑り台をうつ伏せで頭を下にして滑り降りるのと、仰向けで足を下にして滑り降りるのと、どちらが怖いですか? 言わずもがなですね。

滑り台が氷に変わると、前者をスケルトン、後者がリュージュとなります。どちらをやってみたいですか? もちろんどちらも怖くて素人には出来ませんが (^^;
でも、何かあった時のことを考えると頭は下じゃない方が良さそう。


ただ、人は仰向けだと不安を感じ、うつ伏せだと安心する。という性質があります。人によってはスケルトンの方が怖くないと言うかもしれません。

こちらの動画では少しのミスで谷底に落ちかねない道で、しかも路面は砂も浮いていそう。そんな状況でもガンガン下っています。

youtu.be


下りは直線だけではなくコーナーもあります。リカンベントコーナリングはどうか。
これは正直なところ、普通の自転車ほど狙った通りラインをトレースすることは難しいです。理由は背中がシートで固定されているためです。

直進ではハンドル操作でバランス修正をすることは簡単なことですが、コーナリング中はハンドル操作はスリップに繋がりますのであまり行いません。上体や足の荷重加減でコントロールするものです。
リカンベントでは上体でコントロールできませんので、コーナ―の入口で予め予測した傾斜角に倒して進んでい行きます。

それでも道幅が広く路面状況の良い下りコーナーは気持ちいいです。低い姿勢なので恐怖感はありませんし、車体を傾けると地面がどんどん近づいてきます。転ぶことへの恐怖は普通の自転車ほどありません。


下りではもう一つ懸念要素があります。それはブレーキングです。
リカンベントは急ブレーキで前へ投げ出されるのでは? 答えは No です。

普通の自転車や前傾姿勢のきついドロップハンドルの場合、急ブレーキを掛けると前方宙返りしてしまいます。これはブレーキングによって重心が前へ移り、前輪の接地面を越えてしまうからです。腰が高く手が前にあるからこうなります。手は衝撃を吸収できるほど強くありませんし頭も危険になります。

「急ブレーキを掛ける時に腰を後ろへ引けば大丈夫」と良く聞きますが、急ブレーキというのは意図しない時に掛けるものです。腰を後ろへ引いている暇はありません。これはドロップハンドルに限らずオールランダーバー(フラットバー)でも同様です。
普段から危険を予測して慎重に走るのは言うまでもありません。

リカンベントは重心が低いので急ブレーキを掛けても前方宙返りは起こり難いです(もちろんシチュエーションにもよります)。僕の場合、勾配20%くらいの下りで時速20kmで急ブレーキを掛けた時に、後輪が僅かに浮く程度でした。

普通の自転車では平地でもブレーキを掛けると手に過重が掛かりますが、リカンベントでは足や手に過重は掛かりません。過重ポイントは座っているお尻のままです。そのため前方宙返りは起こり難いというわけです。

シートにもたれて視界良好、いつでもブレーキングできるリラックスポジション、コーナ―で傾けても恐怖心がない低い重心、下りはリカンベントにとって最高のご褒美なんです。