幅員5.5m未満をゆく

自転車とサイクリングの日記です。

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リカの噂1:坂が上れない(遅い) →No

リカンベントは平地は速いけれど坂が上れない(遅い)、という意見を耳にします。ここには多少の嫉妬が含まれていると感じます。それは平地のスピードではリカンベントに絶対的な優位性があることを、殆どの人が知っていて認めているからです。
「平地は負けるけど、坂は勝てるよ」と言うことで、トータルで負けではなく対等もしくは優位に立とうとしていますね。あわよくば平地でも勝ってやるぞと、よくロードバイクに挑まれます (^^;

では本当にリカンベントは坂が上れない(遅い)のでしょうか。
応えは No です。

検証を行ったサイトがありますので紹介します。

EFFICIENZA AERODINAMICA DELLE BICICLETTE RECLINATE – TEST COMPARATIVI IN SALITA
https://besport.org/sportmedicina/efficienza-aerodinamica-delle-biciclette-reclinate-test-comparativi-in-salita.htm

Google翻訳:リクライニングされた自転車の空気力学効率-クライミングの比較テスト
https://translate.google.com/translate?sl=it&tl=ja&u=https://besport.org/sportmedicina/efficienza-aerodinamica-delle-biciclette-reclinate-test-comparativi-in-salita.htm


上記サイトでは一人の人が同じ重量(人+自転車=76kg)のロードバイクリカンベントで比較しています。パワータップをインストールしたホイールも共用しています。
数種類の勾配のコースを同じ速度で数回走り、その時の出力(ワット数)を調べた結果、殆どのコースでリカンベントの方が優位になりました。
ただし、検証ではロードバイクで立ち漕ぎはしていないようです。

この情報を得るまで、僕のリカンベントが上りで遅いのは重さだけが要因ではないと思ってきました(僕のリカンベントはアクセサリー無しで14.5kgあります)。なぜならサイドバッグを装備したツーリストに峠道で抜かれたことがあったからです。でもこの記事で少なからず背中を押された気持ちです。

現時点で僕はリカンベントに乗り始めて2年8ヶ月が経過しています。その間のサイクリングは峠を含むサイクリングの方が多い(7割くらい)ですし、獲得標高2,400m超、走行距離150km超という場合も多く含まれています。


僕は細い山道が好きなので上り坂の勾配が15%を超えることは日常的です。東京近郊では和田峠や風張林道(奥多摩周遊道路ではありません)といった急勾配で知られた峠道も上っています(後に子ノ権現の激坂も上れました)。もちろん、僕以外のベントライダー(リカンベント乗りのこと)にはもっと強者もいます。

要するに上りが遅いのは自転車の重量の差と、体力の差、ということです。

一般的にみて平地を走る人の方が多いのは、ロードバイカーもベントライダーも一緒です。
多数意見として平地好きな(上りが苦手な)ベントライダーの話しが伝言ゲームによって「リカンベントは坂が上れない(遅い)」という噂に繋がったのでしょう。

ブログというのは言わずもがな個人が自由に発信するものです。ただ全世界の人が見ます(見れます)ので信頼性が低いことは慎むべきです。それを見た人が安易に信じて拡散することで、世界中に間違った認識が広まることに繋がりますからね。
自転車の場合、乗ったこともないのに評価を書いたり、使ったこともないパーツを評価しているブログやホームページを見かけることがあります。「乗ったことあるよ」とは言っても、ちょいと乗っただけで評価できるほど自転車は単純な乗り物ではありませんよね。書いている人が自分の経験として書いているのか、浅い体験と聞きかじりで書いているのか、よく見極める必要があります。

リカの噂シリーズとして何回かに分けて書いてみようと思います。