パスハンティングでは趣のある峠を目指しますが、今回の主役は集落です。
高台の集落では隣の集落まで山道が続いていることが多く、高台ゆえにその山道は標高差が少ないです。
山道を登るよりも集落内の道を歩く方が楽ですし、隣までの距離も短くなりますからね。荷物を背負っていたお馬にも優しい道と言えます。
毎回新緑の季節に訪れる和見集落。今回は逆コースで巡りました。
ルート
https://yahoo.jp/xImdbw
三ケ木の上りはいつものように立ち漕ぎでグイグイ上って調子を確認します。
すると後方からロードが追いつき声を掛けてきました。
経「シングルですか、凄いですねー」
僕「いえいえ、内装なんですよ。音が無くて静かで気持ちいいですよー」」
息切れせずに受け答えできたので、今日の調子は上々 (^^)
どうしてもリカンベントと比べてしまいますが、立ち漕ぎは前傾自転車の“伝家の宝刀”だと思います。
ただし、長い上りや先を急がないツーリングでは立ち漕ぎはしませんけどね。
だから僕のサイクリングでは一日で時間を比べるとどちらも大差ありません。
三週連続して上野原界隈を走っていますので、R20の藤野を避けて右岸の日連へ渡りました。
この日は終日に渡ってサイクリストが多く、経験者が若者数名を連れて走っているグループがたくさんいました。何かのイベントだったのでしょうか。
R20で上野原まで向かった方が、時間も上りも少なくて済みますが、右岸の方が気持ちいい。
車は少ないし農村風景と新緑の中を走る道は、アップダウンが多くてもいいんです。
上野原への上りも、関所跡の九十九折をのんびり進みます。
鶴川宿を抜けて桑久保に到着。ここから山への上りが始まります。
ここにはサイクリストにはお馴染み(?)のTOEI工場があります。
行った際には見逃さずにチェックしましょう (^^;
急カーブを右左に曲がると日当たりの良い南斜面に集落が広がります。
ここにはパラグライダーの基地があり、着陸点にもなっています。
郵便配達のオートバイが止まって何やら眺めています。
その場まで行ってみると、なんとパラグライダーが電線に引っかかっているではありませんか。これは大変です。
ライダーは幸いにも電柱に逃れていますが、いつ感電してもおかしくない状況。
ライダーは不安定な格好でなんとか留まっている感じでした。
レスキューは呼んだのでしょうか。見たところ当事者だけでなんとかしようとしているようでしたが。
僕が何かをできる訳でもないので先へ進みます。
ここから和見へ抜けるには写真正面の弛みを乗っ越えます。和見峠。
集落の上部からは眺めがよく、西丹沢方面の山には雪が見えました。
前日の雨が山では雪だったのでしょう。今日も思ったほど気温が上がらずひんやりした空気です。
最初に来た時は林道がまだ途中までしか無く、古道を上り詰めました。林道で寸断されてはいますが、はっきりした道が残っていますので下る場合には走ってみるとよいでしょう。
途中で道が分岐しますが作業道っぽい方へ進みます。頑張って乗ってきましたが、ここからは押して上ります。
そしてほどなく和見峠。
古道を登ってきた時には右側の林道は無かったので、峠の形ははっきりしたものではありませんでした。
ここからは等高線に沿って進みます。
植林帯の暗い道ですが、時折明るい場所もあります。
以前は廃道寸前の様子でしたが数年前に作業道が通ってしまいました。
使われた様子は一度もありませんでしたが、今回は途中に倒木があって、これを取り除く作業の為に重機が入ったようでした。
おかげでたくさんあった落石が砕かれて自転車で走れるようになっていました。
植林の向こうが明るくなると和見はもうすぐです。
沢を渡った所で獣の骨が落ちていました。鹿の大腿骨でしょうか。角でなくて残念 (^^;
民家の脇を抜けて和見に到着。
この近辺、どちらから来るにしても見つけ難い道です。分からない時は住民を見つけて聞いてみるのが一番。
車道に出て直ぐにカーブミラーの所を左折します。
畑の間の道を進むといつものロケーションに到着。何度眺めてもいい。僕にとっての桃源郷です。
ちょうどお昼どき、今日はここで昼食にしました。
小一時間のんびりして出発。再び暗い植林帯を行きます。
かつて使われていただろう炭焼き釜がいくつかあります。ぽっかり開いた穴はちょっと不気味。
二つの石碑を見ながら進み、御林峠に到着。
以前の朽ちた道標はもう土に帰ってしまいました。そして新しい道標。
でも、石の道標が一番です。最初の手間と労力は大変でしょうけど。
続いて墓村(はがむら)へ向かいます。
小さな沢の水場からはカエルの鳴き声が聞こえます。グゲッグゲッ。
明るい斜面はお気に入りの場所。
でも、とうせんぼで気分ぶち壊し。
道標が設置されたので、まぁいいか、と一瞬思いましたが、やっぱり嫌な気分です。
トレランのコース整備で道が補修されるのは良いと思いますが、これはダメでしょう。一歩譲ってレース当日だけにすべきです。
トレランがどのような競技か知りませんが、山をフィールドにするということは、山の知識を持ってしかるべき。地形を熟知してコースを読むこと、セルフレスキューの装備、自然を壊さない。こういったことは必須なはずです。これらをお膳立てしてもらって走るだけにするのなら、山ではなく専用施設の中で走りなさい。MTBコースのように。
再び暗い道になり九十九折を下ると墓村です。
ここは急坂の上の小さな集落です。一軒また一軒と、廃屋が増えていくのが寂しいです。
麓の用竹までは春の花を楽しみましょう。ちょっと目に痛い色彩ではありますが。
棡原まで一旦下り、再び上ります。
ゴルフ場がいくつか点在しますが、意識から消して景色を楽しみます (^^;
ゴルフというスポーツ自体は好きなんですけどね、小学生の頃に遊んでいましたから。先日のタイガーウッズの復活優勝は喜びました。
後半のコース
上り詰めた集落は小伏。
ここも明るい斜面に広がる集落です。下のトンネルができる前は、ここを越えて物資を運んだと、ここの家の人が以前言っていました。
ここからは道が広くなりますが、車が入ってくるほどではありません。
オートバイライダーが何人か、といった感じです。
井戸のビーグル犬に挨拶します。
犬は匂いで判断しますので、触る前には手の匂いをよく嗅がせてあげます。
僕のことを覚えているかどうかは分かりませんが。
視界が広がり、さっきいた墓村が小さく見えます。
ピークには富士急バスが休んでいました。ここが終点。
しばらくして定刻になったのか下っていきました。
こういうのを見ると、バスの運転手の仕事もいいなって思います (^^)
御林峠の石の道標には到底適いませんが、味のある道標を確認して帰途につきました。
行きに好調を確認し、山中でも疲労は殆どなかったはずなのに、帰途で脚が動かなくなりました。
向かい風が強くなったというのがあるにしても、先週の松姫峠の帰途の倍以上の疲労感。
下へ蹴るペダリングだと乳酸が溜まり易いのかなぁ。
その他の写真
https://photos.app.goo.gl/i87BESGfJo89hgBcA
走行距離 119km
07:02 出発
10:55 桑久保
12:00 和見
14:11 墓村
15:10 小伏
15:40 井戸
18:48 帰宅