日本の里山風景と雪をまとった北アルプス。
計算して作ったものではなく、月日と生活の中で出来上がった、集落と道と景色の絶妙なバランス。
個々の静止画ではなく、自転車で巡り、流れてゆく風景と、様々なものとの出会い。
日本の美の中には、計算し、管理し、それを見せるという文化もあります。
与えられたものを見にゆくのではなく、探しにゆく。それがサイクルツーリングの楽しさではないでしょうか。
ゴールデンウィーク二日目は、去年これ以上はないと思った絶景の表立屋集落から、中条の山村集落を巡るツーリングです。
今回のロケーションは最高でしたが、春の天気は変わりやすく絶好は長くは続きません。
綺麗な青空を想像して写真を見てください。
土尻川沿いの県道31号から表立屋への細い道へ入ると、対岸の集落の背後に北アルプスが覗き始めます。
あいにく天気は下り坂なので空はうっすらと雲が出始めました。
去年は山の反対側から尾根を乗っ越して表立屋の絶景ポイントへ着ましたが、今回は表立屋の集落側から上りつめます。
朝の集落はひっそりしていて人の気配はまだありません。
今回は既に葉桜となった桜の木を回り込むと北アルプスが大きく聳えてきました。
二度目ということと、この空では感動は薄れますが、それでもこの景色は一級でしょう。
ここからは細道を縫って尾根筋を巡り、土尻川が犀川へぶつかるところまで下っていきます。
北アルプスだけでなく反対側も山並みが遠くまで続き、新緑が眩しいです。景観を損ねる送電線が無いのも特質でしょう。
集落間にはアップダウンがありますが、総じて短いので急坂でも大したことはありません。
思っていた以上に各所から北アルプスが見えました。その度に脚を止めて撮影会 (^^;
集落は入り組んでいて辻がたくさんありますが、道標がしっかりしていますので、地形図と合わせれば間違えることはないでしょう。
犀川へ下りたところで調べておいたラーメン屋へ入りました。
昼を過ぎると気温が高くなり、増量した身体で苦しさ倍増。汗だくで急登です。
麻庭集落に着くと、九十九折をつっきるように集落内に道があったので、これを上ることにしました。
ここからは等高線に沿った集落巡りです。
午後の日差しと薄雲ですが、北アルプスが頻繁に顔を覗かせます。
この地域に住む人達は、毎日のように北アルプスを眺めて暮らしているんですね。
便利とは言えない場所ですが、絶景のご褒美というわけです。
最後の小さな集落を後にすると、大展望の小川アルプスラインへぶつかります。
豪快な下りをわき目しながら下り、一日の工程を思い浮かべながらデポ地へと戻りました。
このコースは峠と名のつく所はありませんが、点在する集落の合間から見える北アルプスがアクセントとなり、満足できるサイクリングとなりました。
その他の写真
https://photos.app.goo.gl/THioDDNZE2qhuk3P2
走行距離 67km
07:37 出発
08:50 表立屋
12:15 犀川(昼食)
13:36 麻庭
16:51 アルペンドーム
17:36 帰着