幅員5.5m未満をゆく

自転車とサイクリングの日記です。

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性能と機能と好き嫌い

機械物はなんでもそうですが、目的を達成するために作られています。
性能を満たす為に機能があります。
例えばスピードをコントロールする(性能)為にブレーキ(機能)がある、という具合。

競技では勝つことが最優先されますので、性能ありき。
趣味の自転車では好き嫌いが加味されますので、機能は備わっていても性能はほどほどでいいや、ということがあります。

パスハンターという特殊な自転車の場合、他のツーリング車とは少々違う観点になります。

求められる性能はこんな感じ。

1.担げること
2.ダート,土,草,雪,急坂の道を走れること
3.舗装路のアプローチも快適に走れること

ちなみにMTBとの大きな違いは1と3です。



1.担げること
・ボトルをダウンチューブの低い位置に
・ボトルを500mlの細いものに
・ポンプはシートチューブ後ろに装着
(S氏)


2.ダート,土,草,雪,急坂,九十九折を走れること
・あらゆる状況で操縦し易いオールランダーバー
・路面の振動を軽減するために前後サスペンションを装備
・チェーンリングを小さくして段差を越え易く
・枝が絡まないようにマッドガードは非装着
・障害物と干渉しないように内装ハブを採用
・急坂でも安心できるように強力なセンタープルブレーキ
・足をつき易いように26HEホイールとスローピングフレーム
・九十九折を走れるようにショートホイールベース
(浦安峠)

(峰山付近)

(綱子)


3.舗装路のアプローチも快適に走れること
・タイヤはブロックパターンではないもの
・空気抵抗が大きくなるマッドガードは非装着
・長時間でも楽なようにハンドル幅を狭く
・長い下りでぶん回せば時速60km出せるギヤ比


これらを考えて設計した結果、オールラウンドに楽しめるものとなりました。
ただし日帰り程度の工程であることと、雨はダメですが。

性能というのは目に見えない細かい部分を追求すること。
対して機能というのは出来る出来ないを決定づけるもの。

機能の有無は、好きだ嫌いだの余地を挟むことはできません。
性能は、多少悪くても“好き”を優先しても構わないでしょうね。

僕はパスハンターのフレームオーダー(注文制作)を3回経験しました。
最初は古典的なランドナータイプ。
次は近代的なMTBタイプ(といっても創世記のMTBですが)。
そして今のもの。

パスハンターという車種の誕生は、ランドナーを元にして必要な性能と機能を追加したものでした。
しかし、それは改良の域を出ることはありません。

30数年前はNC誌などで独創的なパスハンターを見かけることが多かったです。
阿武隈方面の方達からは独特な進化が伺えましたし、アマンダ製は千葉さんの意思をくんだチューブラーだったり。

乗り手の趣向が如実に現れ、特別な性能と機能をもったパスハンター、皆さんもいかがですか (^^)

(青崩峠)