幅員5.5m未満をゆく

自転車とサイクリングの日記です。

幅員5.5m未満をゆく

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山旅自転車考

ツーリング用の自転車というとランドナースポルティーフ、あるいはキャンビングになると思いますが、山すなわち急坂を考えた設計にはなっていないと思っています。
日本の急峻な山村地帯では15%とか20%という勾配が普通に現れます。
急坂には軽いギヤ比で対応するのは当たり前ですが、その他にも重要な要素があります。


◆ “曲がる” “回転する” “旋回する”

急な山道は九十九折になっていますが、勾配がキツイとさらに道を右に左に蛇行しながら上ることが多いです。
速度は5km/h前後になりますので、バランスをとる為に大きくハンドルを切ることもあります。
また、お気に入りの馬頭観音を見つけた時や、撮影ポイントを求めてUターンすることもありますね。

積極的にハンドルを切ることを考えるとフロントバッグは避けた方がいいでしょう。
車軸の真上にフロントバッグを装備することでハンドリングへの影響は少なくなりますが、ハンドルから離れることになりますので大きくハンドルを切る動作に影響が出ます。
サドルバッグの方が重量物が旋回の中心に近いため影響を受けにくいです。またはバックパック

もう一つ忘れてはならないのはブレーキワイヤー周り。
ハンドルを大きく切ってもブレーキワイヤーが引っ張られないこと。またこの時に自動ブレーキになってしまわないこと。


◆ 急坂を下る

下りは楽しいものです♪
下りではスピードが出ていますからハンドルを大きく切ることはありません。
重要なのは楽しさを半減させない操縦性とブレーキ性能でしょう。

ツーリング車では直進安定性をよくするためにフロントアライメントを設計することが言われています。
しかし、ここで間違ってはいけないのは、アンダーステアにしてはいけない、ということです。
あくまでもナチュラルなステアリングが基準にあって、それ以外の部分で安定性を求めるべき。

ブレーキ性能が貧弱だと楽しくありませんし、上り坂で疲労したのに下りでも腕が疲労することになってしまいます。
よく効くブレーキ、それに鳴かないブレーキであることも重要 (^^;

ブレーキ性能と共にハンドルとブレーキレバーの関係も見逃せない要素です。
ドロップハンドルとフーデッドレバーの組み合わせは急坂には不向きだと思っています。強いブレーキングでは必然的に下ハンを握ることになり、前傾したくないのに前傾姿勢を強いられるからです。

オールランダーバー(フラットバー)はこの点で有利です。下りがとっても楽しい♪
ツーリストには不人気ですが、その理由に手(手首)が痛くなると言われています。しかし僕は一度も手首が痛くなったことはありませんし、ポジションも実は一箇所とは限りません。ergonグリップにしてからは掌も痛みませんし。
不人気の真の理由は、ツーリング車にはドロップバーが似合うからだと思っています。否定しません。好みが全てを優先するのが趣味の世界ですからね (^^)



急峻な山にある道は馬が登れる勾配です。現代は馬が自動車に変わった為に勾配は更に急になりましたが、古くからある道は依然として馬基準。自転車が登れる勾配と同期していますね。


かつてのALPSクライマーシリーズは日本の急峻な山を旅することを想定したものでした。フランス式ランドナーとは区別した方がいいでしょうね。
パスハンティングは道路以外での活動を考慮することになりますので、ここでは前提にしませんでした。またの機会に。