西上州はかつて(35年くらい前でしょうか)NewCycling誌でよく取り上げられてた地域です。
山深い農村に点在する集落を訪ねたり、開通した林道で峠を越えたり、山道しかない古道の峠を担いで訪れたり。
西城州の山は独特の雰囲気があります。山としてはあまり高くありませんが、小粒で尖ったものが多いのです。にょきにょき生えているような様です。谷は深く日照時間は少ないことでしょうね。
県境の峠を越えた信州側はこれと対照的で広大。母性的な山様とでもいいましょうか。そして明るいです。植林はカラマツが多いことも、そのイメージに貢献しています。
今回はそんな双方の雰囲気を味わうコースにしました。
圏央道-関越道-上越道を繋いで2時間半。
さすがに行きは電車よりも移動時間が短いです。帰りは渋滞があるからトントンくらい。
西上州の懐に降り立つと「寒っ」。この秋で一番低い気温とのこと。車内蔵の温度計は12℃になっていました。
迷わず上下とも長い下着にして、下はニッカー、上はポロシャツ。ウィンドブレーカーまでは必要ありませんでした。
大上峠は西上州の中心を流れる南牧川を奥まで詰めていった先にあります。
右隣にある余地峠も魅力的ですが、ここは以前行ったことがあり、古道の山道を押し上げる峠です。
今回は時間的に余裕があまりないので舗装で越えられる大上峠にしました。
西上州は信州と並んで石碑がたくさん見られます。
アプローチにもそこかしこに石が散見され、大上峠にも石仏が置かれてありました。
古い時代に作られた石に交じって近年のものもあり、石文化がなんとか継承されていることは喜ばしいです。
上りの入口に通行止めの小さな看板があったので気になっていましたが、峠までにはその箇所はなく、あったのは出口の少し手前でした。
豪雨による荒廃でしょうか、道の下がえぐれており、もう一度豪雨になると全壊しそうな感じでした。
高巻きはできそうになく、下の沢伝いにも降りられそうになかったので、今後の修復に期待します。
信州側は緩やかで開放的な山様で気持ちがいいです。
十国峠へ行き交う国道をそれて旧道へ入ると更に気持ちがいい。バイパス道ができたおかげで住民は住み易くなり、サイクリングにも心地よい道になりますね。
海瀬まで下り、左折して千曲川右岸の県道へ入ります。
小海線と並ぶ道は時々線路と急接近します。土地との境や柵がないところが長閑に感じます。
○●○●
馬流の手前から東側の山腹に点在する集落巡りへ。
実は今回のメインはこの地域です。
まずは最初の集落「筆岩」まで急坂を上っていきます。
期待した通りの静かな集落で、首をかしげた馬頭観音、かろうじて残る茅葺民家もありました。
次の集落へは生活道路や林道が繋がれています。
思わずよだれが出そうな良質なダートが現れました。
道の傍らにポツンと馬頭観音が置かれており、見ると古い字で書かれたもの。
調べたらやはり馬という字でした。珍しいタイプです。
コーナーの先に神社があったので立ち寄りました。
鳥居は朽ちて無くなったまま、手入れもされていないようで、リスの住み家になっているようでした。
良質なダートのまま峰を乗っ越し、「市の沢」集落へ。
十字路から神社と公民館(?)がありました。
朽ちる寸前でもう使われていない建物でしたが、周囲の様子と相まっていい雰囲気でした。
続いて「親沢」集落。
民家が密集する中の路地は楽しいです。時間があればもっと散策してみたいところです。
川伝いに「川平」集落から親沢峠を経てぶどう峠へ繋がる北相木村に降り立ちました。
○●○●
さて、最後のぶとう峠をやっつけましょう。
ここは高校生の時、冬休みに友達数人と越えた峠です。
その時は雪が殆どなかったことが幸いでした。宿泊装備で秩父側から長い峠道をよく上ったものです。
今回は反対側からの上りですが、当時の様子はまったく記憶にありません。
峠だけは写真が残っていることから覚えています。
麓では青空でしたが山は雲に覆われて時間も押してきたので暗くなってきました。
最後の食料のあんドーナツを食べ、ウィンドブレーカーを着て下りました。
塩ノ沢峠は余裕があったら越えようと思っていましたが時間的に無理。
素直にトンネルを抜けてデポ地へ戻りました。
走行距離 100km
その他の写真
https://goo.gl/Hjw1BL
07:50 出発
09:53 大上峠
10:50 海瀬
13:45 親沢峠
15:29 ぶどう峠
17:20 帰着