幅員5.5m未満をゆく

派手な色にウンザリ

皆さん最近のメディアの写真(というか画像)の派手さが気になりませんか?
駅のポスター、電車の中の広告、雑誌、さらにはテレビ映像、等々。
歳をとってきたせいなのか、派手な色にげっぷ状態です。

カメラやビデオがデジタル処理されるようになって、それに追従して画層編集ソフトも多く出回ることになりました。
撮影した写真を自ら色調整をすることはごく一般的になったということです。
スマホで撮った写真すらも、その場で色調整ができますね。

しかし、そもそもデジカメそのものが、CCDやCMOSという受光素子を通したデータを、カメラに内臓された画像処理エンジンで処理しています。
ユーザ自らで色調整するということは、要するに二重に色調整をしていることに他なりません。

カメラメーカーの専門の人が色調整するのと、我々(第三者)が色調整するのと、どちらに軍配があがるかは考えるまでもありません。
しかも上記のように二重に色調整するということは、そこでデータの劣化が起こっているわけです。

撮った以上の色というのは生まれません。
濃くしたり、薄くしたり、色の境界を際立たせたり、そういった処理を行って見た目に変化をつけているに過ぎないのです。

写真としてではなく作画という意味で(目的で)色調整するのはよいでしょう。
しかし、一冊の本全てがそのような下手な色調整をされていたら、見せられる方は我慢なりません。
先日書いたパスハンティングの誤記を見つけた雑誌がそうでした。

最初は紙質のせいなのかな? と思いましたが、広告の写真はよくできているのです。
記事内の写真が全部ダメダメ。外表紙も特集ページの表紙もダメ。
どうしちゃったの? という感じでした。

例えばこんな感じです。

こちらは色調整したもの。彩度とコントラストを上げました。


こちらはデジカメで撮ったままのもの。


一見、一枚目の写真の方が綺麗に見えるかもしれませんが、僕にはこの手の色に拒絶反応を示すようになりました。

先にも書いたように、色調整することで劣化が進みます。
中間色が無くなってしまうのです。
簡単に言うと、24色の色鉛筆で描いた絵を、12色にしてしまうようなもの。
白から黒の間に24色の灰色があったものを、12色にしてしまうようなもの。

上の写真のサドルバッグ付近を拡大して比較してみました。
灰色の階調で写っていたところが、色調整することで真っ黒になったり真っ白になっています。


彩度を上げたりコントラストを強めるということは、こういう処理をしていることなのです。

綺麗な写真、というのは抽象的で個人差があります。
しかし、こうした階調表現が豊かであることが大前提だと思っています。
色調整はカメラに備わっている機能を使うに留めるのがベターでしょう。