ロードバイクの主流は今やダブルピボットのサイドプルブレーキ。
しかし、僕にはそのデザインがどうしても受け入れられません。
アシンメトリが嫌いという訳ではありません。
サイドプルブレーキは昔もお気に入りのブレーキがありましたから。
巨神兵を連想させてしまうからかでしょうか。
ジブリの「天空の城ラピュタ」に出てくるアレです。
結局選んだのがこちら、DIA-COMPE BRS200 です。
ネットの情報では「効かない」と言われていますが、この小ぶり感と素直なシングルピボットのサイドプルのデザインに魅力を感じるのです。
多少効きが悪くても、ガマンできるかもしれない、という期待で購入しました。
ニューグランコンペ400 で、デザイン・仕上げ共に完成の域に達したダイアコンペのブレーキ。
その後エアロの流行で、空力特性をコンパクト化を行ってエアログランコンペ300として再び頂点に上りつめた感がありました。
BRS200はこのAGC300のデザインを継承しつつ、個性が強かった部分を他との互換性を考慮したものになっています。
表面仕上げははっきり言って廉価版レベルですが、ダブルピボット巨神兵ばかりのロードブレーキ界にかろうじて生き残っているのですから、それは諦めましょう。
機構的な面へ目を向けてみると。ダブルピボットはとんでもなく中途半端なことが分かります。
一つの支点は従来のセンタープルと同じ、もう一つはなんとセンタープルブレーキとほぼ同じ位置の支点なのです。
この結果、一方の支点は力率が悪く、もう一方の支点は力率が高い。
更には、一方の支点はブレーキシューがリムを押し下げる方向へ動き、もう一方の支点はブレーキシューがリムを押し上げる方向へ動くのです。
キャリパー(挟む)ブレーキと言いながら、そのブレーキシューは完全にリムを挟むのではなく、互い違いに挟んでいることになります。
こんな設計でいいのか?
なぜ素直にセンタープルにしなかったのかが大きな疑問です。
昔からあるセンタープルブレーキなら、新たに設計しなくてもサイドプルブレーキよりも効率がよいことは分かっているはずですし。
今のブレーキ界を見ていると、このBRS200は最後の(真の)サイドプルブレーキかもしれませんね。
もしかしたら来期はカタログから無くなっているかもしれません。
センタープルブレーキファンは今のうちに入手しておくのがよいかも。